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生活保護とは何か?

 昨日も年始の挨拶まわりをしていたときに商店の方から言われました…
「まじめに働いている人よりもお金をもらっているなんておかしい!」と。
 そんなときにですね、真っ向から「生活保護は国民の権利なんです!」「あなたの権利を放棄することですよ!」なんて言ってはいけません。逆なでするだけです。
 今回は今話題となっている生活保護制度について私の見解を、わりと詳しく書いておきたいと思います。

生保に対する怒りがどこからきているのか

 まずは彼らがどうしてそう感じるのかを見きわめるのが大事です。といってもたいていの場合は見極めるまでもなく、生活保護への強い怒りの原因は自分たちの生活の苦しさから、あるいはまわりの低所得者の悲惨な実態をみているからです。
 増税負担増がどんどんと押し寄せる。それでは増税された分、福祉はよくなるのかと思いきや、医療や介護もどんどん改悪されていく…生活が苦しくなるはずです。商売人なんかは町の消費が減ってダブルパンチとなります。彼らの生活保護への怒りの根本には生活困窮の実態がある訳です。

生活を困窮させたのは誰か

 そこで大事になってくるのが、庶民の生活をそこまで困窮させたのは誰かという問題です。
 90年代、日本はアメリカや財界いいなりに大型公共事業に莫大な税金を投入。その主な財源は国債発行(つまりは借金)でした。そのツケは消費税5%への増税や福祉の切り捨てになって国民を襲いました。さらに2000年になって小泉内閣が誕生し、「骨太の改革」の名の下、使い捨て雇用の拡大や借金返済と大金持ち優遇政治のツケとなる国民負担増が押しつけられたのでした。

具体的にいうと…

 例えば東京都では石原知事が誕生するまでは、70歳以上は通院、入院、手術代含め、医療費が無料でした。さらには5万円もあった高齢者手当や介護手当、障害者手当などの制度が存在していました。
 ところが石原都知事が現れて事態は一変。「何が贅沢かといえばそれは福祉」と、大型公共事業などでつくった借金を福祉のせいにして、バッサバッサと福祉切り捨てを行いました。国も2007年、年金にまで課税するなんて血も涙もない政治を強行…
 ハッキリ言って、こうした福祉の切り捨て(というか人生設計上のハシゴの掛け外し)によって、年金では暮らしていけなくなり、生活保護を受けざるを得なくなった高齢者が大量に発生しました。将来不安に襲われた若い世代では、過酷な労働環境も相まってうつ病が大発生。生活保護が増えた背景は、弱い人間ができたからなどではなく、悪政がもたらした明らかな背景があるのですね。

福祉削減で浮いた金を使いたい人達にとって
生活保護は邪魔以外の何物でもない

 こうした福祉削減によって浮いたお金は莫大な額に上ります。その浮いた税金を大企業や癒着政治家は、大型公共事業や大金持ち減税にまるまる使いたいわけです。
 ところが、そこに立ちはだかるのが生活保護制度です。生活保護は医療や介護などの単なる福祉と違って、法律をいじくれば簡単に削れるというものではありません。憲法に規定された制度ですから、これを簡単に切り捨てるわけにはいかないのです。福祉を削られたことで生活を持ち崩した人達は、生活保護によって削られた分ちゃんと保証してもらえるのです。
 ですから、大企業や政治家は「せっかく福祉削減で浮いた金を生活保護にとられちゃいけない!」とばかりに、必死に生保バッシングを広めるわけです。福祉削減で浮いた莫大な税金に比して、生活保護費の増加額はあきらかに少ない…バッシングを恐れて、生保を受けない人がたくさんいるってことです。この政治家やマスコミによる生保バッシングは一定の成果を得ていると言えます。

ひどい報道の不正確さ

 このあいだ、政府の諮問機関が“生活保護の支給額は高過ぎ!”みたいな答申を出していましたが、あれはひどかったですね。まず、生活保護は左うちわの生活のような見せ方をしています。例えば18万円支給されてるなんてテロップが出ていましたが、とんでもないですね。あれはよくみると「4人家族」と書いてあったのです。一人でもらっている額ではありません。それからテレビでは、生活保護の支給額を一般家庭の消費支出と比べる間違いをおかしていました。生活保護世帯の支給額と比較するなら、一般家庭の「消費支出」でなく、「可処分所得」と比較しないと意味ないのではないでしょうか?…まあ、ここらへんはあまり深くは書きませんが、要は、あの手この手で生保バッシングに躍起になっているってことです。

全ての対象者への支給こそ政治の改善につながる

 ここまで書いてきて導き出される答えは、国民として求めねばならないことは、生活保護を絞れと叫ぶことよりもむしろ、対象者にはすべて支給しろと要求することです。そうしてこそ、福祉削減や雇用の崩壊によってボロ儲けを狙う大企業や政治家の思惑をくじくことができますし、福祉切り捨てで奪われている税金を取り戻すことができます。
 その意味で生活保護制度は悪政から国民生活を守る砦です。もちろんその砦に閉じこもるだけでなく、拠点として、先進国で当前のレベルの福祉を確立する運動に挑戦する!このことがいま国民全体に問われているのではないでしょうか。
(13.1.24)
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