原田あきら：「モテモテ派遣」

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「モテモテ派遣」

　最近テレビを見ていて本当に腹が立ったのは、靖国神社問題よりも派遣会社のＣＭです。

ここまで馬鹿にされなくちゃいけないのか

　きれいな女の子が出てきて♪「モテモテりソシ○ー」って歌ってるんです。
　最後の捨てゼリフは「モテる派遣リソシ○」ですからね。
　“派遣社員はモテないよ”、“でもうちはモテる派遣を集めてる会社だよ”ですって…
　馬鹿にするのもいい加減にしろ！

非正規雇用がこれからの流れ？

　日本の財界４団体などで構成される日本経済調査会なる団体では2004年、「雇用形態の多様化と労使関係」と題して提言を行いました。その中ではこんなことが書かれています。
　「こんにちの雇用形態の多様化は経済社会の構造変化の中で必然的に生じた先進国共通の現象である」
　さらに
　「企業と個人双方の合理性があって進行しているものだ」と断定。
　派遣や請負などの非正規雇用の増加は国際的な当然の流れで、企業だけじゃなくて国民も求めているんだといっているのです。

「世界の流れ」なんて真っ赤な嘘

　いったいどこの誰が非正規社員でいることを求めているんでしょうか。
　勝手に双方の意見が一致したかのような表現をされちゃあ困りますよね。
　こうした“不安定低賃金雇用やむなし”みたいな思想は「世界の流れ」なんかではぜんぜんありません。現に日本はつい最近も国際的な閣僚級会議の場で“日本の非正規雇用のひどい増加をなんとかしろ”と指摘されているんです。
　実は非正規雇用増加の方針を進めさせているのは日本財界の“オレたちゃエリート”思想の現われなんです。

その意識の根底に“愚民思想”

　財界御用達の閣僚、竹中平蔵議員は「経済格差を認めるか認めないか、現実の問題としてはもう我々に選択肢はないのだと思っています。みんなで平等に貧しくなるか、がんばれる人に引っ張ってもらって少しでも底上げを狙うか、道は後者しかないのです。」と語りました。
　大多数の無能な国民は非正規雇用になって一部のエリート正規雇用に引っぱってってもらえばいいんだということでしょうか。
　そのあと、「米国では…人々は満足している。実質賃金はあまり伸びないけれども、それなりに満足している」なんていってる…小泉政治の正体をあらわした表現として見事合格です。
　こうした“愚民思想”から「モテる派遣」なんてくだらないキャッチフレーズを発想できちゃうんでしょう。
　今こそ青年は立ち上がらなきゃいけないときですね。「なめんな小泉政治！」って。

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