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75歳以上医療制度 茨城広域連合が決定
保険料69,355円

減免策もなく無慈悲%本共産党が修正案提出

 茨城県後期高齢者医療広域連合議会は二十九日、臨時会を開き、保険料を一人平均年69,355円とした条例を賛成多数で可決しました。中庭次男広域連合議員は「独自の減免制度もなく、無慈悲だ」として反対討論を行いました。
 中庭議員は無収入や低所得者への減免、生活保護規準以下の高齢者への保険料全額免除などを要求。黒川事務局長は「財源的な問題が大きく、独自減免の考えはない」と答えました。
 日本共産党の佐藤文雄広域連合議員(かすみがうら市議)が「前回の議会で中庭議員の質問に対し『保険料滞納者に機械的に資格証明書を発行しない』との答弁があったが、変わりはないのか」とだたしたのにたいして、黒川英治事務局長は「変わりはない」と明言しました。
 
 東海村長も修正案に賛成

 共産党は生活保規準以下の高齢者の保険料を全額免除する修正案を提出。その理由を中庭議員が説明しました。 
 村上達也議員(東海村町)は「重要な提案だと思って聞いていた。高齢者の命と健康にかかわる問題だ」と発言し修正案に賛成しました。
 修正案は賛成少数で否決されたものの、「なぜ減免にならないのか」という声があがりました。

茨城県後期高齢者医療広域連合議会での反対討論

茨城県後期高齢者医療広域連合茨城県後期高齢者医療に関する条例(議案第15号)は保険料をきめた条例です。これに反対する討論は以下のとおりです。

中庭議員が行った反対討論の大要

 議案第15号について反対し、討論を行います。
 いま、「後期高齢者医療制度」の中身が知られてくるなかで、高齢者・国民、自治体、地方議会、医療関係者などから、いっせいに批判の声がわき起こっています。福田内閣、自民・公明の政権与党も、現行制度で健保の扶養家族の人から新たに保険料を徴収することを半年程度延期する、70〜74歳の医療費窓口負担を2倍に値上げすることを一年程度延期するなどと、医療改悪の一部「凍結」を言い出さざるを得なくなっています。昨年の通常国会で強行した制度の破たんを自ら認めたものにほかなりません。
 〔当初より5,000円も高い保険料〕
反対理由の第一は保険料が高齢者の所得にくらべて高く、茨城県の保険料は一人平均年69,355円であり、厚生労働省が当初発表した平均的な厚生年金の受給者(208万円)の保険料は74,000円でしたが、茨城県は79,262円で、約5,000円も高くなっております。

 〔低所得者に重い保険料〕

 第2に茨城県の保険料の均等割額は年37,462円で保険料全体の54%をしめております。所得に関係のない均等割の割合が所得割より高いのは、低所得に者に重い保険料となっております。

 〔無収入でも11,200円の負担〕

 第3に低所得者に対し、7割、5割、2割の法定減免がありますが、年収153万円以下では、保険料は一律11,200円で、無収入でも、月1万円、2万円の年金でも保険料は納めなければなりません。減免は全く不十分であります。

 〔扶養家族でも保険料を負担〕

 第4に、現在、サラリーマンの「被扶養者」として健保に加入している人も、新制度に移行後は、保険料が徴収されます。

 〔独自減免はない〕

 第5に、茨城県広域連合独自の減免制度がありません。
 法定減免が不十分な中で、広域連合独自の減免が必要であります。例えば、生活保護時給者は保険料の徴収がありません。しかし生活保護基準以下で生活している高齢者は、保険料の均等割額が7割減額されても11,200円の保険料は納めなければなりません。 独自減免の実現をもとめるものであります。

