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区の「少子高齢化」データに疑問の声

 区立施設再編整備計画案で計画策定の根拠とされてきた人口推計のデータに疑問の声があがっています。
 共産党に続いて、公明からも“総合計画で示された推計と違っている”と指摘がありました。いよいよ議会の話題となってきた人口推計問題。面白いこと(恐ろしいこと)がわかってきました。

再編計画の根拠

 新年会シーズン、何度も区長の話を聞きましたが、どこでも“30年後には高齢者の人口割合が今の二倍の40%になる!”と区民を脅かしてきました。だから児童館やゆうゆう館、科学館に湯の里「杉菜」など区立施設の削減や転用はやむを得ないというわけです。
 そうした人口減少と少子高齢化の根拠となってきたデータが国立社会保障・人口問題研究所(以後「研究所」)による自治体ごとの将来人口推計です。そこではたしかに約30年後の2040年、杉並区の人口は現在の約54万人から約46万人へと約7.7万人減少し、高齢者の割合は現在約20%が約40%に達するとあります。
 しかし、この研究所による自治体ごとの将来推計は各地で疑問の声があがっており、たとえば豊島区では区独自に人口推計をするにあたり、人口問題研究所の推計と区独自の推計に大きなズレが生じていることを指摘し、原因まで分析しています。区はそのような資料を区民に見せているのです。

区独自の人口推計

 そして驚くのは杉並区にはもともと独自に推計したデータがあったことです。これは研究所の推計よりも区がもっている最新かつ詳細なトレンドを加味したデータで、「総合計画」という区にとってとても重要な計画の資料にも使われているものです。
 ここでは、なんと杉並の場合、20年間にわたって人口は横ばい。人口構成も少子高齢化の傾向がみられるものの、それほど急激な変化は起こさないことが示されています。たとえば約20年後の区の推計では53万7千人で今(現在54万)と変わらず(研究所の推計では50万人弱と4万人近くのズレ)、高齢者の人口割合も全く違い、区の推計が20年後に22%といまより2%ほどしか上がらないと指摘しているのです(研究所の推計では約33%と10%以上のズレ)。

区民を脅し、欺く政治手法

 そもそも、研究所の推計は現在の人口や人口構成も間違っています。
 現在、区の高齢者人口は10万7千人で割合は約20%ですが、研究所の資料ではなんと14万人ほどとなっており、高齢者人口割合も26%と、現実よりも30%増しというズレかたです。ですから区立施設再編整備計画に示されている研究所のデータを使ったとされるグラフは、現年度まではここ数年の実際の人口を用いていて、ビミョーに変えてあるのです!!!だから来年突然、区の高齢者人口は4万人増えるというありえないグラフになっているのですね(笑)。
 実態とあまりにも違うとわかっているデータを使って、少子高齢化の危機感をあおり、区民サービス削減の根拠にするなど、区民福祉向上が使命である自治体の進め方として許しがたい行為です。
 このようなデータを使った計画は、無効であるということを指摘するものです。
(14.2.19)
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