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原田あきら
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やらせにもほどがある…
減税自治体構想フォーラムの愚

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 漫画が作られ、配られ、シンポジウムが開かれ…いよいよ本格的に動き出しました。
 選挙の最中、8月22日に減税自治体フォーラムというイベントが区主催でありました。
 私もかねがねこの構想の正体を告発してきた者として短時間でしたが会場に出かけてきました。

批判的論者が一人もいない

 驚いたのはパネリストの面々。
 区長に桜井よしこ氏にテレビによく出ている経済ジャーナリストの萩原博子氏、関西学院大学教授の上村敏之氏。司会は政治ジャーナリストの細川珠代氏。
 まあ司会からパネリストまで一人として減税自治体構想の問題点を追及する論者がいなかったのです。やらせにもほどがあります。それともよくは知りませんが「フォーラム」とはそういうものなのでしょうか。
 萩原博子さんまでもが論調に乗っかっていたのが個人的に残念でしたね。この人は生活者の観点から問題点を指摘してくれるかと思ったのですが。でもところどころでその生活者の目線が区長の論調と微妙なずれをかもし出していましたが…。

区財政と家計は一緒ではない

 みなさん区財政や地方自治体について知ったような口を利いていましたが(ちょっと表現が悪いですか…)、パネリストの全てに共通していた最大の問題点は、家計も区財政も同じようなものだと思い込んでいたことです。
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 たしかに家庭では、お金が必要以上にその年入ってきたり、あるいは諸経費節減でお金が収支で浮いたら、人々はそのお金を貯金します。それは必ずや家族の未来の足しになるからです。
 しかし、区財政は違います。その年、そこに暮らしていた区民にお金を使わずにためたとしても、その家族とはまったく別の家族やあるいはときとして別の所得階層の人々にそのお金を使われてしまう可能性が大なのです。

区財政は経済循環を考えなくてはならない

 また、区財政は家計と違って、税を富める者から多くとり、貧しきものから少なくとって国民に再分配するという富の循環を行っています。これによって現代社会は貧しきものでも暮らし学び、技術を身につけるなど、その能力を発揮して社会に貢献できるようになっていきました。区財政がお金を貯めることはその機能を停滞させることになるのです。
 家計簿と区予算とでは、根本的に次元の違う働きが期待されるのです。
 集めた税金が、要所を突いた支出で地域経済を動かすことも期待されています。経済循環という点も見逃せないのです。
 一年間に150億円ものお金が使われずに留まるという事態はどういう結果を生むのか。私がいくら指摘してもまともに区の部課長などはこの『負の経済効果』とも言うべき問題を専門家に諮問することもしません。

年収2〜3百万の人でいくら減税か?

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 ちなみに毎年150億円、10年間ためていくら減税になるのか。フォーラムには自治会・町会、老人会の方々など多数お見えになられていたので、それに基づいて年金収入2〜3百万くらいの方をモデルに計算しましょう。すると10年後から減税してもらえるお金はたった1500円〜3000円といったところです。月ではありませんよ。年間にです…。
 さて、例えばお年寄りの医療費を65歳以上から窓口負担ゼロにしようとしてかかるお金は58億円。100名規模の認可保育園を新設したとして運営費は年に2億円かかりません。
 地方自治体の新しい幕開けかのように結論付けたフォーラムの討論…みなさんはどう思われますか?
(09.9.5)
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