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「杉並版事業仕分け」開催!
昨日、民主党の区長らしく、杉並版の事業仕分けというものが行われました。
以前にもここで書きましたが、私自身は杉並で行われる事業仕分けというものには疑問があります。
公開の外部評価委員会か
区に事業仕分けもそうなのですが、杉並区においては区長自らがハンコを押した予算に、区長自らが仕分け人を設定して仕分けさせるという矛盾が最初から存在します。まあ、まだ現区長がつくった予算ではないということでやるのかもしれませんが。
「杉並版」の仕分け人は政治家ではなく、前から区で選定していた外部評価委員であり、いってみれば今まで行われてきた外部評価を公開で行ったというだけなのだと思います。
ズバッと切る爽快さに「罠」…
そういう根本矛盾に加え、区民本位の「丁寧な」行政施策というものにひびが入るという危険性があると指摘したいと思います。
率直にいって区民にとっては、仕分け人がズバッと無駄な事業を切り捨てるというシーンは気持ちよくそれを期待すると思います。しかし、それは逆にいえば、自分たちにとって大事な事業もズバッと短時間の議論で切り捨てられることを意味しているのです。
行政の事業というものは、アニメにしても子育て応援券にしても一応、あり方検討会とか審議会とかを通しています。山田前区長の強権をもってしても、そこには一定の議論を通過しなければならないのです。私たち議員もそうした資料をもとに議会で追及する機会を得るわけですね。
丁寧な議論が取っ払われる
ところが事業仕分けなんてものがこうした検討会や審議会の代わりにでもなったら、必要な資料も出てこないし、議論をする余地もなくなるわけです。いい施策をするにしろ、悪い施策をなくすにしろ、丁寧な議論を経ないということは、いずれ区民福祉切り捨てという悪い影響として跳ね返ってくるのです。
だいたい外部評価だって、いちいち議会に“今回は○○を外部評価します”って議題として提出されてきたのに、「事業仕分け」になったとたん、そういう議決の機会もありません。
今回の事業仕分けへの反応
昨日の事業仕分けについて傍聴した人や議員の反応を聞くと、“意外としっかりやっていた”とか“つまらなかった”などまちまちでした。しかし、少し怖いなと思ったのは「冒頭、“劇場型じゃない”といいわけをしていた」とか「もっと厳しくやってほしかった」という意見。何度もいいますが劇場型事業仕分けというのは一瞬爽快に思えても、丁寧さを欠いた区民福祉削減の通行手形です。むしろ劇場型でない丁寧な議論がここでは必要です。ですから区長が“劇場型でない”としたのはむしろ区民のためでもあります。“そんなの事業仕分けじゃないじゃないか”と言われればそうですが、だからといって「公開外部評価委員会」なんて名前にしても誰も傍聴には来ないかもしれませんしね…
(10.11.15)
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