 〔滞納者には保険証とりあげ〕

 第6に滞納者にたいするペナルティーである資格証明書の発行に反対します。
 広域連合は滞納者には保険証をとりあげて、全額医療費を自己負担させる資格証明書の発行をおこなうと答弁しました。機械的には発行しないとしていますが、発行をおこなうとしています。資格証明書が発行されるのは月15,000円以下の年金生活者であり、これらの高齢者に資格証明書を発行することは無年金者、低年金者に対する無慈悲な仕打ちであり、許されません。

〔2年ごとに値上げ〕

 第7に保険料は2年ごとに改定され、値上げとなります。
 保険料額は2年ごとに改定され、医療給付費の増加や、「後期高齢者」の人口増に応じて自動的に引き上がる仕組みとなっています。厚生労働省の試算でも7年後は39%の値上げをみこんでおります。

 〔医療費の削減が本来のねらい〕

 第8に後期高齢者医療制度の本当の狙いは医療費の削減にあります。
 高齢者への医療を抑制することは、「現役世代のため」などといいますが、とんでもないことです。政府の導入のねらいははっきりしています。この制度がもっとも“威力”を発揮するのは「団塊の世代」が「後期高齢者」となった時です。そうなっても国の財政負担が増えないよう、国民負担増と給付抑制の仕組みをつくろうというのが「後期高齢者医療制度」です。いまの高齢者はもちろん、将来、高齢者となるすべての国民から、医療を奪いとる改悪です。また、高齢者を扶養している現役世代にも、重い負担がのしかかることになります。
 来年4月からは、高齢者の診療報酬は別建てとなり、報酬の引き下げを検討していますさらに高齢者の在宅死を現在の2割から4割にふやして、これだけでも厚生労働省は5,000億円の削減ができるとしています。高齢者は早く死ねといわんばかりの仕打ちであり、現代の姥(うば)捨て山をつくるものでありあり、さらに高い保険料を押しつける後期高齢者医療制度は中止以外にありません。

生活保護基準以下の収入しかない高齢者の保険料を全額免除する修正案の提案理由について  

 日本共産党が修正案を提出。この修正案に賛成したのは日本共産党の2人の議員(中庭市議・佐藤市議)と村上議員(東海村長)です。
       
提案理由の大要

 生活保護基準以下の収入しかない高齢者の保険料を全額免除する修正案を提案した理由についてのべます。
 第一の理由は、政府がきめた低所得者に対する減免制度がきわめて不十分であるためです。153万円以下の場合、年金収入が全くなくても、月1万円の年金でも2万円の年金でも一律11,200円の保険料が徴収されます。

 〔県内で年金月15,000円以下が6万6,000人〕

 茨城県内でも、月15,000円以下の年金しかない高齢者が66,000人います。厚生労働省の調査でも国民年金受給者の4割は年金が月10万円以下です。
 食費を切り詰め、ぎりぎりの生活をしている高齢者から負担の重い保険料を徴収することは、高齢者いじめの政治であります。
 さらに広域連合は保険料を滞納したら保険証を取り上げ、病院の窓口で医療費を全額自己負担する資格証明書を発行するとしています。これでは病気になったら死ねと言わんばかりであります。
 生活保護受給者になれば、保険料は徴収されません。しかし保護受給者以外は例え生活保護基準以下の収入の場合であっても保険料を納めなければなりません。

 〔法律でも全額免除はできる〕 

 この減免を行う場合、保険料全額免除する財源として、県、市町村の補助金でまかなうことを主張します。高齢者の医療の確保に関する法律第103条で「都道府県、市町村及び後期高齢者医療広域連合は後期高齢者医療に要する費用に対し、補助金を交付し、または貸し付けることができる」とされており、この補助金の使途は限定されておらず、厚生労働省の担当者も可能であるとしています。東京都では区市町村が一般会計の100億円で、保険料を引き下げることを11月20日の広域連合議会で決定しています。
 茨城県においても生活保護基準以下で生活している高齢者の保険料の全額免除が行われるよう修正案を提案した次第です。議員各位のご賛同をお願いいたします。
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