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長野県の住基ネット侵入実験について視察へいってきました!

内部(政府)の犯罪にはなすすべなし…

 住基ネットが危険とされる最も重要な点は政府による国民の統制管理の道具とされる可能性があるところです。
 国民ひとりひとりにつけられた11桁の番号をぽんと押せば、その人の生活状況、家系、職歴、病歴、犯歴、思想まですべてを見ることができる。そんな国民掌握台帳になりえる可能性があるのです。
 長野の侵入実験というものは内部の人間(一職員や政府)が起こす犯罪について危険かどうかを調べたものではありません。外部の人間(ハッカーなど)に侵入される危険性はないかを調べたものなのです。はっきりいってそうした内部の人の犯罪はもう防ぎようがないわけですから、結論から言わせていただきますがこんなシステムは到底容認できるものではありません。

侵入実験の結果は衝撃的だった

 長野県の侵入実験は住基ネットシステム本体(全国の住基ネットを結ぶ“住基センター”)にアタックしたものではありませんでした。住基ネットシステムの一部であるといわれる市町村のネットワークにアタックしたものです。これにより本体のセキュリティが脆弱であるかどうかがわかるものではありませんが、本体に侵入しなくても市町村のシステムは全国につながっているのですから、市町村のシステムへの侵入でも住基ネット本体に入ったのと同じです。
 あれだけ騒がれて導入された住基ネットですが、いとも簡単に侵入は成功しました。長野県の住基ネットのセキュリティレベルを家のセキュリティにたとえていうと、玄関や書斎、金庫にそれぞれ鍵がつけられていたとしても、玄関以外は鍵が古く、しかもかけてもいないところがあったというものでした。鍵が非常に丈夫に来ていても閉め忘れれば一緒ですがそんな状態だったのです。
 結局、全国に約3300もある地方自治体のすべてが常に厳戒態勢をとっていなければ住基ネットへの侵入は非常にたやすいものである事を物語っていました。
田中康夫知事とガラス張りの知事室前で

ヤフーBBでの流出事件も比べものにならない!

 こうしたセキュリティの問題は対応すれば技術的に解決できる問題であり、現に対応はすすんでいると県職員は説明しましたが、長野県の幹部職員は住基ネットへの不安も語りました。ヤフーBBが400万人以上の個人データを流出させましたが、住基ネットの被害は量的にも質的にも比べものにならない被害だ…と。
 防衛庁が不正に個人データを各自治体から取得していた事件は政府がのどから手が出るほど国民の個人情報をほしがっていることをあらわしています。ヤフーBBのデータ流出事件では個人データが加速度的に集積されつつも、非常に軽く扱われ危機にさらされている日本の状況が存在していることが発覚しました。そもそも創価学会という宗教集団の幹部で盗聴事件をおこしたこともある人物を、個人データを扱うのに非常に責任ある系列会社の社長というポストにおいたところに問題がありました。案の定その社長がデータを盗み取り、ヤフーグループ全体を脅すという事件でした。
 私はこうしたことを長野県職員に指摘した後、「はっきりいって今回の侵入実験はこうした内部の犯罪へのセキュリティを調べたものではない。政府や人間の管理の甘さにたいしては依然として不安がぬぐわれていないのではないか」と質問しました。幹部職員はそれにたいしてはなすすべはないことを語りました。
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