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「つくる会」教科書問題

「大蔵雄之助先生と当機構の関係について」

 という文書が教育委員会事務局に送られてきました。
 「当機構」とは「日本教育再生機構」という財団法人のことです。
 この団体は当時内閣に設置されていた教育再生会議にたいし、民間から声を届けるという趣旨で設立された団体です。

教育委員が教科書製作側と関与か?との指摘

 この間もこのHPで取り上げておりましたが、この団体に杉並区の教育委員である大蔵雄之助氏が関わっていたのではないかと問題になりました。
 教育委員だって人間ですから、思想もありますし、所属する団体だってあります。むしろ思想くらいはもってくれてなくては困ります。じゃあ、なぜ大蔵氏がこの団体に関わっていたことが問題になるのか。
 それはこの団体が教科書をつくる側にある団体と深い関係にあったためです。その団体とは、あの戦争賛美と侵略戦争美化の教科書づくりで知られる「新しい歴史教科書をつくる会」。

教科書作成に関わった人物は採択に関われない

 教育委員は教科書を採択する立場にいる人間です。ですから、教科書製作に携わってはいけません。あるいは携わった人間は、採択に関わらないというのがルールなのです。その辺を大蔵氏が無視しているとして問題となっていたのですね。
 だって機構のHPには代表委員と書いてあったんです。

機構側の誤り?

 ところが今回、この問題を収拾するため教育委員会事務局に送付されてきた機構からの文書には、大蔵氏には代表役員を口頭で依頼し、受けてもらったと勘違いしていた…という説明でした。
 なんとも子どもだましな説明にも感じますし、信じるとしてもとてもずさんな運営体質を露呈したものといえます。代表役員を勘違いって…
 あらためて、こうした人たちに作られた教科書を杉並区の中学生が使わされているかと思うと腹が立ちます。
 ただ、ひとつ疑問は残りますね。
 大蔵氏は先の議会でこの問題を問われた際、“代表委員にはなっていない。そうした団体に参加するときは講演料などをいただくことにしている”という答弁を行っています。
 だとすれば、代表委員でないにも関わらず、その団体の役員会に出席していたということは講演料などもらっていたということでしょうか。
 7月27日の文教委員会で聞いてみたいと思います。
(09.7.17)
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