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市営住宅入居の保証人条件の改善を、09年6月市議会の一般質問
日本共産党の中庭次男でございます。通告に従い,順次,一般質問を行います。
まず最初に,市営住宅の保証人の条件緩和について
お伺いいたします。
水戸市はその条件が県や他の市町村と比べて厳しく,そのため1年以上待ってやっと市営住宅に入居できるようになっても,条例に定められた保証人が見つけられず,入居できない方もおります。
そこで,質問の第1は,市営住宅の保証人の条件から,納税条件を外すこと。
第2に,親族は県外でも認めること。
第3に,収入が少なくても認めること。
第4に,生活保護世帯の場合,保証人は免除すること。
第5に,民間の保証会社の活用も求めることであります。
県営住宅の場合,保証人の条件は,県内に居住しているか,親族であれば,県外でも認めるとし,税金の納付条件はありません。今,景気悪化で税金を滞納せざるを得ない世帯がふえており,保証人を見つけても税金が未納の場合,保証人になってもらえません。ある方は市営住宅を申し込み,1年間待って最近やっと入居できるようになりましたが,条例に合った保証人を見つけられず,いまだに入居できません。また別の方は,大家さんの都合で借家が売却されることになり,退去しなければなりません。3カ月間待って市営住宅に入居できるようになりましたが,知人は税金未納のため保証人になれません。息子さんは県外のため保証人になれず,いまだに市営住宅に入居できません。
市営住宅は低所得者のため,低家賃の住宅を提供することが目的であり,保証人の条件を厳しくすることは,低所得者の入居をますます困難にします。国が定めた保証人の基準は納税条件はなく,県内でも日立市,つくば市,ひたちなか市などでも納税条件はありません。6月4日に,水戸生活と健康を守る会は,加藤市長に保証人の条件緩和を求めて要望書を提出いたしました。条例改正も含めた水戸市の考え方をお伺いいたします。
次に,生活保護行政について質問いたします。
水戸市泉町にある,ホームレスや生活困窮者のための無料低額宿泊所,あけぼの園は,劣悪な生活環境にもかかわらず,これまで水戸市は2年間にわたって54人を紹介してまいりました。部屋はわずか2畳で,薄い板で区切られ,窓もなく,入り口はドアもなく,カーテンで区切られており,プライバシーも守られておりません。家賃は生活保護上限いっぱいの月3万5,400円です。生活保護費は,この2年間は,水戸市が入居者本人に渡さず,一括して園長に支払ってまいりました。厚生労働省から不適切であると指摘されました。
昨日,江尻議員は代表質問でこれ以上紹介すべきではないと主張いたしましたが,加藤市長は,今後も一時保護施設として本人の意志を確認してあけぼの園を紹介すると答えました。市長はあけぼの園の劣悪な生活環境を実際に見て答弁しているのでしょうか。
あけぼの園は,一時保護施設と言いながら,入居者40人のうち22名は1年以上の長期入所であり,1年半以上も9人おります。一時保護施設とは言えない実態であります。入居者があけぼの園から民間アパートに転居した場合,敷金,礼金,保証料など13万8,000円が転居費用として生活保護から支給されますが,私が4月28日にあけぼの園を視察したとき,入居者は転居費用が生活保護から出ることは知らないと言っておりました。
水戸市は,これまで入居させるに当たって本人の意思を確認したと弁明しておりますが,あけぼの園の劣悪な生活環境を説明せず,入居させております。昨日の加藤市長の答弁は,貧困ビジネスに手を貸していると市民から批判されておりますが,いかがでしょうか。
2003年7月31日の厚生労働省社会・援護局保護課長通知のホームレスに対する生活保護の適用についてでは,生活保護開始時において,居住生活が可能と認められた場合は,民間アパートを紹介し,その場合に必要な敷金,仲介手数料など家賃の3カ月分を市が支給するとしております。
ところが水戸市は,ホームレスの方が相談に来ると,民間アパートなどを親切に紹介することなく,あけぼの園を紹介しており,これは厚生労働省の通知の趣旨に反した行為であり,水戸市はこれまでのやり方を改め,生活福祉課にホームレス専門の相談員を置くことを求めます。相談員の役割は,民間アパートの入居手続の相談支援などを行い,自立に向けた援助を行うことであります。
次に,介護保険制度について質問いたします。
質問の第1は,この4月から要介護認定を行う場合,新たな認定制度が導入されました。この結果,介護認定の更新によって,前回の介護認定より軽度として認定される場合が出ることが明らかになりました。
全日本民主医療機関連合会が今年2月に行った全国の認定審査会委員に対する緊急アンケートでは,今回の改定はどこから見ても介護度を低くするためのものとしか思えないなどの意見が続出いたしました。水戸市が今年4月以降実施した再認定で,これまでより軽度と判定された割合と件数についてお伺いいたします。
第2は,要介護認定を実態に合ったものとすることであります。
そこで,2次判定を重視し,高齢者の介護実態に合った判定が必要となります。きめ細かい事前調査や,認定審査会では委員に事前に渡す資料の充実が必要でありますが,見解をお伺いいたします。
