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「赤旗」創刊77周年

本当のことを伝えるために

 「赤旗」の第一号が発行されたのは、一九二八(昭和三)年二月一日です。今年で創刊七十七周年を迎えました。
 「赤旗」は、一般紙のように「不偏不党」とは言いませんが、真実の報道に努めてきました。かつて、政党政治すら許さない軍国日本で、一般紙は「不偏不党」を看板にしながら、侵略戦争を推進する側に立ちました。「赤旗」は、侵略戦争の実態を明らかにして、やめさせるよう訴えました。「国民に本当のことを伝える」というジャーナリズムの原点を貫く新聞は、どちらでしょう。

戦争の「広報支援」

 一九三一年からの中国東北部侵略の発端は、日本軍が自分でやった鉄道爆破を中国軍の仕業にして攻撃を始めた柳条湖事件でした。「赤旗」は、それが「虚偽」であり、戦争の「真の原因」は「日本帝国主義が…領土略奪の為の戦争を準備してゐたところにある」と書きました(一九三一年十月五日付)。
 一般紙は、軍の虚偽発表を増幅し、「悪鬼の如き支那暴兵」(「東京日日」―現「毎日」)と敵意と偏見に満ちた紙面をつくりました。

戦争をあおって部数を伸ばす

 これは、報道統制のせいだけではありません。みずから戦争熱をあおり、部数増につなげました。伸び率が高いのは「読売」で、三一年の二十七万部から一九四四年の百九十一万部へと、七倍増になっています。
 戦後日本のジャーナリズムは、侵略戦争の反省のうえに、平和と自由、民主主義を掲げて再出発したはずでした。

イラク戦争にみた日本のマスコミ

 しかし、最近のイラク戦争と自衛隊派兵問題ではどうでしょう。アメリカは、「イラクが大量破壊兵器を持っている」というウソの口実でイラクへの侵略戦争を始めました。これにたいし、「反対」を表明した新聞もありましたが、アメリカや日本政府の言い分そのままに「非はイラクにある」と攻撃を支持し、自衛隊派兵を当然とする立場から「『戦争はイヤ』といった感情論で日本の進むべき道を選択すれば国を誤る」と言う新聞(「読売」)もあります。
 マスメディアは、米軍や自衛隊に従軍記者をつけて報道しました。その取材の様子を現場で見ていたジャーナリストは、「五輪の『がんばれ!ニッポン』キャンペーンならぬ、『がんばれ!自衛隊』報道でした」「日本の一部のメディアは完全に『広報支援』に入ったと思いました。…『広報』による支援です」とのべています(綿井健陽氏、『経済』〇四年七月号)。

憲法・増税問題でも国民の利益にたてない一般紙

 自民党や財界の改憲策動は、九条を変え、日本を再び「戦争する国」にしようとするものです。「読売」は、改憲案をつくって憲法改悪を後押しし、それに批判的な「朝日」も、社説で「自民党 改憲言うなら真面目(まじめ)に」(一月十九日付)と言う状況です。
 消費税問題では、ほとんどの新聞が、増税を当然視しています。

もっとよくわかるように

 「赤旗」は、イラク戦争にいたる経過や実態に即して「侵略戦争」だと書き、憲法改悪の危険性や消費税の不公平さを、具体的に告発しています。本当のことを伝えるための真剣な探究をしています。
 同時に、現状に安住はしません。世界や日本のこと、日本共産党のことを、もっと広く、わかりやすく伝えたい。政治や経済の流れがわかり、国民のくらしや運動の役に立つ新聞になりたい。七十七年の歴史を生かし、より多くの人に親しんでもらえるよう、新たな挑戦を行います。
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