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定職につく人が少なくなる背景とは?

みんな問題と思っている青年雇用

 この間、『自分のせい? 雇用−若者の模索』や『若者のいま』など特集を行なってきましたが、いくつかの反響がありました。フリーターが増えていることについては多くの方が問題意識を持っているようです。ただ、その原因はというとそれぞれの方の思いがあるようです。
 定職につく人が少なくなる背景とは何か? まずは実態から考えていくのが重要と思い、やってきたのが今回の連載でした。

やってることは一緒なのに
「派遣」といわれただけで…

 企業が従業員を正規雇用から非正規雇用に変えている実態を「若者雇用のいま」で示しましたが、一見すれば“その企業の仕事がアルバイトなどで足りてしまうんだからしょうがない”と思われる方もいるかもしれません。
 しかし実態は仕事の内容に正社員、非正社員の差はなく、むしろ非正社員は今までの正社員と同じように働き、正社員はこれまでもっと上司がやっていたような責任ある(神経もすり減らすような)仕事を押し付けられるようになっているようです。これではただ単に「派遣」「請負」という言葉を付けられただけで、本来なら正社員としてもらえる給料をごまかされているようなものです。実際、派遣・請負労働者の自殺も増えています。

“ルールなき資本主義”

 そうした労働者の置き換えで一企業としては儲かったとしても、全国の企業(とくに大企業。中小企業はこの数年間でむしろ正規雇用を増やしている)で国民の力と生活費を食い物にしているわけですから、国民経済はどんどんと力を落としていくことになるのです。一企業は成功しても国民経済全体では大変な体力の低下を引き起こす。これが日本の“ルールなき資本主義”の末路といわれるものです。しかしこれは百年前に世界の先進国で否定された資本主義のあり方です。産業革命がイギリスで始まって以来、資本主義を取り入れた多くの国で数十年にわたって国民の経済奴隷化が進み、国民はそれまで以上に粗悪な生活を余儀なくされました(日本でもそうした時代を経験しています)。しかしそののちに国民の困窮の実態と労働運動の成果によって国民を守るルールある社会や経済がつくられてきたのです。
 「労働者の生活を守る一定のルールがなければ社会は発展しない」― これが20世紀に生まれた先進国社会の常識なのです。イギリスやフランスの企業は労働者の権利のため、国民監視下のもと企業や社会が本当に努力させられており、そのための費用を多額に捻出していますが、それでも日本の企業よりも国際競争力が強いのが実態です。労働者の生活を守る社会のほうがむしろ企業を強く育てるのです。

「2割教育」思想

 それに対し日本は?
 “ルールなき資本主義”を如実に物語るいい例が教育分野で行なわれています。政府や財界の「要人」といわれる人達は実は30年ほど前から“3割のエリートと大多数の従順な国民を育てることがこれからの教育のありかた”(「3割教育」。いまでは「2割教育」が唱えられている)と露骨にその狙いを披露しています。
 みなさんはこうした政府、財界の未来社会論をどのように受け止められますか?
 私はそんな社会が21世紀の進むべき道ではないはずですし、日本の発展の道もそんなことで勝ち取られてきたわけではないとおもいます。企業のほんの短期間の儲けのために国民がある種奴隷的に扱われ人間らしい労働、成長そして人生を奪われるのではなく、全ての人や子どもたちが広く知識と経験を積むことによってこそ、一見効率が悪く見えるようでも国は新しい技術と社会のありようを発見していくのです。

政府や財界の狙いを議論から抜いてはいけない

 
 青年の雇用問題の根底に流れる政府・財界の狙い、そしてその実態を国民レベルで認識することが重要です。
 さらに国民一人一人の知識、経験の蓄積、そして安心できる生活保障(後先考えない不安定雇用の増加に歯止めをかける)を求めていくことが、青年や労働者のわがままではなく、国を発展させるための社会的意義のある要求なんだと認識されていかなければならないと思います。
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