「新型コロナ対策に伴っての子育て・教育での支援についての申し入れ」
新型コロナウイルスの感染拡大のもとで、「早く学校を再開してほしい」「今の状況では登校させたくない」「受験はどうなるのか」など不安の声があがっています。こうした中で、子どもたちは我慢や戸惑いを抱えながら、かつて経験したことの無い生活を送らざるを得なくなっています。2か月以上も、学校に通っていない児童・生徒は、学力や体力に不安を抱え、精神的にも大きなストレスを感じています。子どもたちの食事や栄養についても、家庭による格差が発生しており、保護者からは「給食だけでも早期に再開してほしい」との声が寄せられています。
子どもの権利条約の12条は子どもに関わるすべてのことについて、子どもたちは自分の意見を自由に表し、きちんと聴かれる権利を持っていると謳っています。権利を持つ主体として子どもたちを認め、おとなと同じひとりの人間として尊重することが求められています。政府や自治体は子どもたちの声をよく聴き、権利条約の視点をコロナ対策に取り入れるべきです。適切な情報提供とメッセージの発信、すべての子どもたちの多様な育ち・学びを保障し、格差を生まない対策を行うべきと考えます。
そのためには、きめ細かな支援が必要です。経済的困難にある子どもたちへの支えも不可欠です。家庭のストレス増大で高まる虐待リスクへの対応は急務となっています。どの子もかけがえのない存在です。危機にある今こそ、子どもたちの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」を保障することが行政には求められています。
よって、以下の点で対応されることを求めます。
1、ガイダンス日の対応について
?生徒は2メートル以上の間隔で整列し、日陰に入れない子も出ています。熱中症などに配慮した対応に改善すること。
?ガイダンス日だけでもお弁当を支給すること。
?感染防止対策として、アルコール消毒液やレーザー体温計の確保、マスク対応等を十分行うこと。
2、学校再開に向けての対応について
?十分な感染予防対策を行うこと。
?クラス人数の分散化や時間差授業などを行うこと。
?少人数対応(少人数学級)を行うための教職員体制と施設の確保を行うこと。
?学校給食の再開を行うこと。
?授業時間数を確保するために学校行事等を中止する場合には、保護者や児童・生徒にていねいな説明を行うこと。
?学校の学習指導・生活指導などの教育課程の編成については、各学校の自主性を尊重すること。そのための具体的な援助や予算の確保を行うこと。
?授業時間数の確保のために、教育課程の見直しや工夫を行うこと。
?夏休みの保障を一定行うこと。
3、児童・生徒、保護者のメンタルケアについて
?気軽に相談できる窓口を、臨床心理士などの専門家の配置を含めて行うこと。
4、保護者の経済的な負担の軽減について
?子どもたちを対象に、市独自で「図書購入費助成」(小・中学生1人1万円、3〜5歳児1人5千円)を行うこと。
?ひとり親世帯への支援として、児童扶養手当を受給する世帯に市独自で「ひとり親世帯緊急支援給付金」(0〜5歳児1人5万円、6歳児以上1人2万円)を行うこと。
?就学援助世帯への「就学援助世帯緊急支援給付金」(小・中学生1人2万円)をつくること。
?就学援助の収入基準を緩和し、対象となる児童・生徒を増やすこと。
?就学援助の対象となる品目を増やすこと。
以上