日本共産党
杉並区議会議員
原田あきら
HOME
プロフィール
議員活動
すぎなみ探検隊
お知らせ
趣味のページ
リンク
議員活動
<< 戻る

方南図書館、成田図書館が企業に委託!

 杉並区が図書館のNPO委託を進めていたことをご存知でしょうか。
 地域の力を活用してより地域に開かれた図書館を目指すとして、図書館の運営を区からNPOへ委託するという計画です。しかし、運営の質の向上というよりも学童クラブの委託と同じように区長が一番やりたがっているのは人件費の削減でしょう。

方南図書館:NPO委託計画はどこへ?

 
 さて、「14館構想」という地域図書館増設計画が区民の運動で勝ち取られていますが、その12番目のあらたな地域図書館「(仮称)方南図書館」がこのほどつくられることになっています(6月議会で議案がでます)。実はこの館がはじめてのNPO委託館となる予定でした。
 この方針が出されるや、地域図書館に強い思い入れを持つ方々が集まった「図書館フロンティア」というNPO団体が地域に立ち上げられました。また、“地域図書館は区の直営が望ましい”という地域図書館の質的向上の運動をすすめてきた人たちも、せめて意識のある団体に受託してほしいと一年以上にわたってそのNPOにアドバイスするなどして骨格づくりに尽力してきました。
 ところが、昨年プロポーザルによる団体選定が行われる際、募集に応じたNPOが一団体しかなかったことを理由に区は突然企業のプロポーザル参入を認めました。そしてなんとNPOは選定で落とされ、企業に委託されてしまったのでした。

成田図書館は「突然」。区は説明会を開くつもりなし

 私の住んでいる成田図書館も企業に委託されると発表がありました。方南図書館は当初から委託の方針が出されていましたが成田にいたっては皆無。「成田は突然で私たちも寝耳に水」と先の地域図書館運動に携わっていた人たちはいいます。説明会も行われる気配すらないので私は区に「説明会も開いていないじゃないか」と迫ると「内部の執行体制の変更だけでサービスの変更はなく、区民の利用に影響を与えることはないと考えているので広報や当館でのポスターやチラシ配布しか考えていない」と答えました。

本末転倒とはこのこと

 内部の執行体制の変化=職員がパート労働者になることこそが今問題となっているのではないでしょうか。これからさらに求められてくる様々な地域図書館サービスは、雇用の安定した専門職員が継続的に担うことで達成されるのではないでしょうか。
そもそもサービスの変更がないというのは本末転倒です。今回の委託は民間らしいサービスの質の向上こそが目的の柱だったはずではなかったでしょうか。「?」は続きます…。

プライバシーは?“智の普及”は?

 地域の力をいかして、「民間」の創意と工夫をこらしてと言われて進められてきたNPO委託でしたが、結局ダイレクトメール会社(≒名簿会社)を本業とする企業に委託されてしまいました。図書館がなぜ必要かという理念議論もそこそこに、経営理念だけが先行して行われる今回の地域図書館の企業委託です。
 地域図書館の発展とともにぐんぐんと図書館利用者や貸し出し数は増え続けてきました。私も地域の成田図書館や中央図書館で勉強をしたり、和みの時間を過ごして学校とは違う本との付き合い方を教えてもらってきた一人です。
 社会を支える智の普及。この最大の役割をこの間まっとうしてきた地域図書館に何やら怪しい雲が忍び寄ってきているように感じます。
<< 戻る

杉並区成田東4-5-14
TEL 3391-0977

Copyright(c)2004,AKIRA HARADA
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。