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11.11議会中継〈5〉
健康学園廃止条例に自公民ネットみどりが賛成…
健康学園廃止条例が文教委員会で審議され、可決されてしまいました。
杉並区が全国に誇る教育施策「南伊豆健康学園」。1970年代、大気汚染や過酷なストレス、ゆがむ家庭生活などにより、少なからずの子どもたちが心や体から悲鳴を発しました。ぜん息や虚弱、肥満になる子がいるかと思うと偏食、拒食といった子どもも現れる…様々な症状が子どもたちに顕著に表れ始めました。
大人たちの決意を現れた教育施策
そうした子たちの中には身体的な影響から、教室などでいじめにあったりと心を傷つけられる子もいました。そうした子どもの成長に重大な問題が引き起こされかねない事態に陥った時、東京都の多くの自治体に健康学園がつくられました。身体的なハンデを人生のハンデにはさせない。大気汚染などを広げてしまった大人たちが、子どもの人生に責任をもつという使命感が現れたといえる画期的な教育施策が健康学園なのです。
なかでも杉並の健康学園は立地条件の素晴らしさ、長年受け継がれた教育技術により、多くの子どもたちを病から救い、大人への成長を助けてきました。
恥を知るべし
この日の審議では全会派が発言。自公民らから進め方の問題、代替策の質問など続きました。一様に厳しげに質すような質問でしたが、採決の下りになると、もう役目は終わったとか、代替策がしっかりしているとか、意外にひどかったのは生活者ネット・みどりの未来のそね文子委員(そねさん自身はネット)が“いい施策だがこれだけのお金を使って少数の子しか享受できない”といった主旨で賛成してしまいました。これには唖然。ネットはよくこういう考え方する時がありますが、みどりの未来まで…う〜ん、今後も協力する場面がある勢力だと思うので、この件に関しては再考を求めるものです。
ちなみに委員外発言で無所属区民派の質疑もありまして、これは存続を求めるもので意を同じくしたところです。
代替策は新施策としては期待だが…
代替策を聞いてきました。今決まっているのは4つ。一つは小児生活習慣病予防検診とそれに基づく年一回の健康相談室を年に二回に増加。2つ目は小集団の親子教室。なんでも元プロ選手など優秀な指導者を呼んでのプログラム。親も一緒に仲間を作りながらやる運動好きになれるプログラムだそうです。これはなかなかおもしろそう。ですが、どんな講師でどんな内容かを聞いても今後の検討とのこと。3つ目は学校全体で健康教育をするのだそうです。いまでも忙しい現場にマニュアルとかを見せてさあやってみてくださいと言っても物理的に難しいと思うのですが、そうした指摘についてはとりあえず提示して現場に判断してもらうといった答弁でした。4つ目が不登校児童対象の教室の創設だそうです。これは中学生にはつくられているさざんか教室の小学生版だそうです。これは大事ですね。
しかし、これらにあてる職員加配の計画などは今後の検討だそうです。
ほとんどが今後の検討
以上のように、興味深い施策もありますが、ほとんどが今後の検討。なによりも、健康学園の豊かな自然、多くの大人たちの手による心身の自信を取り戻せる教育プログラム、南伊豆の地域住民の暖かい見守りなどを「代替」できる施策にはなっていないのが問題です。代替策自体は新しい施策としては歓迎しますが、健康学園の代替とはいえないとハッキリ指摘してきたところです。
私は、健康学園の復活も目指して今後の政治に力を込めたいと思っています。
(11.12.2)
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