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2012.9議会中継!<4>

永福南小と永福小の統合議案が委員会可決

 文教委員会で重要な議案が可決されました。学校統廃合議案です。
 議案は永福小と永福南小を廃校にして「永福小」とし、所在地も現永福小の敷地におくという内容でした。

ネットみどり、無所属区民派まで賛成

 見まごうことなき学校統廃合議案なのですが、驚いたのはこの議案に日本共産党区議団以外、反対した会派がなかったこと。
 まあ、自公民が学校統廃合を進めるのはどの自治体でも同じです。しかし、生活者の視点を標榜する生活者ネットワークや最近結党したみどりの党がこれに賛成するのは意外…というか残念です。
 無所属区民派のけしば議員は永福南小学校の統廃合は不当としながらも、ここまで進んだ統廃合計画において、新校の名称や所在地を確定させるのはやむをえないと賛成。今までだったら“統合に反対の立場から議案にも反対”という判断がほとんどだったと思うのですが…今年3月でしたかね、田中区長の政治パーティーに出席した影響はかなり大きいのでしょうか…。ただし、質問自体はしっかりとした統廃合反対の論陣を形成していました。

学校選択制がなければ

 私もけしば議員も指摘しましたが、そもそも学校選択制(杉並区では「学校希望制」)がなくなれば現在70名程しかいない永福南小の児童数は二百数十名になると言われています。これは学校適正配置基準(統廃合する学校規模の基準)を上回ります。そして百害あって一利なし、学校選択制は杉並区教育委員会が廃止にすることを表明しています。
 当初、永福南小の保護者からは区にも区議会にも、小さな学校の良さを訴える声が届けられていました。それを強引に握りつぶしてきたのが区教委です。強引な区教委の計画を前に、学校存続をあきらめざるを得なかった保護者や卒業生の姿勢をもって、「反対している人はいない」などとは、私には言えませんね。

子どもがピーク時の2分の1っていうけど

 区はよく、児童数がピーク時の半分などといってピーク時の学校数を存続するのはおかしいと言います。これにたいしては自公民だけでなく、生活者ネットみどりの未来なども同調してきました。しかし、これはおかしな話なのです。いわゆるピーク時、それぞれの学校が子ども達にとってゆとりのある学習環境だったのなら、児童数が半減したらそれに伴って学校数を減少させるのはやぶさかではありません。ところがそのピーク時、学校はどこもギュウギュウ、当時、学習環境の改善を求める意見が多数文部省に届けられましたが、その時の回答が“いずれ少子化が訪れるのでそのときに良好な学習環境になる”というものだったのです。
 だから児童数がピーク時の半分だから学校数もそれに合わせて減らす…というのは成り立たない理屈なのです。実際、今回の統合でできる新「永福小学校」は560名を超える大きな学校となってしまいます。

未来の教育環境はどうあるべきか

 今は教育内容が高度化し、低学年から授業が長時間化しており、集中力を失い、イライラの多い子どもが増えやすい学習環境がつくられています。
 こうしたときにこそ、少し遅れた子に丁寧に教えてあげたり、イライラや不安の絶えない子の相談に、より先生が乗ってあげられる教育環境が必要とされているのです。このためにもクラスの少人数化は避けられません。

地域ごとの少人数、小規模な学校が理想

 最近では学校自体の小規模化も必要という研究者も増えています。千葉大学名誉教授の三輪定宣氏は「国連の機関である世界保健機関(WHO)も、学校は『小さくなくてはならない…生徒100人を上回らない規模』とはっきり述べています」と指摘。日本の学校規模が平均で331名なのに対して、たとえば教育先進国と言われているフィンランドでは学校規模が100名であると『ユネスコ文化統計年鑑1998』から資料を示しています。
 日本でも学級少人数化の流れが不可避となっているなか、10年、20年先の教育を考えた時、今学校を統廃合するのは、まさに将来に禍根を残すことになると指摘するものです。
(12.9.20)
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