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政府は事実認めて
七三一部隊細菌戦裁判 東京高裁で結審
周福菊さん(右端)と何英珍さん(左から3人目)を先頭に国会へデモ行進する原告ら=22日
(2005年3月23日(水)「しんぶん赤旗」)
旧日本軍が中国で行った細菌戦に対する国の責任を問い、被害者や遺族百八十人が損害賠償を求めた七三一部隊細菌戦裁判が二十二日、東京高裁(太田幸夫裁判長)で結審しました。中国から来日した原告と支援者ら十九人と日本の支援者が見守るなか、二人の原告が代表して最終弁論に立ちました。
14人家族が短期間に12人死ぬ
原告の何英珍さん(70)と周福菊さん(68)は、それぞれ中国・湖南省と浙江省で、旧日本軍七三一部隊のペスト菌散布によって家族を失いました。何さんは一九四一年に家族十八人中六人、周さんは四二年に十四人中十二人を亡くしています。
当時六歳だった周さんは「ペスト菌に感染したいとこと母の死が忘れられない」と話しました。高熱や呼吸困難で苦しんだいとこ。そのいとこを看病した母親。「(二人とも)のどの渇きを訴え、翌朝死んだ。短期間に十二人が死んで恐怖だった」と泣きました。
首相は「正義を守り、公平な判決を」
周さんは、一審判決が請求を棄却したものの、細菌戦の実行と被害の実態を認定したことをのべ、「日本政府は非人道的な事実を認め、謝罪と賠償をするべきだ」と訴えました。何さんは「人にはそれぞれ家族がある。その家族が罪もなく殺害されたならどう思うか」と裁判長に問いかけ、「正義を守り、公平な判決を」と求めました。
原告らは法廷後、内閣府を訪れ、七三一部隊細菌戦の事実調査をする担当機関設置や調査の実施、調査に関する回答を迅速に行うよう申し入れました。また、原告を先頭に約五十人が国会までデモ行進しました。
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