第3に,4月以降の介護報酬の引き上げにより,利用料が値上げになりました。
市内の民間介護施設が行った介護報酬改定による緊急影響調査では,4月からショートステイの利用を月10回から5回に減らしたとの事例もありました。水戸市独自の利用料の減免制度の拡充を求めます。
第4に,地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用して,ホームヘルパーがより専門的な知識を持つ介護福祉士,社会福祉士などの資格を取得する際の支援を行うことを求めます。
次に,茨城交通の下江戸線の存続について質問いたします。
茨城交通は,9月末にも下江戸線を廃止しようとしております。今年2月23日に,地元の柳河自治住民の会から存続の要望書が出されました。さらに6月9日には,柳河小学校の校長,教頭,柳河自治住民の会の会長さんたちが水戸市教育委員会に存続を求める要望書を提出されました。この路線がなくなると,柳河小学校に通う児童の交通手段が奪われることになります。
今年5月7日に,上河内から通学する父母の会が実施した路線バス廃止についてのアンケート調査でも,路線バスが廃止されたら非常に困る,通学の手段がなくなる,子供が通学するのが嫌になってしまう,上河内の過疎化が一層進んでしまうとの訴えが寄せられました。
そこで,8月の茨城県バス対策地域協議会で,市は廃止に反対すること,さらに存続のため,水戸市独自の補助を実施すべきでありますが,見解をお伺いいたします。
柳河小学校には現在9名の児童がバス通学しております。廃止された場合は,山根小学校のようにスクールバスを運行する考えはないのか,お伺いいたします。特に,上河内神社前から柳河小学校まで4キロ近くあり,その3分の2は−−この写真のように,ガードレールもなく,非常に危険であります。
次に,デマンド型タクシーの運行について質問いたします。
国田地区から渡里地区などに行く場合,バス路線もなく,買い物,病院の通院などに不便を来しております。国田大橋を通って国道123号を経由し,国道118号線を通り,スーパーや病院に行く市民の足の確保が要望されております。
そこで,東海村や城里町,石岡市など県内15市町村で実施しているデマンド型タクシーを水戸市でも導入することを求めますが,いかがでしょうか。
最後に,見川中学校は建築後38年たち,市内では最も老朽化した校舎の一つとなっております。
校舎や体育館は雨漏りし,壁ははがれ,床のPタイルもはがれ,教室の扉は木製のため,こすれて傷だらけであります。−−このように傷だらけであります。かぎも壊れており,−−これが体育館のステージの階段ですけれども,階段のステージの階段も壊れて,上りおりが危険となっております。
ところが,水戸市の3か年実施計画ではいまだに改築年度が決まらず,父母や教師からも一刻も早い改築の要望が出されております。特に教室の扉の交換が強く求められております。
質問の第1は,昨年度行った改築のための調査の内容について。
第2は,今年度に行う改築に向けた取り組みについて。
第3は,来年度以降の取り組みについて。特に基本設計,実施設計,工事のそれぞれの年度について。
第4に,改築に当たって学校,PTA,住民組織などの関係者の意見を調整すべきと考えますが,その計画はあるのか,お伺いいたします。
答弁によっては再質問を行います。
都市計画部長(阿部寿志君)の答弁。
中庭議員の一般質問のうち,水戸市の保証人条件から市税の完納条件を外すことなどについての御質問にお答えいたします。
水戸市営住宅及び特定市営住宅条例では,連帯保証人の条件の一つとして市町村税を完納していることを規定しておりますが,連帯保証人は,入居者が家賃を滞納した場合に備えるため,入居決定者に求めているものであります。したがいまして,市町村税を滞納している方を連帯保証人として認めることは,その趣旨から適当ではないと考えております。
次に,親族の場合,他県在住の方でも保証人として認めてはどうかとの御質問にお答えいたします。
本市におきましては,連帯保証人が親族の場合,県内に居住していることを連帯保証人の条件の一つとしております。
この居住要件を県外まで拡大することは,迅速かつ十分な連帯保証人との接触交渉が困難となり,家賃徴収事務に支障を来すおそれがありますので,現時点では難しいと考えております。
次に,連帯保証人は,入居者と同程度以上の収入を有していることとの条件につきましては,入居者が低収入であれば,その収入と同程度でも差し支えないとしているものであります。また,この条件は,必ず満たさなければならないものではなく,固定資産税を納付していれば差し支えないこととしております。
生活保護世帯など保証人を見つけることが困難な場合は,保証人を免除してもいいのではないかとの御提案でございますが,生活保護に含まれる住宅扶助で家賃が支払われる場合でも,汚水処理場使用料等を滞納するケースが発生しております。また,入居後,生活保護が廃止された場合,連帯保証人不在という事態を生ずることとなります。したがいまして,この件につきましては,現在のところ,見直しは難しいと考えております。
最後に,保証会社の活用につきましては,今後,他自治体の導入事例等について把握に努めたいと考えております。
