日本共産党
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2007年12月議会一般質問

 日本共産党の中庭次男でございます。通告に従い、順次一般質問をおこないます。

 最初に医療行政の中で、後期高齢者医療制度について質問いたします。
 第一の質問は、保険料の引き下げをもとめます。
 茨城県の後期高齢者医療の保険料は11月29日の茨城県後期高齢者医療広域連合議会で一人平均、年69,355円とされました。当初、厚生労働省が厚生年金の平均的な年金者で試算した保険料と比べると、茨城県の保険料は4862円も高いのであります。さらに茨城県の保険料は一人あたりの均等割が54%で低所得者ほど負担割合の重いものとなっています。
 水戸市としても茨城県広域連合に対し保険料の引き下げを要望することをもとめます。11月20日の東京都広域連合議会では都内の区市町村が100億円をだして、都民一人平均の保険料を年12,900円引き下げを決定しました。
 第2に2年後ごとの保険料の改定について質問いたします。
 高齢者の医療費や人口が増えれば、保険料も自動的にあがる仕組みになっています。厚生労働省は7年後に保険料は一人あたり、39%の値上げと試算しておりますが、値上げを抑えるためには医療費の国、県、市の公費負担50%を大幅にひきあげることが必要であります。日本医師会も90%まで引き上げることを主張しています。水戸市として公費負担の割合の増額をもとめるべきでありますが、お伺いいたします。
 第3に資格証明書について質問いたします。
 保険料を滞納すると保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されます。医療費は病院の窓口で全額自己負担となります。病院にかからず死ねと言わんばかりであります。高齢者の医療の確保に関する法律第54条第4項では、保険料滞納者に対し「保険証の返還をもとめることができる」とされておりますが「必ずしなければならない」とはなっておりません。8月27日の茨城県広域連合議会で、私の質問に対し黒川事務局長は「資格証明書の発行にあたっては市町村の意見を聞く」と答弁しております。そこで水戸市は広域連合に資格証明書を発行しないよう申し入れる考えはないかお伺いいたします。
 第4に高齢者の健康診査について質問いたします。
 茨城県広域連合は独自で75歳以上の健康診査を引き続き実施しますが、これまでの健診項目全部は負担しません。心電図、眼底検査、赤血球検査の健診項目は市町村負担となります。水戸市独自でこれらの健診を実施する考えはあるのお伺いいたします。
 第5に高齢者の診療報酬について質問します。
 来年4月から75歳以上の高齢者の診療報酬に「包括払い」すなわわち定額制として保険が使える医療に上限をつけることが検討されています。75歳以上の高齢者に手厚い治療を行うと病院が赤字となり、医療内容を制限せざるをえなくなります。水戸市は国に対し高齢者への差別的診療報酬はおこなわないようもとめるべきでありますが、お答えください。
 第6に水戸市議会は9月定例議会において全会一致で、抜本的見直しの意見書を採択しています。全国でも295の地方議会で、抜本的見直しや、凍結、中止をもとめる意見書が採択されております。水戸市は国に対し、中止撤回を申し入れる考えはあるのかお伺いいたします。
 第7に後期高齢者医療制度の実施とあわせて、水戸市は国保税率を見直すとしています。国保税の値上げを行うことは、市民の負担を一層増大させることであり、反対であります。見解をお伺いいたします。

中庭議員の一般質問のうち、後期高齢者医療制度についてお答えいたします。
 保険料は、去る11月29日に開催された広域連合議会において、所得割率は7.6%、均等割額は37,462円に決定されたところであります。
 茨城県を全国平均から見ますと、所得割率、均等割額ともに下回っており、妥当な水準であると考えております。
 次に、2年ごとの保険料の改定に関連して、高齢者医療費に対する公費負担の増額については、北関東三県の広域連合で国に対し要望しておりますが、今後とも国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 次に、資格証明書の交付については、滞納者との折衝機会を持つ有効な方法であります。広域連合においても、市町村と連携しながら対応していくと聞いております。
 また、75歳以上の高齢者の健康審査は、高齢者の医療の確保に関する法律により、広域連合の努力義務と位置づけられておりますので、広域連合の負担において実施されるものと考えております。
 高齢者の診療報酬については、現在国の社会保障審議会において審議中でありますが、高齢者の心身の特性を踏まえた診療報酬体系を目指すと聞いております。
 後期高齢者医療制度については、平成18年6月に高齢者医療制度関連法が制定され、平成20年4月に制度が施行されますので、ご理解願います。
 次に、国保税に関するご質問についてでありますが、このたびの後期高齢者医療制度の創設に伴い、国保税に「後期高齢者支援金分」という項目が追加されましたので、これまでの「医療分」とともに、それぞれの税率を新たに設定することが必要になっております。したがいまして、制度改正の内容を十分踏まえるとともに、市民負担の公平性の確保に留意しながら、今後の医療費や被保険者数の動向を見極め、より適正な国保税率の設定に勤めてまいりたいと考えております。

