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2007年9月議会代表質問
日本共産党の中庭次男でございます。通告に従い、代表質問をいたします。
後期高齢者医療制度についてお伺いいたします。
来年4月から75歳以上の高齢者全員が強制加入になる後期高齢者医療制度が実施となります。これにあたって、水戸市として、後期高齢者医療広域連合や県に対し、後期高齢者をまもる立場から要望や意見を行うようもとめるものであります。
第1は保険料は高齢者が支払可能な額とし、できるかぎりおさえることをもとめます。今回の後期高齢医療制度の保険料は厚生労働省の試算、試みの計算では厚生年金の平均的な年金受給者の保険料は月6,200円、年間74,400円とされ年金から天引きとなります。
扶養家族になっている高齢者は健康保険料は無料でしたが、この制度によって保険料を支払うことになります。
広域連合は11月29日の連合議会で保険料をきめるとしています。保険料は高齢者の実態にあった支払可能な低い保険料にすることをもとめるものでありますが広域連合に要望する意志はあるのかお伺いいたします。
第2に水戸市における後期高齢者医療保険の加入者数、年金が月15,000円以下で水戸市の窓口に保険料を直接納める普通徴収者数、扶養家族であらたに保険料が賦課される人数についてお答えください。
8月27日の後期高齢者医療広域連合議会で、黒川英治事務局長は県内では加入者は33万人、扶養家族であって今後は新たに保険料を負担する高齢者は64,000人、普通徴収者は66,000人と答弁しました。水戸市では人数はそれぞれ何人なのか。
第3に低所得者に対する減免制度についてお聞きいたします。
最初は法定減免の一層の充実を国にもとめることであります。
全く収入のない高齢者でも保険料は負担することになります。法定減免は均等割7割減免が最大であり、低所得者にはさらに減免も行うこと国にもとめる考えはあるのかお伺いいたします。
次に広域連合独自の減免制度の実施をもとめることであります。
年金が月15,000円以下の高齢者も、年11,160円の保険料が徴収されます。
わずかな年金でも保険料を負担しなければならない後期高齢者医療制度は低所得者にとっては過酷な負担であります。
第4に資格証明書、短期保険証の発行を行わないことについて質問いたします。
厚生労働省は保険料を3ヶ月間滞納したら、短期保険証を発行し、1年滞納したら資格証明書を発行するとしています。しかし資格証明書が発行されると医療費は10割全額を窓口で支払うことになります。滞納した高齢者に病院にかかるなという制裁措置であります。資格証明書、短期保険証が発行される対象者は、保険料が年金天引きでない、年金が月15,000円以下の人々にかぎられることになります。低所得の高齢者に対し滞納したら保険証を取り上げることは、病院にかかれず、死ねと同じむごい仕打ちであります。国民健康保険の場合、75歳以上には資格証明書を発行してはならないことになっております。
8月27日の広域連合議会で、私は資格証明書は発行すべきではないと主張し、黒川事務局長は「1年の滞納で機械的に発行する考えはない。市町村と連携して慎重に対応する」と答弁しました。
水戸市としても資格証明書の発行はおこなわないよう広域連合にもとめる考えがあるのかお尋ねいたします。
第5に政府に対し、高齢者医療費の公費負担割合の引き上げをもとめる考えはあるのかお伺いいたします。
広域連合は2年ごとに保険料の見直しを行います。高齢者人口が増えるごとに、医療費が増えるごとに、保険料は値上げとなります。
厚生労働省の試算では7年後の2015年度には保険料が4割も値上げになると試算しております。この値上げをおさえるためには、医療費に対する公費負担割合を大幅にふやすよう政府にもとめることが必要であります。
いま政府が計画している国、県、市町村の公費割合は高齢者医療費の50%であります。残り40%を国民健康保険、政府管掌の健康保険などの支援金、10%を後期高齢者の保険料でまかないます。高齢者の医療費が増えると保険料が値上げになる仕組みになっています。
