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学習会が目白押しです!

道徳教育について

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 最近、各種市民団体の学習会によく参加しています。
 これは教育を考えるみんなの会主催の「すべての教科で道徳・愛国心教育ってホント?」と題された学習会です。
 しかし今日は集会の報告というよりも私の道徳論の一端をご紹介します。
 そもそもみなさん、道徳という教科が学校教育に入ること自体に問題が投げかけられていたってご存知ですか?

道徳の歴史

 そもそも教育現場での道徳教育や法に基づく道徳の遵守というのは、そのときそのときの為政者(時代によってはその国の統治者)によって国民管理の手段として使われてきた歴史があります。
 日本でも戦前戦中は「修身」という教科がありました。家族や社会ルールの大切さを説くように見せてすべては天皇制による支配を定義づける教科となっていました。
 道徳はこの修身の特徴をもつものとして導入に際して大変な議論を呼び起こした歴史があります。

道徳の狙いは何か

 もちろん天皇制の復活を目指したのが道徳だとまではいいません。ただ道徳教育の導入というのはその当時の社会背景に強く影響されているものです。
 たとえば日本の道徳教育が戦後始まったのは1958年から。1950年の朝鮮戦争(今の北朝鮮と、当時はアメリカと通じた軍事国家だった南朝鮮の戦争)を境に、アメリカが日本の再軍備方針を打ち出すなどした時代背景の下、導入の議論が始まっています。
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 現役の先生がつくる会教科書を使っての授業がどのようなものかといったコーナーもあり、興味深かったです。
 
 
 
 ではこの数年、小泉首相以後の道徳教育の強調はどんな時代背景に根があるのか。
 大量殺人や幼児虐待など痛ましい事件が取り沙汰され道徳をもっと強化すべきという議論がされています。
 しかし私はもう少し大きな視点でここ数年の「時代」を見たいと思います。するとここ数年の最大の特徴は貧困や、格差社会の広がりがあげられるんじゃないでしょうか。識者の中にはこれが大量殺人事件の背景にあるという人もいます。
 私がもしも今、この国の支配的地位にいたとしたら、こうした貧困や格差社会に対して『何があっても我慢し、道を切り開くのが日本人』という道徳を強調すると思います。

むずかしいですよね

 まあ、そこまでうがった見方をしないまでも道徳というのは難しい。
 例えばですよ、「協調性が最近の若者になくなってきている。自分の意見ばかり主張する若者が多い。我を通さず全体のバランスをとるのが日本人の美徳。」という話があったとします。
 しかし他方ではですよ、以前に「NOと言えない日本人」なんて本が売れましたが、今後の国際社会では「なんでもハッキリ言うし、言える関係をつくるのが大事」なんて話もあるわけです。
 どちらも大事ですねって教えられれば良いんでしょうけど、この矛盾を克服するだけの指導を何十人もいるクラスにその週一回だけの授業でどう完結させられるのか。
 やはりどちらかの答えを押し付けることになりはしないか。しかも今後、道徳に点数がつけられる可能性があるとすれば、なおさら為政者の一方的思惑が通知表を通じて強要されるのではないか…
 必要という人もいるので即なくせとまでは言いませんが、政治によって世の中が混乱しているときこそ、慎重にならなければならない問題です。
(09.4.24)
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