 次に生活保護行政について質問いたします。
 第1の質問は、生活保護費の引き下げに水戸市は国に反対を表明することであります。
 昨日、12月10日の参議院決算委員会で日本共産党の仁比聡平議員は「生活保護費の引き下げは行うべきではない。来年度に行うのか」と質問したのに対し、福田首相は「激変緩和を考えている」と答弁し、引き下げを行う方向を明らかにしました。生活保護基準の引き下げは介護保険料や地方税の非課税基準の引き下げに連動し、所得の低い一般世帯を直撃します。引き下げ反対を国に申し入れる考えはないのか、お伺いします。
 第2は冬期加算の増額をもとめます。
 生活保護の冬期加算は11月から3月までの間、水戸市では暖房代として月2,810円が1人あたり支給されます。ストーブの灯油代は今月8日は1・99円で3年前の2倍の値上げになっています。現在の冬期加算額では灯油が28gしか買えず、10日間ももちません。灯油代節約のため午後7時に布団に入る人もおります。茨城県は冬期加算に上乗せになる寒冷地加算がありません。寒冷地加算がない北限であり、沖縄、九州、四国と同額であります。同じ北関東の栃木、群馬は寒冷地加算があるため茨城の2倍、月5,610円であり、福島県は4倍近い10,540円であります。水戸市は国に対し栃木なみの寒冷地加算を行うように要求すること、それが実現するまでの間、水戸市独自でも上乗せの実施をもとめます。
 第3に路上生活者対策についてお聞きします。
 今年10月26日、日本共産党水戸市議団は大内久美子県会議員とともに東京都台東区の路上生活者対策について区役所の担当課からヒヤリングを行い、路上生活者のための緊急一時保護センターや、民間NPOが運営している女性のための低額宿泊施設、さらに簡易宿泊所を現地調査しました。
 この中で、路上生活者が民間アパートを借りる場合の民間保証会社の年間2万円の保証料や火災保険料を区が全額補助しており、また民間アパートを借り上げて提供していることがわかりました。水戸市でも台東区なみの補助を行うようもとめますが、いかがでしょうか。
 第4に車の保有についてお伺いします。
 現在、車の保有は山間僻地、障害者が病院の通院のため使用など限定されておりま。通勤、病院の通院などについて車の保有を認めるべきでありますがいかがでしょうか。
 第5に貧困と格差がひろがり、生活保護を受けたいと希望する市民が増え、昨年度の生活保護相談件数は1,279件となりました。しかし、保護が開始されたのは378件にとどまり、相談件数の29%にとどまっています。全県平均は38%であります。北九州市では生活保護がうけられず、餓死した例も大きな社会問題となっています。生活保護申請者には申請書をまずわたすことをもとめますが、いかがでしょうか。

生活保護の引き下げ及び冬季加算につきましては、国の方針に基づき対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、路上生活者に対しましては、国が策定いたしましたホームレスの自立の支援等に関する基本方針に基づき、低額宿泊所や養護老人ホーム等に関する基本方針に基づき、低額宿泊所や養護老人ホーム等に入所させ、生活保護法を適用し、自立支援を行っているところであります。なお、アパートを借りる際の費用につきましては、国の定めた範囲におきまして支援しております。また、公立の施設につきましては、現在、計画はございません。
 車の使用、保有につきましては、原則としては認めておりませんが、通勤手段として認める場合もあり、今後とも、適正に対応してまいります。
 次に、生活保護相談の窓口対応についてお答えいたします。生活保護は、生活に困窮した者が、その利用しうる資産、稼動能力その他あらゆるものの活用を図っても、尚最低限の生活が、維持できない場合に適用されるものであります。このため、専門の面接相談員を配置し、国及び県の指導に基づき、きめ細やかな面接相談を行い、要保護状態と判断した場合には、積極的に申請指導を行い、申請書を交付しているところであります。今後とも適正に対応して参りたいと考えております。