これに対し日本医師会が今年2月28日に発表した「後期高齢者医療制度についての日本医師会の考え方」では「公費の負担割合を国庫で高齢者医療費の90%に引き上げる」としています。その理由として「75歳以上では、疾病の発病率、受診率、医療費(とくに入院)が急速に増え、保険原理は機能しにくい。すなわち保険料で医療費をまかなうことは無理があるとして、保障原理すなわち社会保障制度として運営するため、国庫負担をおもにする公費負担割合を医療費の9割に引き上げる」と提言しています。
日本医師会の提言はきわめて大事なものであります。水戸市としても政府に対し公費負担割合の引き上げをもとめる考えはあるのかお答えください。
第6に高齢者が必要で十分な医療がうけられるように政府に申し入れることをもとめます。
厚生労働省は9月4日に後期高齢者医療の診療報酬についての考え方をまとめた骨子案を社会保障審議会に提示しました。
厚生労働省は「後期高齢者の心身の特性にふさわしい医療が提供できるよう新たな診療報酬を構築する」としています。
狙いは75歳以上は別な診療報酬を設定し、高齢者医療には低い診療報酬しか支払わず、安上がりの診療、粗悪な診療しかできないように、医療費を減らすというものであります。国に対し、高齢者に差別的な診療を行わないよう、また診療報酬は減らさないように要望することをもとめますがいかがでしょうか。
第7に後期高齢者医療制度の市民に対する広報をもとめます。来年4月から実施されることを多くの高齢者は知りません。広報水戸なども活用し、この制度の周知徹底をもとめるものであります。
第8に後期高齢者医療制度で市町村の役割は保険料の徴収にとどまらず、保険証の申請、保険証の引き渡し、医療給付に関する申請や証明書の発行など住民との窓口は市町村が行うことになります。その場合、市町村役場の職員がこの制度に精通し、質問に的確に答え、親切丁寧な対応ができるように、広域連合と市町村の担当者との研究会や研修の場などの開催をもとめるものでありますが、いかがでしょうか。
また保険料の徴収する担当課についてお伺いいたします。
後期高齢者医療保険の保険料を徴収するのは、市町村とされております。市町村が徴収する対象者は年金が月1万5,000円以下の低所得者であります。水戸市の場合は、国保税は徴収専門の部署、収納対策課が対応しております。今回の保険料の徴収にあたっては、高齢者の生活実態を把握し、福祉の観点から対応できる部署、すなわち高齢福祉課にすべきでありますがいかがでしょうか。
第9に広域連合に「後期高齢者医療広域連合運営協議会」の設置をもとめる考えはあるのかお伺いいたします。市町村の国保では「国保運営協議会」を設置し各分野の意見を聞く場をもうけております。すでにこの6月には岩手県では医療関係団体代表者など15名で構成する「岩手県後期高齢者医療広域連合協議会」が設置されました。茨城県でも高齢者クラブ連合会、県医師会、歯科医師会、保険医協会、茨城県社会保障推進協議会など関係者の意見を幅広くきき、制度の改善をつねにおこなうことであります。見解をお伺いいたします。
市長
日本共産党水戸市議団を代表されましての中庭議員のご質問にお答えいたします。
初めに、後期高齢者医療保険制度についてでありますが、当該制度は国民健康保険と同様に相互扶助の精神に基づく社会保険制度であります。このため、賦課される保険料の総額が保健給付等の支出を賄うのに十分な水準であること、各被保険者ができる限り公平に負担することが必要であることを考慮して、保険料が決定されるものであります。
次に、制度開始とともに加入する本市の被保険者数は約26,000人、普通徴収者は、国から示されている割合が約20%とされているため、本市に当てはめると約5,200人になると見込まれます。また、新たに保険料が賦課される被用者保険の被扶養者数は、本市の割合が約15%であるため、約3,900人と見込まれます。
