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2012.9議会中継!<7>

 なぜ区民の生活が大変な時に議会で猫の質問なんかしてるの!と、お叱りの声も頂きましたが…
 単に猫といってもバカにはできない深刻な問題になっているのが、いわゆる「飼い主のいない猫対策」です。

猫の繁殖力をほとんどの人が知らない

 猫の繁殖力は実は凄まじいものがあります。1匹の猫が産む頭数は一回に5匹ほどで、妊娠から出産までたった二ヶ月ですから年間に数十匹を産むことが可能。なんと生まれた子も半年で妊娠できるので放置した場合、その数は無数に膨れ上がります。
 こうした繁殖力は当然厳しい自然の中で身につけたものですが、これを日本の住宅地という環境に連れてきて放置した時、これはもうとんでもない結果を生むわけです。そしてそれは猫にとって地獄のような環境をつくり上げているのです。

「飼い主のいない猫」の悲惨な末路

 猫エイズでやせ細り、あるいはノミやダニで体中をかまれてボロボロの猫、ばい菌が入って目がつぶれた子猫など、触ることもできないような猫…こういう猫をみたことのない人はいないはずです。そういう状態の猫は、普段何気なく餌をあげたり、ときとして虚勢を全く施さずに猫を外に放し飼いにしていたりする行為から発生しているのです。住宅地に住む限り、公園やアパートの隅などで子猫に餌を何となくあげてみたなんて経験はきっとあるはずです。
 しかし、そうした「優しさ」が完全に猫の生態を無視した命を軽んずる行為につながってしまっているのです。

去勢手術への自治体の助成が決め手

 アパート暮らしや分譲マンションが増えていますから、家では飼えず、しかもせちがらい世の中ですからね、小さな子猫をみたときに公園やアパートの片隅で餌をあげる人は増えています。しかし、その子猫がまさか数か月後に何匹もの子猫を産むとは夢にも思わないわけです。その子猫達が近所の庭に糞尿を撒き散らし、あるいは家と家の隙間や軒下で死んで大量のダニや虫を発生させるとは思わないわけです。
 さて、こうした事態をどうすれば解決できるのか。ここに各自治体が踏み込んでいます。具体的には去勢手術への助成と「地域猫」運動の展開です。

新宿や千代田の先進例

 そこに大変示唆に富んだ施策を展開しているのが新宿区と千代田区です。新宿区は一頭当たりの助成額はメス9000円、オス5000円で、飼い猫に対しても額は半額となりますが助成し、かつ頭数に制限がなく全ての猫を助成対象としています。
 千代田区はメス20000円、オス17000円、妊娠中25000円と高額で、助成頭数にも制限がありません。
 さて、杉並区はといいますとメス25000円でオス13000円。千代田並に高額です。しかし、年間に160頭と制限があるのですね。しかも新宿や千代田が年中助成をしているのに対し、杉並は助成の申請期間が限られているのです。しかも繁殖のピーク時と重ならないなど不都合な点が多い。施術を受ける病院が限られているのも使いにくさを倍増させており、やむを得ずボランティアが自腹で、安価で快く受けてくれる他区の病院などに連れて行ってしまってるのが現状なのです。

今の状態では焼け石に水

 私の質問はこうした助成制度をどうしたら使いやすく、現実に猫の繁殖を抑えられる制度に改善するかというところに力点を置きました。具体的には年間の頭数制限をなくし、申請期間もなくして通年申請を可能にすること、ボランティアの指導をお願いしての「地域猫」運動の展開を求めました。地域猫とは、そこで暮らす猫の去勢手術を地域で確認した上、一代限りのその猫の成長と死を、しっかりとその地域で見守るという運動です。こうなれば有害動物としての「ノラ猫」から、一気に地域のアイドルへと扱いが変わり、それはどんな動物でも命を軽んじない人間らしい心を、その地域に育てることへとつながります。そういう運動を通じてアパートの住民や戸建ての住民が仲良くなったりして地域がつながっていくものです。
 私は新宿や千代田でおこなれているこうした取り組みは、良好な住宅都市を標榜する杉並でこそ行われるべきと訴えてきたところです。今後、超党派でボランティア並びに獣医師会とも連携を図り、この施策を進めたいと考えています。
(12.10.15)
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