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震度5前後で交通機能が麻痺
兄の結婚式の二次会、終了五分前に到着
(写真)電車の運転再開をまつ人で混雑する海浜幕張駅=23日、千葉市
先日の地震には驚きました。
何が驚いたかといえば震度5前後の地震で首都の交通機能が麻痺したことです。
私は地震のときは総武線市ヶ谷駅にいました。止まっていた電車が揺れていたのでおかしいなとは思いましたが、そこまで気にしない程度。実際、一般家屋の揺れはすごかったらしいですが、それでも震度5前後。首都の交通機能が夕方から夜にいたるまで数時間も停止しなくてはならないほどひどい地震とは思えません。
タクシーやバスも麻痺状態
地震直後
4時半過ぎに地震が起きてから、復旧までに山手線は3時間、京葉線は7時間かかりました。どちらも復旧したあともすぐには利用できる状態ではなく、被害はさらに長時間に及びました。ホームに溢れかえった人の波をみると、ことの異常さを感じさせられました。
東京メトロやJRの麻痺はすぐに波及してタクシーやバスも超満員で使える状態ではなくなりました。
私は6時からの兄の結婚式二次会には間に合うだろうと電車の復旧を待ってしまいましたがそれが失敗でした。1時間を過ぎても復旧のめどが立たず、動いている電車を駆使してもやっと新宿に到着できただけ。
数分たって、どうにも動きそうな気配がないと人が電車から出てきます。
会場の池袋まではまだまだです。やむを得ずタクシーをと思っても数十分は駅前で待たなければならない状態。バスは100m以上の列で、一台で十数名が乗れるぐらい。まさに麻痺状態でした。
なんとヒッチハイクで式終了5分前到着!
しかし、いかないわけにはいかないと結局、恥を忍んでヒッチハイクで池袋まで。お子さん連れで早く家に帰りたかったでしょうに「困っているときは」と乗せてくれました。あらためて感謝の念を申し上げる次第です。この方のおかげでなんとか会場につくことができましたが、なんと二次会終了の5分前。7時55分でした。
はかどらなかった点検作業
地震から一時間後の有楽町線。「もうちょっとすれば動くだろう」とどうにも動けないで待つ利用者。
レールにも車輌にも異常はなかった地震でした。復旧の遅れはいわゆる点検作業の遅れでした。一定基準を超える地震のときは技術員が線路や信号機を徒歩で点検して回る「徒歩巡回」を実施します。JRの担当者は“土曜日だから必要な人員を呼べなかった”といいますが、この間そうした分野からの人員削減などはなかったか気になります。
東京は震度5を1992年にも経験しています。活動期に入った関東の震災対策にお金も知恵も使っていく必要が出ています。
震災無策の東京を見直すいい機会
日本が地震国であることはこの10年、20年でわかったことではありません。何百年も前からわかっていることです。
震度5ぐらいでいちいち首都機能が麻痺していたら国際的にも日本は何をやっているのかといわれてしまいます。
100mほど続くバスの列…
私のように家族の結婚式の二次会ぐらいならまだしも、さらに重要な問題でその場に駆けつけられなかった人もたくさんいたことと思います。
今東京都は「安全・安心のまちづくり」をスローガンにしながら、多くの死傷者を救えるといわれている一般家屋の耐震診断や耐震補強に足を踏み出していない状況など、本気で震災対策を進める気がありません。やることといえば町会、自治会の安全パトロールなど都民の努力を強調するのみです。
国は地震観測に重要な役割を果たす測候所の廃止を訴え、新潟県中越地震で崖の中から幼い命を救ったレスキュー隊の所属する消防研究所の廃止まで訴えています。
大型公共事業にお金を費やすなか、こうした震災対策に光を当てようとしないばかりか今ある仕組みも壊しにかかる都や国の政治。許されるものではありません。ちなみに最近では救急車の有料化まで打ち出している東京都の二大政党。何が「安全・安心のまちづくり」か。
真の『安全・安心の街づくり』をめざしてともに声を上げましょう。
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