保険料は個人ごとに均等割と所得割が賦課されますが、低所得者に対しては、世帯の所得水準に応じて、均等割の7割、5割、2割の軽減措置が設けられており、また今まで保険料負担のなかった被用者保険の被扶養者については、加入時からの2年間に限り、保険料を軽減する激変緩和措置があります。さらに、「高齢者の医療の確保に関する法律」第111条において、特別の事情のある者に対して、広域連合が保険料の減免、徴収猶予を条例で定めることができる旨の規定があります。
次に、短期保険証、資格証明書の交付については、国民健康保険と同様の取り扱いであることが法律で規定されており、滞納者との折衝機会を持つ有効な方法であります。広域連合においても、1年の滞納で資格証明書を交付するのではなく、市町村と連携しながら対応していくと聞いております。
また、高齢者医療費に対する公費負担については、今後国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
高齢者に対する診療については、現在国の社会保障審議会において、在宅医療の推進等の心身の特性を踏まえた診療報酬となるよう検討が進められております。
次に、広報活動については、現在広域連合においてホームページ、ちらしの配布、出前講座等を実施しているところであります。本市といたしましても、受給者等の理解が十分深まるよう、今後「広報水戸」等を通じ、制度の周知徹底を図ってまいります。
さらに、本市の担当窓口における職員が制度に精通し、親切丁寧な対応ができるように努めてまいります。また、保険料の徴収部署については、効率のよい徴収体制づくりを目指してまいります。
住民の意見の反映には広域連合議会が設けられており、また、市町村との間には事業運営検討会や各種部会が開催されて意見調整が図られております。
いずれにいたしましても、後期高齢者医療制度のうち保険料賦課、減免、徴収猶予などは、県内全市町村で構成されている広域連合において決定されるものであります。今後は、広域連合とのさらなる連携を図り、本市の後期高齢者医療事務が円滑に執行できるように努めてまいります。
市営住宅明け渡しと滞納家賃の支払いをもとめる裁判について質問いたします。
加藤市長は市営住宅明け渡しと滞納家賃の一括支払いをもとめる裁判を3件おこし、すでに判決がだされました。
第1の質問は昨年7月21日に水戸市がきめた高額家賃滞納者に対する法的措置の事務取扱基準にもとづき裁判をおこしましたが、この基準は返済可能な分割納入をみとめず、一括返済をもとめ、生活困窮者に対する配慮もなく、現状を無視したもので、見直しをもとめるものでありますがその考えはあるのかお伺いいたします。
第2は家賃滞納者に対し、多額になる前に生活実態の把握や親切な納付相談などをおこうことをもとめます。例えば、多重債務者の場合は消費生活センターなどの相談窓口の紹介や、生活が困難の場合は生活保護の申請や家賃減免などを適用するなど、滞納家賃の支払が可能になるように、そして引き続き入居できるようにあたたかい対応をもとめます。いま水戸市住宅課に相談にいくと滞納家賃の誓約書をかかされることが主で、親切な相談がないとの批判がだされております。
第3に連帯保証人まで滞納家賃の一括返済をもとめて裁判にかけたのは県内の県営住宅、市町村住宅でもなく、全国でもほとんど例がありません。茨城県住宅課は、保証人を裁判に訴えない理由として、県営住宅に入居する時は保証人が必要で、入居できるために善意で保証人となっていること、滞納が多額にのぼった場合、行政側の責任問題などがあるためとしています。今回、市営住宅の家賃滞納で裁判に訴えられた保証人はこの10年間、市役所から通知がきたのは数回であり、いきなり裁判にかけられたと訴えておりました。
第4に市営住宅は低所得者のための住宅であり、失業、倒産、借金、病気などで家賃が納められないことがあります。これに対し家賃の減免、生活相談などきめ細かい対応をおこなうべきであります。
