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区立和田中の夜塾について

 まさに日本中に話題を振りまいている和田中の塾の導入。みなさんはどう感じていますか?

まず今の時点でわかっていること

 とりあえず私の知っているところについて並べてみたいと思います。
 
・塾名(?)は「夜スペシャル(夜スペ)」。
・学校ではなく学校支援本部が主催する形。
・入塾試験あり。
・対象は中学二年生の15〜30人。
・参入企業はサピックス。
・6時ぐらいから3時間。
・月謝は2教科1万8000円、3教科2万4000円。サピックスの通常料金の半額。
・校長は“「落ちこぼれ」対策はしてきたんで今度は「ふきこぼれ」(逆にやるきがあってこぼれていく生徒)対策だ”といっている。
・校長はこの間学力向上を打ち出し、学力テストの結果や漢検・英検の取得率を重視。他校との競争を重視。公立でも私立でもない「志立」を目指す。
 
 さて、ことは区内の中学校の話ですので、感情的に批判してはいけないと思うんですよね。
 ただ、教育の機会均等に関るかもしれない大きな問題ですから慎重に検証はしなきゃいけない。まずは藤原校長の主張が正確かどうかが問われると思うんです。

おちこぼれ対策をしてきたかどうか

 まず“おちこぼれ対策はしてきた”という言葉。これができていたとしたら本当にすごいことだと思うんですよね。
 でもですね、私も少しの期間教壇に立っていましたから思うんですが、これって本当に難しいと思うんです。

逃避を誘発しないか

 単に学力テスト的におちこぼれをなくすとすれば、はっきりいって誰でもできると思うんです。どんな子でもみっちり学習させればテストの点は上げられます。ただ、強烈なストレス、プレッシャーを与えますから、その競争についていけない(ついていきたくない)子達が不登校、ひきこもりになる危険性があると思います。
 その点、和田中の場合はどうなんでしょうか。
 すでに不登校となっている子達がこの夜塾の話を聞いてどう思うかもすごく気になります。ますます置いてけぼりになっていく不安にかられやしないかと心配するのです。

応用力とテスト力

 藤原校長の話はプレゼンテーション性に溢れていてそんな教育なら受けてみたいと思ってしまうんですね。まあいってみればいいことづくめなんです。それがまず真実かどうかが問われます。
 有名な「よのなか課」。私は総合学習として哲学的命題をディベートしたり(道徳的命題のディベートはあまり価値がないと思う)するのは優れた授業だと思っているので、こうした授業で思考力を高めることは大事なことだと思っています。ただ、藤原校長の話では往々にして英検取得率だとか、学力テストの学校としての結果がどうだとか、そういう話がすごく多い。子ども一人一人の内面の成長を大事にする姿勢を見せつつ、学校全体の結果を執拗に重視する…矛盾に感じなくもありませんが、もしも両立できているとすればまさに全校が学ぶべき実践でしょう。
 本当にそれが実現できているかが問われるのです。

和田中の優位的処遇

 和田中の金銭的優遇があるのではないか…わりと他の地域から疑問の声として聞くものです。
 実際にはこの間の様々な施策は和田中が行なっているのではなく、「学校支援本部」なる組織が行なっていることになっています。パソコン200台の貸出、部活への専門家の配置、土曜学校や図書室への大人の配置などなど。今回の塾の導入も「学校支援本部」の施策とされているわけです。これらに500万円が使われていると藤原校長が話しています。

他の学校にも手厚い施策を

 ただ、これについては頭ごなしにおかしいとは言いません。さらにそれが本当なら、むしろ和田中並みに、他の学校にも金銭的支援が施されるよう求めるのがいいのではないかと思うからです。
 よのなか課を行い、英語の授業に力をいれ、テストの点数も思考力も高めておいて、なおかつ、放課後・休日授業といったハードスケジュールの中でもおちこぼれを出さない丁寧な大人の支援が一校500万円で実現できるとするならそれはすごいことです。
 区がもしも「それは和田中だけ」といったときは、これはまさに教育の機会均等に抵触する問題になりますね。
 以上、とりあえず雑多に書きました。みなさんの意見を私のメールまでお寄せ下さい。
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