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自分のせい? 雇用−若者の模索(5)

あきらめと格闘して

青年大集会で訴える働く青年サポート委員会の人たち
=6月13日、横浜市
 この連載の取材中だけでも、耳を疑うような実態にたくさん出会いました。

 ――ある財団に勤めている青年は、結婚三カ月たつが、出張と残業と泊まりが続き、まだ妻と二回しか一緒に食事をしていない。

 ――ダイエット食品を売る会社に勤める二十四歳の女性。給料が期日通り支払われない。催促すると、そのたびに社長がポケットから五千円、二万円と払うが、明細書はない(後日、会社は倒産)。

 ――二十九歳の男性。「三カ月頑張れば正社員にする」といわれて働いてきたが、期限が来るたびに「あと三カ月」と先延ばしにされ、一年近くも不安定な状態におかれた。

 多くの場合、青年たちは、働く者に「権利」があることに気づいていません。「会社も大変だから」「どこも同じ」などとあきらめさせられています。「自分に能力がないから」「就職するときに確認しなかったのが悪かった」など、自分の「責任」ばかりに目を向けさせられています。

サポート委

 そうではないことを、若者自身の言葉と運動でひろげる動きが、各地で生まれています。その一つが、神奈川・横浜北東地域の日本民主青年同盟(全国2万3千人の青年サークル)のメンバーでつくる「働く青年サポート委員会」です。
 以前から、仲間うちでは職場の現状が交流されていましたが、「うちの会社は中小だから、サービス残業は仕方がない」「組合もないし、職場を変えられるとは思えない」など、あきらめムードが根強くありました。
 しかし、一日の大半を過ごす場がそんな状態では息苦しい。その現状を変えることが、社会を変えることにもつながっていくのではないか。そんな議論から、京都の民青同盟が先駆的にとりくんでいたサポート委員会を、この地域でも結成しました。昨年六月のことです。

「人間はモノではない」

 活動の中心は、月一回の学習・交流会です。労働組合の役員を講師に招いたり、資料を持ち寄ったりして働く権利を学び、職場の状況を語りあっています。
 昨年九月末、十時間に及ぶ街頭宣伝にとりくみました。のべ二十五人が参加して、正午から夕方までは新横浜駅、その後夜十時まで鶴見駅前で、アンケートと署名を集めました。
 「帰りはいつも午前様。休みもとれない」「営業で毎日夜十時、十一時まで働いている。残業代は出ず、ノルマもある」――実態が次つぎ明らかになり、対話が弾みました。この日、百五十人が署名し、民青同盟に五人が加盟しました。
 集まった署名を持ち、約一カ月後の十月十九日の青年雇用集会(東京・渋谷)に三十人以上で参加。各地でがんばる青年たちの発言に勇気がわき、日本共産党の志位和夫委員長の「人間はモノではない」というあいさつに運動への確信を深めました。

活動で成長

 委員会メンバーの岡崎裕さん(26)=組合書記=は、「この活動のなかで、僕も含めみんなが成長してきた」といいます。「仕事のできないやつもいる。会社ばかり責めるのはおかしい」といっていた人が、青年の苦しみの背景に大企業の横暴があると気づき、青年雇用集会に有給休暇をとって参加しました。上司にかけあって残業代を払わせた人も生まれました。「運動がひろがっているのがうれしい」――メンバーは手ごたえを感じています。

 学び、交流しながら、自分たち自身のあきらめと格闘している青年たち。そのなかから少しずつ、でも確実に、現状を変える力が育っています。(おわり)
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