例えば、滞納したら滞納家賃は生活実態にあった分割をみとめること、その後の家賃減免を認めるなど行えば、滞納家賃をへらすことができます。ところが水戸市は家賃が滞納になったら家賃減免は行いません。滞納があっても病気、失業倒産になった場合は家賃の減免をみとめるよう改善をもとめます。
また水戸市は生活保護以下の収入しかない場合のみ家賃の減免を行います。水戸市は家賃減免規則どおり、県営住宅と同じように、住民税が非課税であれば、家賃減免が適用されるよう改善をもとめます。
第5に収入申告書を提出しないと収入にかかわらず最も高い家賃に自動的になってしまいます。その結果、高い家賃が払えずさらに滞納が増える悪循環になり、滞納家賃を膨らます結果になってしまいます。
例えば、今回裁判にかけられた60歳代の滞納者は収入申告書を提出していなため、もっとも高い家賃になりました。1998年2月から2006年10月までの9年と10カ月間の家賃は合計で418万円にのぼりました。しかし収入申告をしていれば家賃合計は158万円ですみました。収入申告をしていないためもっとも高い家賃になり260万円も多く家賃を支払うことになったのであります。
水戸市は入居者が収入申告書を提出し、本来の家賃で支払うよう粘り強く働きかけるようもとめますがいかがでしょう。また今年7月の収入申告書を何世帯が提出していないのかお伺いいたします。
第6に今回の裁判にかけられた一人暮らしの60歳代の男性に係わる点についてお聞きします。
最初の質問は今年1月に市営住宅に退去し、今回の裁判にかけられた男性は生活保護をうけておりました。今年6月4日、水戸地裁にこの男性が提出した答弁書では「現在生活保護を受ける身であり、寛大な処置をお願いします」と訴えておりました。水戸市は生活保護で市民を保護しながら、一方で一括返済をもとめる裁判をおこなうことは、矛盾しており、憲法25条の生存権を侵害することになりますが、市長の見解をもとめます。
第2に加藤市長は父親である保証人の収入や財産の状況もきちんと調査せず裁判をかけました。
父親は裁判の10日前、今年5月30日に提出した答弁書で、「私も84歳で月17,000円の年金生活でほそぼそと暮らしています。脳梗塞で入院して、いまも通院しています。妻も以前に心筋梗塞で入院し、現在は病院に通院しおり、年金も病院代で消えてしまい、生活もろくにできない状態です」と窮状を訴えております。父親は今回の裁判の心労で病気が悪化し、入院しています。このような高齢者に対し滞納家賃を一括支払えという裁判にかけた加藤市長の見解をお伺いいたします。
第3に加藤市長はこの8月23日に、保証人であるこの父親に「滞納家賃等の納付について」という文書を発送しました。この中で「あなたを被告とする滞納家賃等請求事件について、平成19年7月9日付けで判決の言い渡しがありましたので、これに基づき滞納家賃等の納付をお願いします」と通知しました。加藤市長はこの父親がすんでいる土地の競売、年金の差し押さえなどの強制執行をおこなうのか考えなのか、お伺いいたします。
もう一人の保証人は叔父にあたりますが、この方は76歳で年金も月3万円しかなく、とても払えないといっております。高齢者の生活を破壊してまでも強制執行してとりたてるのかお伺いいたします。
第4に滞納家賃を納入した場合の水戸市の対応についてお聞きします。
60歳の男性は、この10年間に家賃を合計で92万2,300円を借金までしておさめました。住んでいた市営住宅のもともとの家賃は月9,200円です。汚水処理費、駐車場代も含め、この10年間の家賃合計は158万円です。従って滞納家賃の合計は65万円ですみました。このような人を悪質滞納者と決めつけて裁判をおこした理由についておききします。都市建設委員会でも10年間に92万円を支払っていたことは全く報告がありませんでしたなぜ報告しなかったのかお答えください。
