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外郭環状道路
いよいよ計画段階に暴走

 しっかし、なんで政治というものは同じ過ちを繰り返すのでしょうか。
 練馬―世田谷間16kmの高速道路にかける総工費なんと1兆2千億円。百歩譲ってこの総工費を信じても、1mつくるのに7500万円かかる計算です。
 杉並区では善福寺池と井草八幡宮の緑のベルト地帯を踏みつけにして通る道路となります。環境破壊と財政破壊が大きな問題とされている外郭環状道路計画。70年には地元の反対の声や必要性が問われ凍結となっていました。これを今、復活させようという動きが活発化しています。

石原都知事が凍結解除

 この計画の凍結を解凍してしまったのが、石原都知事でした。ディーゼル車の排ガス規制など車の環境破壊についてはもの申す態度を強調してきた都知事ですが、その実、都心開発計画に血道を上げ、逆に幹線道路一本分に及ぶ車の流入を増やしてきました。
 開発をしたら道路を造り、道路を造ったら開発を繰り返す…いつまでたったら同じ道を歩むのでしょうか。
 40m以上深くに道路を通す(大深度地下方式)計画をうたっていますが、「外環そノ2」という都市計画道路をつくろうとする話もあり、結局地上部を道路が通ることとなります。まるでだまし討ちのようにも見えます。

住民の声がどうして行政に届かない!!

 凍結解除を石原都知事が口にしてから4年。その後、PI(パブリック・インヴォルヴメント方式)外環沿線会議が発足し、住民参加型の話し合いが始まりました。しかし、計画の白紙撤回を求める声は一つの意見とされてしまい、結局のところ計画推進を前提としたような議論の場がもたれてきました。そしてとうとう都知事が“議論はし尽くした”“計画段階に移せ”と言い出したのです。

本日の道路交通対策委員会で追及
必要性の論拠となる資料が不明朗

 外環については多くの議論がこの数年間の間に繰り広げられました。大きな議論を呼んだのが外環計画の必要性です。国土交通省や都は交通渋滞緩和に大きな影響があり、資料には年間3000億円の効果とか、二酸化炭素の排出量を20〜30万t削減などと記載しますが、そのどれも根拠が明確でありません。

反対しているのは地域住民だけではない!

 私たちは過去に幾度も、行政によるゴマカシによって泣き寝入りを余儀なくされてきました。東京湾横断道路アクアラインは当初、借金の利子だけでも年間1000億円、しかし、年間の収入は300億円しかなかったといいます。収入で利子さえ払えない破綻した計画を都や国は絶対うまくいくといってきたのです。外環についても、効果がある、うまくいくといわれて信用できるはずがありません。
 外環についての新聞報道など見るとまるで“公共の利益と地域の不利益がぶつかっている”かのような書き方が目立ちます。しかし、外環計画の問題性を“不利益を被るのはその地域だけ”などと矮小化(わいしょうか)させてはなりません。この計画による被害は地域住民だけではなく、都民全体に重くのしかかるのではないでしょうか。
 財政的な面、環境の面、今後のまちづくりの観点等々、しっかりと考えればやみくもに道路を造れば良いという話ではすまないはずです。
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