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香田証生くんの死は「仕方なかった」のか

いまあらためて考える
 アメリカの攻撃によって、イラクに自由と平和が訪れると小泉首相は追随し、自衛隊を派遣しました。

戦争反対の声はかつてなく高まった

 わたしもよく覚えていますが、あの時、日本でも本当に多くの方がイラク戦争反対の運動を展開しました。
 私自身、高遠さんなど三人が捕まったときは、「自己責任論」を振りまく政治家やマスコミに負けじと、仲間と一緒に阿佐ヶ谷の駅前で「いてもたってもいられない会」と称して宣伝。勝手に自衛隊を送って日本人をテロの対象者とさせた政府の責任を社会に訴えたのでした。
 このとき集まったのは、政治活動とはほぼ関係のない子ども会の指導員仲間とかでした。人の命が「自己責任」という言葉で粗末に扱われる風潮にガマンがならなかったのです。

戦争のエスカレーション

 香田証生くんの死は私の中に戦争のエスカレーションを強く感じさせました。
 かつてない戦争反対の声の広がりを感じつつも、戦争による社会道徳の破壊力を感じずにはいられませんでした。
 「あいつの場合は自己責任だよ」という言葉を何度聞いたでしょうか。
 実際、「いてもたってもいられない会」に参加した人からも「あの子はしょうがないよ」という人がいて驚きました。
 若い人たちに、人が無残に殺されることを「しょうがない」と言わせた政治を、私は絶対に許すことができません。

なぜ?

 イラクの民間人の死者は少なく見積もっても10万人を超えているといわれています。
 そうした混沌を利用して暴力を何らかの食いぶちに結びつけるテロリストたち。憎悪と無秩序と悲しみの真っ只中に自衛隊員も放り込まれました。
 いま、イラクから帰還した自衛隊員が五人自殺しています。
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