さらに滞納家賃を納入した場合、その年度の家賃として納入されるのではなく、2002年に1回3万円を7回にわたって合計21万円をこの男性はおさめました。ところが2002年分として領収書が発行されたのではなく、6年前の1996年の滞納家賃分の支払として領収書が発行され、2002年の家賃としては一円も支払ったことにはなりませんでした。おさめても6年前、10年前の滞納家賃の支払として領収書が発行され、その年に借金までして苦労しておさめた家賃の納付となりません。納入した年の領収書としてなぜ発行されないのか、その基準についてお聞きします。
市長
次に、住宅行政についてお答えいたします。
市営住宅につきましては、公営住宅法に基づき、本市の条例、規則で、入居の手続きや家賃の額及び納付等に係る規定を定め、その適正な運営を図っているところでありますが、高額滞納者が多数おり、本市の住宅家賃等の滞納者が年々増加の一途をたどっている実態は、毎月きちんと納付されておられる入居者との公平性の確保や、長期間待機している方の要望に答えられないことから、誠に遺憾に思っております。
そこで、昨年、高額滞納者に対する法的措置の事務取扱規準を定め、高額滞納者及びその連帯保証人に対し聴き取り調査を行った後、滞納家賃等が高額の3件について、本年4月27日に水戸地方裁判所に明け渡しと滞納家賃等の支払いを求める訴状を提出し、3件とも本市の請求どおりの内容で7月に判決が確定したものです。
今後とも、滞納の解消に向け、高額滞納者との面談など一層の努力をして参りますが、納付意思の希薄な者については訴訟を提起し、厳正に対応してまいりたいと考えております。
都市計画部長
中庭議員の代表質問のうち、住宅行政についてお答えいたします。
まず、市営住宅及び特定市営住宅家賃等の高額滞納者に対する裁判についてですが、昨年7月に定めた事務取り扱い規準に従い、本年度は住宅家賃等の高額滞納者について、その連帯保証人と共に出頭を求め、聴き取りにより滞納者の支払い能力を確認しながら合意した分納等による納付計画に基づき、滞納解消に向け事務を進めているところですのでご理解を願います。
次に、連帯保証人を訴えることについてでありますが、入居許可時の誓約書提出に際して、連帯保証人の責務について注意を喚起し、入居者がその債務を履行しないときは一切を履行する旨の誓約を行っておりますので、連帯保証人に対する訴えに法的な問題はないものと考えております。
次に、家賃の減免については、滞納者との面接を綿密に行い、昨年度からは、滞納がある場合でも納付意思を確認しながら、納付誓約書の提出を条件に減免制度の適用を行っております。
次に、連帯保証人の生活実態や所有財産の調査については、市としては本人からの聴き取りや登記簿の調査が限度であり、地方税法等の規定により訴訟提起前に調査することができませんのでご理解を願います。
次に、滞納家賃等の納付については、滞納者の納付意思を尊重しながら行っておりますのでご理解を願います。
次に福祉行政について質問いたします。
生活保護行政についてであります。
この4月、水戸市泉町に社会福祉法第2条第3項第8号に規定されたホームレスなどの生活困窮者などを対象とした無料又は低額な料金で宿泊所を施設ができました。
この泉町の無料低額宿泊施設は、飲食店が入っていた3階だての雑居ビルを改造したもので、1部屋2畳から3畳の部屋が50室もつくられ、現在、生活保護をうけている人が入居しています。先程の市営住宅を退去させられた60歳代の男性もこの施設で生活保護が行われました。
全国では無料低額宿泊施設を利用して施設側の生活保護ピンハネ事件が頻発し、厚生労働省は再発防止のため2003年7月31日に「無料低額宿泊所の設備、運営等に関する指針」を都道府県に通達しました。
しかし今年1月5日に尼崎市内で野宿していた60歳のホームレスを無料低額宿泊施設に施設側が入所させ、月12万円の保護費を全額施設がとり、本人には小遣いとして3万円支給されただけで、施設から提供される食事は夕食がラーメンとレトルカレーばかり、昼食は100円がわたされるだけとの事件が報道されました。
水戸市の無料低額宿泊施設において厚生労働省の指針にそった運営がおこなわれているのか、問題がないのか水戸市は現地調査を行うべきです。いかがでしょうか。
