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杉並区中学校教科書採択について
昨日の教科書採択を受けて、日本共産党杉並区議団の声明を作成しました。
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2011年8月10日
日本共産党杉並区議団
一、 本日、杉並区の教科書採択が杉並区教育委員会によって行われた。5人の教育委員による教科書採択では、自由社、育鵬社の歴史・公民教科書をいずれも不採択とし、全国的にも重大な結果を示した。これは、単に杉並の教育問題にとどまらない、広く日本の民主主義にもかかわる重大な勝利と言える。
一、 今回の採択において、井出教育長をはじめ、田中、對馬両委員は現場教師にとって使いやすいかどうか、子どもたちにとって考える力を育成できる内容かどうかなど、個人的な先入観や感情にとらわれない、現場や区民の声を反映させた採択に努めた。
一方で、宮坂委員は国語の教科書採択において「平和志向の強いものは避けるべき」と述べ、井上ひさし氏の文学作品を特定して批判し、また歴史教科書への神話の記述を特別評価するなど採択全体を通して個人的な先入観に基づく発言に終始した。
大蔵委員は委員長職という、全委員の公平な発言機会を促すべき立場にありながら、どの委員よりも自分の主張を展開した。様々な課題をあげて育鵬社や自由社を評価し、他社を批判することもしばしばあった。育鵬社について「つくりはヘタクソ」と指摘しながら、それでも同社を推す姿勢に区民からは批判の声が上がった。
今後、教育委員による教科書採択は広く専門家や現場教師、区民の声を反映させることこそ重要である。区長による教育委員の選任、および議会の承認を区民が監視することが必要である。
一、 今回の結果は区民や教育関係者の長年にわたる粘り強い運動の成果といえる。我が党区議団は広範な市民の集まりとなっている杉並の教育を考えるみんなの会の活動に賛同し、連日宣伝へ参加するなど活動を展開した。さらに、党区議団の区政報告に教科書問題を大きく取り上げ、これを全戸配布という規模で区民への周知に努めた。
党区議団の主張は、単に自由社、育鵬社版教科書の不採択を訴えるものではなく、専門家や現場教師、保護者など区民の声をしっかりと反映させた民主的な教科書採択となるよう求めたものである。この訴えは区民の多くの共感を得て、採択における各委員の発言を見ても今回の採択に重要な影響を与えたものと確信するものである。
一、 つくる会教科書問題は政治的な力によってつくられ、政治的な力によって教科書検定をすり抜け、政治的な力によって杉並で採択されたという、教育問題だけにとどまらない政治の問題でもある。日本共産党杉並区議団は今回の採択結果を確信に、運動の総括を深め、採択されてしまった大田区や武蔵村山市等の市民団体とも共同し、今後も教科書問題に取り組むことを決意する。
以上
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