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大型公共事業と震災被害

地震被災地をまわり、被害状況や住民の声を聞く日本共産党国会議員調査団=24日、新潟・小千谷市
 まず亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げます。被害を受けられた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。日本共産党は全党をあげてこの問題に取り組み、ボランティアや災害寄付金などをつのるとともに政府に対して、個人補償を含めた予算措置を要望していきます。

地震国だってことはわかっているのに何故…?

 私はこういう被害が起きるたびにいつも思うのです。
 地震のある国だってことは千年以上前からわかっているはずなのにいまだに震度6でも倒壊する家屋がたくさん出て、そのなかで人が命を失うのは何故なのか。
 家屋を倒壊させない技術がないわけじゃありません。みんなが震災に対する危機感を持っていないわけでもありません。
 この間国は地震の予防対策費や予報研究費を出し惜しむなど国民の願いを無視し続けてきました。ある意味、人災の面もあるといって過言ではありません。
 また、こんなことも私には大きな矛盾に感じます。新潟県ではこれまでに多くの大型公共事業がおこなわれ、立派ではあるけれども必要性の極めて薄いダムや道路などが次々とつくられてきました。そんなキレイで立派な箱物のよこで家屋が倒壊し、人が命を失う。もちろん地震自体は回避できるものではありません。しかし、こうした実態を地震だから止むを得ないとは言えないのではないでしょうか。

東京でこの矛盾は一層深刻。
2本目の東京湾横断道路計画も…

 この矛盾は関東近県、特に東京では一層深刻です。私も杉並を自転車で走っていると私の家を含めて「関東大震災が来たら一発だな」と思う家屋がたくさんありますが、そうした問題は放置されています。
 片や東京では何本もの高速道路計画が進行しています。この高速道路、今の東京の土地事情からして1mつくるのになんと1億円かかります。10mや100mつくって終わるわけじゃありません。数十kmにわたってつくられるのですからとんでもないお金がかかることになります。
 さらには、東京湾横断道路アクアラインの先、三浦半島と房総半島にもう1本の東京湾横断道路をつくろうって計画(東京湾口道路計画)があるというのですから開いた口がふさがりません。
 この計画は都の施策ではないでしょうが、こんなものをつくるお金と時間があるのなら、震災対策の公共事業をしっかりやれ!と言いたくなるのは私だけではないとおもいます。

震災対策を急がせよう!

被災者から要望をきく日本共産党国会議員調査団=24日、新潟県十日町市立総合体育館・武道館
 震災対策の公共事業といえば今切実に求められるているのは個人宅の耐震補強ではないでしょうか。へんてこなダムや道路や橋をつくるよりもよほど価値があると同時に、大型公共事業と違ってゼネコンが主役ではなく地元の中小土建業者が主役となりますから地域への還元も大きい。国民に必要とされ、さらには地域活性化にもつながる。これこそ本当の「公共事業」ではないでしょうか。
 また、日本共産党は震災のすぐあとに現地調査団を派遣し、そこでの調査で様々な要望を受けてきていますが、なかでも重要なのが個人補償を含めた予算措置です。被災され避難された方の多くは帰っても家が倒壊あるいは半壊していて、なかには入れない実態を突きつけられています。避難所をでたら自分たちの生活はどうなるのか。そんな、自分の将来が見えなくなる極度に不安な状態に陥っているのです。
 そんなとき、直接懐をあっためるような個人補償が行なわれれば、多くの人が社会復帰の時期を早め、政治にも経済にもいい影響を与えるものです。
 震災国といわれた国で、しかも先進国といわれたこの国でこうした施策がまだまだ整っていないのは大きな矛盾。ご一緒にこの矛盾を解決していきましょう!
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