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原田あきら
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衆院選小選挙区の結果を見て

 さて、先の衆院選の杉並の結果で私が注目したいのは円より子氏の得票をどうみるかです。
 これには、選挙中、一定の影響力を持った「戦略的投票」や「野党統一候補」という問題を考えるうえで重要な手掛かりがあると思います。

まずは杉並小選挙区の結果

石原伸晃  11万6193票 得票率47.55%
円より子  7万3348票 30.02%
沢田しんご 3万7788票 15.46%
鈴木たつお 1万6981票 6.95%
さらに2年前の結果を示しますと
石原伸晃  13万2521票 46.93%
山本太郎  7万1028票 25.15%
円より子  5万4881票 19.43%
上保まさたけ2万3961票 8.49%

興味深い数字の数々

私の見方としていくつかこの結果について書きたいと思います。
①けしば誠一区議は選挙前「2年前の選挙結果で、山本太郎さん7万1028票と円さんの5万4881票を足すと12万5909票」になるので石原氏を倒す可能性があるとの認識を示していましたが結果はそのようにはならず7万票。民主(6区議)、生活者ネットワーク(3)、無所属区民派(2)、社民(1)、みどり(1)という組織、さらに山本太郎氏というビッグネームの支援を受けた結果は出せなかったのが現状です。

政策抜きだと勢力の足し算が成り立たない

 安倍暴走政治に対する批判はもちろんですが、野党に対してもていたらくの二大政党たる民主党への批判、離合集散や右往左往を繰り返すその他政党や「第三極」の評判の悪化などが起因し、円支持の広がりを妨害しました。つまりは“政策抜きにくっついたり離れたり”という政治の場合、沖縄のように勢力の足し算がうまく働かない状況があるわけです。
 正直、原発再稼働をし、増税を決め、沖縄での米軍再編を推進してきた民主党の候補者が「NO原発、NO増税、NO戦争」というのですからひどい状況なわけです。まあ、生活者ネットはいつものことなのですが、今回、鼻をつまんで毒まんじゅうを食べるがごとく、支援に回った無所属や緑の党などは毒にあたらないようにしなければいけません。

清潔でブレナイ政治に一定の評価。
でも全有権者の1割に満たない現状…

 ②共産党の小選挙区での得票の伸びが著しいです。得票率で8.5%から15.5%への前進です。比例の伸び率はわかるんですよ。でも小選挙区がこれだけ伸びるのが不思議ですよね。だって、小選挙区は勝てる候補者へという流れが起きやすい選挙です。現に共産党の支持者でも“小選挙区は円さん”という人も少なからずいました。でもそれを上回って一定の共産党小選挙区候補者への流れができたというのですから凄いことです。
 ただし、共産がいくら伸ばしたからといって有権者全体からみれば1割弱。7割近くは失望して選挙に行ってなかったり、民主や他の政党にいれても自民の暴走を止められなかったとガッカリしている人たちです。そんななか「共産党が躍進!」と訴えても街の雰囲気に合わない可能性があります。あらためて党としては国民が主人公といえるブレない政治を貫くのみです。

野党統一候補について

 ③この選挙でも「沖縄にならって野党統一候補を!」「なぜ共産は加わらない!?」という議論がありました。しかし、先ほどの結果を見てもわかるように、今の情勢で共産党が加わったからといって沢田しんごの3万7千票が円より子の7万票と合わさるかというとそういうことはありませんね。「共産まで野合か!」と批判も起きかねません。
 「沖縄にならって」といいますが、沖縄は政策を固め、何よりも選挙後にバラバラにならないという固い決意のもとの統一候補体制であり、これを今回の杉並の状況と重ねるのはあまりにも無理があるといわねばなりません。「どうせバラバラになるだろうけど」あるいは「この候補者の主張は党を動かせないだろうけど」で応援するのは、有権者を冒とくすることになりかねません。そういう政治が多すぎてこの間の低投票率の一因にもなっていることを想起せねばならないでしょう。

統一候補は追及すべきだが、けっして政治変革の近道ではない

 ただし、沖縄のような共闘体制が実現できることも確認できたのは事実で、そこに向けてまさに「沖縄のような」体制がつくれるのか、各地域で議論は必要だと感じています。その際、共産党は各支部の意向が最も重視されるわけで、地区委員長や区議が決めれば動くわけではありません。たとえばその候補者が党の人間、あるいは支持者でなかった場合、なぜ「この候補者は党員でも支持者でもないのに推すべき人なのか」ということを支部員レベルで理解しなければ日本共産党という組織は動きませんし、むしろ一部の人の考えで動かすべきではありません。日本共産党や政治全体に対する住民の信頼を損ないます。
 この統一候補運動というのは区民全体の理解とはいわないまでも、それなりの大きな区民集団の理解を得ていかねばならない問題で、けっして今までの選挙のやり方を塗り替えるような、政治変革の近道ではないと感じています。まさにその多難な課題を克服し、自民党型の政治と対決できる巨大な国民勢力をつくりたいものですね!杉並のこの間の運動はその意味で興味深い動きが生まれている、と感じていることは記しておきたいと思います。
(14.12.25)
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