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山田区長の真意は?

JR事故「儲けに走ったからではないと思う」

 区長は職員広報紙『区りえい人』(くりえいと)でJR西日本福知山線の事故に触れて自論を展開しました。が私が聞くにちょっと驚く内容でした。
 区長は「JR西日本の非常識な会社の対応、社員の対応をみていますと本当に腹立たしい」としつつ、「なぜ安全がおろそかになったか、これは儲けに走ったからではないと私は思うのです」と述べます。
 まあ、ここまでは区長がそう思っているのだからしょうがないのですが、やはり気になるのは「じゃあ、なんで安全がおろそかになったのか」です。

えっ!国鉄時代のせいだったの???

 区長は「利益を上げていこうとする姿勢は、民間企業では当然です」と企業の利潤追求を正当化しますが、“行き過ぎた”利潤追求の姿勢に問題があったことには触れません。
 そして、その後に意外とビックリするところから事故の原因を引っ張ってきます。

 「やはり、安全がおろそかになったということは、JRが民間企業になっても未だに国鉄時代というかそういうものの意識を引きずっていたのではないかという感じがするのです。」  
 
 「多少の事故があってもつぶれないだろうという弛緩した意識…その日にゴルフや宴会をしたりといった弛緩した精神がそのままあらわれた。こういった会社全体に漂う倫理観の欠如、危機意識の無さが大きかったと思います。」  
 
 さて、区長のこの説…みなさんはどう思われますか。
 私としては「っはあ〜?」という感じですが…。だって今回の事故をみればその区長の言う「倫理観の欠如」は、まさに利潤追求が一番の任務になって、安全がおろそかにされるどころか二番目以降の任務がなくなってたからというのが定説になってきてますよね。あえて定説を破ってこんな発言をする区長。新聞見てないか、何か意図があるかのどちらかですよね。

覚えていますかあの事件。あれも福知山線だったんですよ

 実はJR福知山線は2002年11月、救命活動をおこなっていた救命隊員が後続の特急列車にはねられ死傷するという、あのいたましい事件を起こした線路でした。
 その判決では大阪地裁から“ダイアの早期回復に力を注ぎすぎていた”と指摘されたばかりだったのです。しかし、そのダイアの過密さやダイアをまさに死守させようとするJRの姿勢は変わりませんでした。
 乱れたダイアを早期回復させることで利潤が生まれます。しかし、そこには危険という鉄道関係者がもっとも排除しなければならない副産物も生まれます。
 国鉄時代にはなかった過密ダイアや職員のリストラがJR西日本へ民営化された後に現れるようになりました。これでも二十年近く前にもなる国鉄時代の亡霊に事故の責任を擦り付けるのか…。

同じ穴のむじな

 区長はこの間、まさに杉並区を会社に見立て、(私が一番納得のいかないところなのですが)区民を「客」とか「顧客」だとかいったりして、“自治体の利潤追求”に躍起になっています。
 しかし、自治体は商売ではないので何かを売って儲けてるわけじゃありません。自治体の利潤とはつまり、入ってきた税金をどれだけ使い道を狭めてあまらせるかにあります。その最大の矛先が福祉であることは言うまでもありません。
 そうした“利潤”をあげる中で学童保育や保育園、介護施設や障害者施設も予算削減のため民間委託されようとし、子どもの保育が月収16万円というフリーター並みの職員に任されようとしています。
 「多少の事故があっても…」どこかから声が聞こえてくるようです。私などはこうしたところにこそ、区長いわく「倫理観の欠如」を感じてしまいます。JRと区長、同じ穴のむじなか。

“利潤”をしっかりと区民に戻せ

 この間の福祉予算削減によって今、区には三百数十億円もの基金(自治体の貯金のようなもの)があります。認可保育園も足りないし、介護も地獄が続く中、それらには決して使おうとしないこの基金。いったい将来、どんなことなら使うつもりがあるのでしょうか。
 区民の痛みによって生まれた基金という名の“利潤”。区民にたいして倍返しで戻してほしいものです。
 しかしはたして、そこまでの経営手腕が「社長」にあるか?
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