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杉並区教委「学校希望制度」を廃止!

 とうとう悪名高き学校希望制が廃止になります。28日の教育委員会で詳細が報告されました。

廃止は2016年度

 それによると廃止といってもすぐには行わないようです。移行期間をつくり、徐々に選択枠を減らしていって4年かけて廃止にするとのこと。
 希望制廃止後は学区変更基準をもとに学区外の学校に通うことを認めるかどうか判断するとのこと。
 なお、制度についてのアンケートをPTAや地域関係者にとったところ、8割の方が廃止あるいは見直しの判断を下したとのことです。

もともと杉並は学区変更が柔軟だった…

 そもそも杉並区は、学校希望制をつくる前から、いじめに関わっての中学校入学時の学区変更、部活選択に関わっての学区変更などは認められていました。全部で7項目だったかの基準があって、それに基づいて学区外の学校への入学は認められていたのです。はっきりいってこれで十分でした。
 今回はこの基準に“教育の特色による選択”の項目を入れて、気にいった教育方針の学校にも学区変更を認める内容となりました(まあ、この項目についてはいろいろありますが…)。まあ、総じてもとの制度に戻ると言っていいでしょう。

「学校統廃合の口実」が正体

 もともと学校希望制の最大の狙いは学校統廃合でした。教育予算削減のため、「選ばれない学校」を意図的に作り出し、“小さい学校は悪い学校だ”とのレッテルを張って潰していくという手はずです。
 今回、この制度は2016年度に廃止となりますが、これは制度存続を求める区民の批判をかわすという狙いとともに統廃合との絡みもあると考えられます。4年後といえば今区教委が進めている3つの地域の学校統廃合に一定の決着がついてからの廃止となります。小さいから潰すといわれていたのに、学校希望制がなくなれば人数の増える学校がほとんど…「じゃあ、潰さなくてもいいじゃん」て話になりますものね、地域では。潰すめどがたってからの制度廃止となる訳です。

パフォーマンス教育の横行

 希望制度ではまともな選択になりませんでした。あまり根拠のないうわさや校舎の外観、小さいか大きいか…幼稚園や保育園の友達がいくかどうか。まあ、そんな感じの「選択」です。
 こうした「選択」競争に打ち勝つために、学校は「特色づくり」に熱狂させられました。目立つ教育施策、ニュースに出るような教育施策をどうやるか。それが子どもの成長や基礎学力の向上に役立つのか…なんて考えずにです。あるいは学校のパンフレット作製やHPの立ち上げ&更新なんてことにも相当力を入れていましたね。というか、それに力が奪われていたんです…。

中途半端な区教委

 学校希望制がなくなることは現場に一つの落ち着いた環境を提供することになるでしょう。しかし区教委は微妙に見解が違う。“いささかの問題はあったものの、学校の特色づくりや切磋琢磨によって学校は見違えた!”なんて話をいまだにしているわけです。それを聞いた区民はですよ、「じゃあ、なんで廃止するの!?」「切磋琢磨がなくなるじゃない!?」って話になるのは当たり前です。
 過去を反省したくないがゆえにそういうジレンマに陥るのは愚かです。しっかりと過去を反省する姿こそ教育の事務に携わる者の姿勢として大事だと区教委(いや区長部局かな?)には指摘しておきます。
(12.4.7)
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