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13.11.21 一般質問原稿『区立施設再編整備計画素案について』
「新たなニーズ」論の間違いと失われた10年
区はこの間、区立施設再編の背景として「新たなニーズ」という言葉をよく使うようになりました。保育園や特別養護老人ホームなど介護施設のニーズが高いことをもって「新たなニーズ」がでてきた。これに応えねばならないといっているようです。
はたして保育園や特養ホームは新たなニーズなのでしょうか?日本共産党区議団は山田区政の時から認可保育園の増設と特養ホームの増設を幾度となく求め、コツコツと整備しなければ今に大変な事態になると警鐘を鳴らしてきました。新たなニーズどころか、以前から区民生活にとってかけがえのない基本的なニーズだったのです。前区政の転換を訴えた田中区長はこの区民ニーズの遅れを取り戻すことが仕事なのではないでしょうか。それをあたかも「新たなニーズ」と強調し、そのために児童館やゆうゆう館等の統廃合はやむを得ないと区民に迫る政治は認められません。
【質問】
そこでお聞きします。保育や介護のニーズは新しいニーズではなく、児童館やゆうゆう館などの施策とともに基本的なニーズであり、これらを天秤にかけるような行為に自治体としてどのような正当性があるのか、区の見解を伺います。
杉並はこの十数年間、前区政において福祉に回すべき税金を借金ゼロ政策につぎ込んできました。無茶な繰り上げ償還に100億円を超える税金が湯水のごとくに注がれたのです。大規模な区立施設ともなれば改修改築は本来、その施設を利用する数十年間の区民で負担を分かち合うため、あえて20年から30年の起債を立てたりするものです。しかし、借金ゼロというパフォーマンスにこだわった山田区政は区債を発行しないために、大規模施設の改修改築に起債を立てずほぼ一括で支払ってしまったのです。こうして世代間の公平性は破壊され、山田区政下の区民は膨大な額の繰り上げ償還と建設費一括払いのために、基本的ニーズたる福祉施設の整備を我慢させられたのでした。
現在、区民生活の痛みは大変なものとなっており、簡単に取り返せるものではありませんが、それでも借金ゼロ政策の結果による、財政規模からみて極めて低い区債残高や、350億円を超える基金残高、82.8%の経常収支比率などに財政力が温存されていることがわかります。こうした財政力を用いれば、失われた10年ともいうべき、山田区政下の区民の苦境を相当救うことが可能です。そこでお聞きします。
【質問】
前区政のツケである施設整備の遅れ、それによる区民の生活困難を解消するためには、現在の児童館やゆうゆう館など区立施設を維持しつつ、保育や介護といった基本的なニーズに応えるべきであると考えます。そのためにも経常収支比率80%というムチャな目標にとらわれることなく福祉分野への大胆な財政出動と、起債の活用が必要になってくると考えますが区の見解を伺います。
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