無料低額宿泊施設は社会福祉法第69条に基づいて茨城県福祉指導課に届け出でが義務づけられております。県内には無料低額宿泊施設が5カ所あります以前から小美玉市、取手市に設置されておりました。この4月に水戸市、6月にひたちなか市、8月に牛久市と立て続けに設置されました。水戸市としても無料低額宿泊施設に対し厚生労働省の基準どおり運営されているのか調査をもとめるべきでありますがいかがでしょうか。私ども共産党市議団は大内久美子県会議員とともに9月3日に茨城県福祉指導課に調査を申し入れました。
また東京都や他県では公立の無料低額の宿泊施設、すなわち自立支援センターが設置されております。水戸市も県と一体となって公立の施設の設置を行うべきでありますが、見解をお伺いいたします。
次にこれらの宿泊施設は一時的な入所施設であり、現在入居している人に対しては速やかに民間アパートに移れるように、転居費用を水戸市が負担すること、水戸市が民間アパートを紹介すること、アパートの保証人については民間保証会社の保証料や、火災保険を水戸市が負担するなど、きめ細かい援助をおこなう考えがあるのかお伺いいたします。
市長
次に、福祉行政につきまして、お答えします。
無料低額宿泊所は、住宅に困っている生計困難者、路上生活者、緊急保護を求める者等の、生活困窮者に対して、その居住で衣食その他日常の生活必需品も若しくはこれに要する金銭を与え、又は生活に関する相談に応じる第2種社会福祉事業を行う施設で、設置及び運営基準、施設長等の要件、費用等につきましては、社会福祉法に定められており、県に届け出ることになっております。
管理・運営、入所者への処遇等につきましては、今後とも、社会福祉法の指針に沿って適正に実施されるよう、県と連携し対応してまいりたいと考えております。
また、この施設は一時保護施設でありますので、アパート等に転居する場合の費用につきましては、国の定める範囲において支援してまいります。
公立の施設の設置につきましては、現在計画等はございませんので、ご理解をいただきたいと思います。
次に水戸市に対する1億円損害賠償裁判について質問いたします。
東京都江戸川区にある株式会社ミックは、今年5月15日、加藤市長ら5人に対し、1億円の損害賠償をもとめる訴えを水戸地方裁判所におこしました。
すでに7月4日、9月5日の2回すでに裁判が行われました。
ミックの訴状によれば、水戸駅南口の都市計画道路3・3・175号線の建設をめぐって、建設予定地内にあった「ホテル310」を本来の所有者であるミックに無断で東茨城カントリークラブ株式会社に、さらにさくら投資顧問株式会社に所有権移転登記がおこなわれたとしています。また、水戸市が本来の所有者であるミックに対し、所有権移転の事実の確認をおこたった(怠った)うえ、補償金4億5,520万円をさくら投資顧問株式会社に支払い、ミック支払わなかった。水戸市が偽造文書である担保抹消願いを信用し、所有権移転登記前に補償金を支払ったことで、さくら投資顧問株式会社の詐欺が完成したとしています。今回の裁判はミックに支払うべき補償金であった4億5,520万円の内金1億円について損害賠償をもとめたものであります。
この裁判以外にもミックは東茨城カントリークラブ株式会社とさくら投資顧問株式会社に対し、ホテル310の土地と建物の所有権移転登記は無効であるとの訴訟を水戸地裁におこしました。2005年3月2日、水戸地裁は所有権移転登記は無効であるとの判決を下しました。すなわち東茨城カントリークラブ株式会社とさくら投資顧問株式会社の櫻井昭雄社長に「ホテル310」の所有権を本来の所有者であるミックにもどすようにとの判決であります。
ホテル310の移転補償問題については、2001年6月市議会で100条委員会が設置され16回にわたる審議がおこなわれました。
この委員会の中ではさくら投資顧問株式会社の相談者として水戸市議会議員が水戸市と8回にわたって補償交渉に参加し、補償価格をつり上げた疑惑が指摘されました。
