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議会中継!:区長にとって区民は「抵抗勢力」?
本日の決算特別委員会では日本共産党杉並区議団の小倉議員と山崎団長が質問。山崎団長の質問では、区長の区政運営への姿勢が厳しく問われました。
ちょっと前に杉並区は(財)関西社会経済研究所が行なった「自治体の組織運営評価」という調査で総合評価全国一位の称号を手にしました。
しかし、この調査…いったい誰が何のためにやったのかさっぱりわからないんです。情報公開・住民参加、財政運営・予算編成、行政評価などの項目で評価したといいますが、住民不在の福祉切捨て計画でこの間区役所に対する不満が高まっているなか、区の実情を知る人達からすればまさかの受賞。「区政の質の低下を考えずに福祉や職員を切り捨てるだけで“財政健全化”といっていいなら、だれだってこの賞なら受賞できるよ」と区内市民団体の方はいいます。
「改革反対の抵抗勢力」とは?
とくに「住民参加」の分野では「なぜ受賞できるのか」と驚かれています。この受賞は「住民自治基本条例」というものを杉並区が制定したのが大きな要因でしょう。しかし実態は予算削減をしたという“成果”がほしいために年間2万人が利用する高井戸社会教育会館を廃館にしたり、学童クラブの子どもたちをまったく体制の整っていないNPOに強引にあずけようとして失敗したりと、区民の声そっちのけでやりたい放題です。
そんな区長の行動を裏づけするようなことを区長本人が語っています。最近本を書いた区長。その中では自らの行政を「改革」と呼び、その「改革」のために「本来は時間をおいて考えながら進めていければそれは理想でしょうが、時間をかけると、だんだんいろいろな理屈をつけた改革反対の抵抗勢力が生まれてくるものです…例外なく一気にということが改革の大事なコツ」というのです。
先ほども言ったように彼がやっている改革は利用率の高い=区政貢献度の高い区民施設をつぶしたり、質の低下が必至な福祉施設の民間委託をやったり、ときとして杉並公会堂の改築に260億円の巨費を投じたりと区民不在な政治です。これに反対し告発する区民を「いろいろな理屈をつけた改革反対の抵抗勢力」と呼ぶのですからとんでもありません。「だんだんいろいろな理屈をつけた」というよりも「だんだんいろいろな真実に気づき始めた」区民が区長を追及し始めているのが実態です。
職員は「ソ連労働者」と一緒?
さらに驚くのは区役所職員に対する区長の侮蔑感。公務員敵視といっても過言ではありません。“公務員労働の限界”と区長はよく言いますが、その点が本日の質問で追及されました。山崎団長が区長に“公務員労働の限界”とはどういった了見かと問うと区長は「ソ連の労働者」と同じように公務員は“倒産しない組織”にいるために働かなくなるというのです。しかし、そういって区長が進めるのは60歳になって定年を迎えた人に役所の仕事を肩代わりしてもらうというものです。
いくら会社じゃあ、しっかり働いてきた人でも地域に戻って学童クラブや福祉施設の運営をできるかって言えば限界もあります。まさに専門性の面で。山崎団長は「公務員こそ専門性を持っているのではないですか」とズバリ。区役所の幹部職員も答弁では反論していましたが、内心よく言ってくれたと思っているのじゃないでしょうか。目の前で“働かないソ連の労働者”などと言われて悔しくないとは思えません。あんなに働いているのに。
職員が疲弊していっている
区長のやりたい邦題政治の下でしょうか、神経症を患う職員が増えています。こうした患者の増加は社会全体の流れと区はいいはりますが、はたしてそうでしょうか…。働いても働いても報われない、「ソ連労働者」といわれてしまうような職場で職員が疲弊し神経を患うことが増えているからではないでしょうか。
いくら区民サービスの向上を唱えても、職員数を大幅に減らしながらの職員への過重な負担の押し付けは職員の疲弊をもたらし深刻な組織破壊につながり、ひいては区民サービスの低下につながると指摘する職員もいます。こうした職員の声も引き上げられず、そんな声は「抵抗勢力」と疑心暗鬼のごとくに闇雲な「改革」をひた走る区長。いつまでこの疾走が続くのか…続けさせていいのか…。失速する前に考えたいものです。
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