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「すごい卒業式」

この実態をみよ、井出 区教育長(元都教育庁指導部長)
 都内のとある学校で行われた卒業式が“すごかった”と情報が入りました。
 何がすごいって、「感動的」ってわけじゃないんです。残念ながら…。
 日の丸君が代の強制問題が取り沙汰されていますが、その実態についてなんですね。

“偏った思想”はどちらか

 今議会でも話題になった日の丸君が代問題。自民党や民主党の人たちなどは起立・斉唱しない人たちにたいして“礼儀を知らない”とか“偏った思想で意地を張っている”などという見方をお持ちのようです。
 ところが、本当に“偏った思想”を持っているのはどちらの方なのか、これを真正面から問う実態です。

ここまでするか

 都教育委員会(教育庁)は卒入学式に日の丸の掲揚、君が代の斉唱を義務付ける通達を2003年10月23日に出しました。いわゆる「10.23通達」です。
 これに基づき、卒業生と在校生が向かい合って別れの言葉を掛け合うフロア形式から、壇上の国旗に向かわなければならない内容へと変更させられる学校などが出ました。
 あと、ひどいのは身体障碍(がい)のある子が卒業する養護学校にもフロア形式をやめさせ、日の丸の前で卒業証書を渡すとしたこと。車椅子の子達は大変な思いをしました。

お待たせしました

 前置きが長くなりましたが、寄せられた声とは?
 卒業式の様子を見た人からの声です。
 「不思議なものを見た。」  から始まります。
「卒業証書授与」までの流れがあって、いよいよ別れの言葉。
 
「え?」
 
そう思った。
 
全員前を向いて行うことは頭では分かっていたけれど、これは「すごい」。
 
まず、1年生から6年生まで過ごした日々をリレーで語る。
これは親や先生等に向けての言葉だろう。
でも、壇上を見つめている。
 
全員合唱。
壇上方向を向いたまま。
ハーモニーの中心が、周囲に焦点化されない。
だから5年と6年の二部なのだが、細長い体育館前と後ろに別れての二部。
音のバランスが悪い。変だ。
うまいのに下手という不思議な状況。
 
さらに、5年生からの呼びかけの言葉。
6年生の背中に向かって呼びかける。
 
そして6年生側の応答と、親向けへの巣立ちの言葉。
全員前を向きっぱなし。
 
だれにいっているのかわからない。
 
壇上に背を向ける事を許さないということはこういう状況なのか・・・。
 

井出教育長、あなたのやったことは…

 この方は「これでも都下の親達は『よし』とするのだろうか?」と問いかけています。
 強制と処分を進める都の職員がいるわけですが、本当に胸のうちはどう思っているのか聞いてみたいですよね。
 さて、それにはうってつけの人物が杉並にはいます。
 杉並区教育長の井出隆氏です。
 何を隠そう井出氏は以前は都の教育庁(教育委員会)指導部長をしており、10.23通達以後の度重なる“日の丸君が代”通知と、それを批判する教職員に厳罰処分を下してきたその人であります。
 つくる会教科書の導入に加担した納冨前教育長が良心の呵責に耐えかねたのか電撃辞任してかわりに杉並に来たんですよね。

もちろん黒幕はあの人ですが

 自分の出した通達がこうした事態を生んでいることに彼はどう考えるのか。かつては杉並の校長会にその人ありと父母から慕われた井出氏…。
 実は豪腕を振るった都教育長のときも右派の都議からは逆に“なまぬるい”といわれていたようです…。
 私も「井出教育長、あなたのやったことは…」と見出しをつけたものの、実際に指令を下したのは誰かといわれれば…わかりますよね。
 人の金で銀行つくった人です。
 この式の様子を受けての感想を聞いてみたいものです。
(08.4.1)
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