今回のミックの訴状でも補償金に一億5,000万円を上乗せし、東茨城カントリークラブ株式会社の役員に7,000万円、市会議員に5,000万円櫻井昭雄氏に3,000万円を山分けする密約があったと指摘しております。
いま水戸市は補償金4億5,520万円を支払ながら、1億円の損害賠償で新たに訴えられ、用地買収して7年後の現在も工事に着工できないことは、きわめて異常な状況であります。前例のない担保抹消願いで4億円を越す補償金がなぜ支払われたのか、また当時の市街地整備課長が担保抹消願いだれから受け取ったのかなどいまだにあいまいであり、水戸市が当時の真相を再度解明しその上で責任をもって解決にあたることが強くもとめられておりますが、市長の見解をもとめます。
水戸市がこの6月に水戸地裁に提出した答弁書では、担保抹消願いなどが「偽造文書であるかどうかについて確実なものではない」と、偽造文書であることを否定しております。しかし、水戸市が担保抹消願いはすでに偽造文書として水戸地検に告発しており、100条委員会では関東リース株式会社取締役営業本部長の落合清氏は「印鑑を押した覚えはなく、担保抹消願いは関東リースが発行したのもではない」と明白に証言し、偽造文書であることがすでにあきらかになっています。市の答弁書は重大な点で事実誤認があります。水戸市が偽造文書ではないとする根拠について答弁をもとめます。
さらに水戸市の答弁書で「ホテル310」は所有者であるさくら投資顧問株式会社から取得したものであるとしています。ところが先程ののべたように、水戸地裁はホテル310の所有権はミックにあり、さくら投資顧問株式会社の所有権移転登記は無効であると判決し決着がついております。
また答弁書では移転登記に必要な書類は櫻井昭雄氏らがだましとったものではないと、櫻井氏を擁護しています。水戸市が擁護する根拠はについて加藤市長の答弁をもとめるものであります。
以上で第一回の質問をおわります。答弁によっては、再質問を行います。
市長
次に、都市計画行政についてお答えします。
ご指摘の都市計画道路3・3・175号線につきましては、水戸駅南口開発における幹線道路として位置付け、平成11年度より整備を進めております。昨年度末までに買収予定地の約90%が買収済みとなっており、すでに一部工事も着手しております。
損害賠償請求訴訟に対しましては、市は適正に事務を執行し、用地を取得したものであり、原告の請求に対し、正当性を主張しているところであります。
ご質問の件につきましては、現在、係争中であり、裁判の推移に影響を及ぼすおそれがあることから、答弁を控えさせていただきたいと思いますので、ご理解を賜りたいと存じます。
再質問
それぞれ答弁をいただきました。
第一点は、後期高齢者医療制度についてであります。
保険証が取り上げられて資格証明書が発行されるのは、年金が月15,000円以下の高齢者に限られます。これらの高齢者が滞納したら、悪質滞納者として資格証明書が発行するのはあまりにもむごいことであります。低所得の高齢者には資格証明書を発行しないよう広域連合に求めるのかお答えください。
第2点は、まったく無収入の高齢者でも保険料は年11,150円を納めなければなりません。扶養家族の高齢者は保険料はこれまで無料でしたが、今度は最大で年5万1360円をおさめることになります。
岡山県の広域連合では「独自の減免制度を検討する」と表明しております。水戸市としても茨城県広域連合に低所得者に対する減免制度を実施するよう求めますが、答弁をもとめます。
第三点は、住宅行政についてであります。
収入申告書を提出しないと自動的に最高家賃になります。今回裁判にかけられた60歳代の男性は260万円も家賃が増え、悪質滞納者と決め付けられました。水戸市は全員が収入申告書を出すためどのような取り組みを行っているのか答弁を求めます。
生活保護の男性を裁判にかけましたが、水戸市は判決のあと、この事実を知ったとすれば、裁判の中でよく調査をしなかったことになります。なぜ調査しなかったのかお答えください。
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