 次にガソリン代の値上げにともなう障害者施設への補助の実施についてお伺いいたします。
 障害者の通所施設ではガソリン代の高騰で施設の運営に大きな負担となっています。市内のある施設では送迎車両5台を運行し、今年4月はガソリン代は月12万円であったのが、10月は14万8,000円と28,000円と増え、11月、12月ではさらに高騰で、このままでは障害者の利用料の値上げにもつながります。市内障害者施設の実態調査と水戸市独自の上乗せを行うのか、お伺いいたします。

次に、障害者施設に対するガソリン代の値上げに伴う補助の実施についてのご質問にお答えいたします。
 障害者自立支援法の円滑な推進を図るため、国、県は障害者自立支援臨時特例交付金を活用した特別対策事業を制度化しております。本年度、水戸市においては、新たに、この事業の一つである通所サービス利用促進事業を実施する予定であります。
 通所サービス利用促進事業は、送迎サービスを実施している事業者を対象として、送迎用車両の維持管理費や送迎に要する人件費への補助を行い、送迎サービスの実施促進を図るものであります。当該補助は、送迎用車両の燃料費を直接の対象とするものではありませんが、送迎サービスに伴う事業者負担の軽減が図れるものと考えておりますので、ご理解を願います。

 次に介護保険について質問いたします。
 介護保険で要介護と認定された高齢者は市内に8,000人を超えていますこれらの高齢者に障害者控除を適用をすることをもとめますが、ピーアールの状況と現在何名が障害者控除の認定がされているのかお伺いしたします。

次に介護保険で要介護と認定された方の障害者控除の適用についてお答えいたします。
 介護保険で要介護と認定された高齢者に対し、所得税・住民税の申告に際して障害者控除が適用されるためには、介護保険の要介護認定の状況によって障害者に準ずる方として認定を行う必要があります。
 水戸市の要介護者に対する障害者控除対象者認定については、「広報水戸」や「ホームページ」、「お年寄り便利帳」への記事掲載並びに、要介護者と密接な関わりを持つ居宅介護支援事業所のケアマネージャーや地域窓口センターへの案内など、あらゆる機会を捉えて周知を図ってまいりました。今後も引き続き制度の周知に努めてまいります。なお、19年4月以降12月5日現在までの認定数は223件となっております。

 最後に住宅行政について質問いたします。
 第1は市営住宅家賃において、収入申告を怠った場合、家賃が自動的に近傍同種の家賃となり、最も高い家賃となりなってしまいます。昨年度は未申告のため、235世帯が最も高い家賃になってしまいました。
 今年5月に水戸市は河和田住宅を退去した60歳代の滞納者とその保証人である84歳の父親と76歳の叔父を市営住宅の326万円の滞納家賃の一括返済をもとめて裁判にかけました。収入申告をしていなかったため、65万円の滞納家賃が261万円もさらに増えたのであります。
 先月の11月21日、私は日本共産党の大門みきし参議院議員の同席のもとで、「収入申告しない場合、もっとも高くなる家賃にすべきではない」と国土交通省住宅局住宅総合整備課に申し入れました。今年度は収入未申告者は何世帯いるのか、どのような働きかけをおこなったのか答弁をもとめます。
 第2に滞納家賃の支払において、水戸市がきめた昨年7月の基準では退去者は3年以内、入居者は5年以内の分割納付とするとしています。支払可能な分割納付をみとめる基準に改めるべきでありますが、答弁をもとめます。
 以上で第一回の質問をおわります。答弁によっては再質問を行います。

中庭議員の一般質問のうち住宅行政についてお答えします。

 市営住宅の入居者は、翌年度の家賃算定の基礎とするため、収入申告を毎年行なうものとされており、未申告者については、公営住宅法の定めで近傍同種の家賃と決定することになっております。このため、本年度は未申告者に対し、文書による催促に加え、電話や個別訪問、さらには来庁の際に申告するよう再三要請しましたが、今なお、300世帯ほどが未申告となっております。要請に応じない者については、引き続き個別訪問等により催促してまいりますので、本市では法律の規定を機械的に適用しているわけではないことをご了解願います。

 次に、家賃等の滞納者の中には200万円以上の高額滞納者が多数いることから、平成18年7月に市営住宅及び特定市営住宅家賃等の高額滞納者に対する法的措置の取り扱い基準を定め、本来は、一括納付すべきものですが、滞納者の支払い能力等に鑑み、分割納付期間を設定したものです。これら高額滞納者の解消を目指して現在、全力を挙げて滞納整理を進めており、少しずつ成果があがり始めております。
 この基準については、施行後3年を経過した時点において検討を加えることとしておりますので、ご理解願います。



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