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議会中継!:住基ネット訴訟議案が採択
住基ネットの危険性を問うものではない
本日6/15(火)、私も参加する総務財政委員会で住基ネット訴訟議案が採択(委員会では「採択」、本会議では「採決」といいます)されました。住基ネット訴訟のいきさつやその内容について知りたい方は「議会活動」3/2付 をみてください。
各委員の審議後、公明党が継続審議の動議(議会中の議案にない案件の審議を要求するもの)。ここでバトルが始まります。賛成は門脇委員(民主党)、河津委員(生活者ネット)、岩田委員(自由・無所属)、そしてなんと自民党の斉藤委員も賛成でした。自民党は国では公明党と一緒にこの住基ネットを推進してきた党です。当然、“訴訟なんてふざけんな!”って感じでしたが前回は区長に面と向かって反対といえずに継続審議を動議。そして今回は区長の圧力に負けて賛成にまわった格好です。区長の圧力とは区長辞任から区長選挙、あるいは議会解散です。いまやられたら自民党は対抗馬をたてなきゃ格好がつかないし、議会選挙になったら今の自民党をめぐる情勢ではたまらないということです。ただ、どうしても納得のいかないもう一人の自民党、大泉委員は午後の委員会を退席しました。自民党の意地を見せたともいえますが、「ハッキリしろ!」ともまあいいたくなります。
なんと自民党の委員長責任で動議は否決
反対したのは私(日本共産党)、くすやま委員(日本共産党)、藤原委員(公明党)、西村委員(公明党)の4人でした。するとどうでしょう、賛否は4対4の同点になるんですね。こういうときは普段賛否に関わらない委員長が賛否を決めるんです。そしてその委員長はというと実はなんと河野さんという自民党の方なんです。
一瞬「ざわっ」としたあと委員長責任で「否決にします」と発声があって動議は否決されました。そのあとは公明党が退席しちゃって議案は4対2で採択。こともあろうに住基ネットを推進するはずの自民党議員によって住基ネット訴訟が行われるという何とも皮肉な事態になったのです。
区民周知も理解も不十分
日本共産党が反対した理由は次の通り。
まず、区長がいわゆる横浜方式での住基ネット参加を表明して以降、それまで行われていた区民周知がピタッとやんで区民の知らないうちにことがドンドン進んでいました。そんな状態での訴訟問題です。区民は何で訴訟を行うのか、この訴訟で区民は何を勝ち取ることができるのか、そもそも勝てるのか、全く理解が進んでいないのが現状です。訴訟費用も区民の税金で行われますから、当然区民周知が必要です。
急ぐ案件でもない
区民とのコンセンサスを得られない緊急の案件ももちろんありますが、今回ははっきりいってそう急ぐ案件ではありません。そのことは不参加状態の現在でも区と参加希望する個人や国の間に混乱がないことからわかります。
ところが逆に、仮に負けた場合には区の立場が大きく変化する可能性があります。今でこそ国からも参加希望の個人からも何も言われていない状態ですが、敗訴すればこうしたある意味落ち着いた状態を保つことができなくなるのではないでしょうか。今後の経過を左右しかねない案件を区民とのコンセンサスもないままに進めるのは承認できませんでした。
そもそも住基ネットの本質をなんら問うものでない
こうしたリスクがあるにもかかわらず、それをおしてでも訴訟するほどの意味を持っていないのが今回の議案です。私の「住基ネットの危険性を問うような訴訟となるのか、そうした議論をする姿勢を区はもっているのか」という質問に区は「全員参加が前提の訴訟」で住基ネット自体の存在価値や安全性に疑問を投げかける訴訟にはならない旨の答弁でした。訴訟について、“全員参加が前提でそれまでの当面の措置”と表現するなど、住基ネットを総背番号制とまでいって批判してきた今までの区長の姿勢と比べると非常に弱腰になっているのがわかります。これでどうして「国と対決する」ことができるでしょうか。
裁判するのが自治体の自立をあらわす?
また、裁判をすること自体が自立した自治体の証となる旨の発言が区側や賛成派委員からも出されましたが、これは自治・自立の本質と全くずれており、訴訟の意義を形成するにはほど遠い論点と考えます。もちろんこの論点での訴訟に区民とのコンセンサスは得られていません。以上の理由から日本共産党は反対の意見を述べました。公明党はもちろん住基ネット賛成派ですが、この“区民とのコンセンサス不足”という論調にほぼ同調し反対意見を述べていました。
公明党が継続動議のあと退席しなければ、自民党議員の委員長責任による住基ネット訴訟議案採択という異常事態をみることになったのですが…。極めて公明党の退席が悔やまれます。
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