保健福祉部長(清水孝子君)の答弁
中庭議員の一般質問のうち,福祉行政についてお答えいたします。
初めに,生活保護行政についてでございますが,ホームレス専門の相談員の配置につきましては,年々増加する相談に対応するため,平成21年度は相談員を1名増の3名とし,さまざまな相談に応じております。引き続き,ホームレス等の方々に対しましても,自立に向けた相談を親切丁寧に行い,適切な支援に努めてまいります。
次に,介護保険についてお答えいたします。
初めに,新介護認定制度での要介護度の判定についてでございますが,4月以降の更新申請378件のうち,介護認定審査会において要介護度を前回と比較し,同様と判定されたものが202件で53.4%,軽度と判定されたものが104件で27.5%,重度と判定されたものが72件で19.1%でございます。
次に,介護認定審査会資料の充実についてでございますが,平成21年4月の要介護認定の見直しにより,認定調査の際のばらつき防止と,介護認定が適正かつ効果的に行われるよう,調査項目の一部が変更されました。このため,認定調査事務における調査員の技術向上に向け,茨城県や市独自の研修を行い,要介護認定申請者の日常の状態をより適切に把握できるよう努めているところでございます。
また,利用料の減免制度や介護度ごとの利用限度額の引き上げにつきましては,介護サービス利用料の負担を軽くする高額介護サービス費の制度や,市独自の負担軽減制度がありますので,さらなる軽減等の拡充につきましては,困難と考えております。
なお,国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金の活用につきましては,現在,県において検討を進めていることから,県の動向を見きわめてまいりたいと考えております。
市長公室長(田尻充君)の答弁
中庭議員の一般質問のうち,企画行政に関する御質問にお答えいたします。
路線バス,水戸駅−下江戸線につきましては,昨年9月,茨城交通株式会社から,不採算であることを理由に,茨城県バス対策地域協議会に対し,廃止申し出が提出され,これまで協議を継続しているところでございます。
少ないとはいえ,通勤,通学など,一定の利用者がいること,また,利用者や沿線地域からの存続に対する強い御要望があることから,同社に対し存続を強く要請したところ,調査期間を設けていただけることとなったものでございます。
本市といたしましては,那珂市と連携を図り,地域に対し,路線バスの現状と対策に関するお知らせの配布を依頼するとともに,「広報みと」への公共交通機関に関する特集記事の掲載などを通じまして,利用促進策を展開しているところでございます。職員が同乗し調査したところ,採算に見合うまでの利用者増,平均値で5人,6人程度の増加を要するわけでありますが,そこに至ってない状況でございます。
茨城交通株式会社におきましては,このまま利用者がふえなければ,本年10月1日に廃止するとの方針が示されておりまして,当該路線バスを存続するためには,何よりも多くの方々に御利用いただくことが必要となっておりますので,那珂市と連携しながら,再度,地元地域の皆様の利用が促進されますよう,継続的に対応してまいりたいと考えております。
なお,不採算路線に対する運行費補助につきましては,生活交通の確保が図られますよう,これまでも茨城県に対し,要件緩和を含め補助制度の一層の拡充を要請しているところでありまして,引き続き,働きかけてまいりたいと考えております。
次に,デマンドタクシーの導入についてでございますが,この導入に当たりましては,路線バスを基本とした共存が課題となってまいりますので,市民や利用者のニーズに加え,路線バスを初めとした事業者との役割分担,連携方策,受益者負担のあり方,必要となる調整事項など十分に把握する必要があると考えております。
したがいまして,茨城県公共交通活性化会議において十分に現状分析し,そこでの議論や研究成果などを活用しながら路線バスを基本といたしまして,本市における公共交通機関のあり方等について研究してまいりたいと考えております。
教育次長(内田秀泰君)の答弁
中庭議員の一般質問のうち,柳河小学校児童の通学対策についてお答えいたします。
現在,柳河小学校児童のうち,上河内地区から通学している9名の児童が,登校する際に,水戸駅−下江戸間の路線バスを利用しておりますが,路線バスの存続については,今後開催される茨城県バス対策地域協議会において,利用状況を踏まえて協議される予定でございます。
柳河自治住民の会の代表や保護者の方々からも,主要地方道水戸勝田那珂湊線の上河内地域については,朝夕の車の往来が激しく,歩道も整備されていないことから,児童の通学の安全を確保するため,路線バスの存続や歩道整備などの要望が寄せられております。
教育委員会におきましても,学校からの聞き取りや現地確認などを行っており,児童が通学する際に安全なものとなるよう,関係部署に強く働きかけてまいります。
また,児童の通学手段としての路線バスは,安全面からも必要なものと認識しており,その存続を強く望むものでございますが,廃止となった場合の代替案についても,学校や保護者と協議してまいりたいと考えております。
次に,教育行政についてお答えいたします。
見川中学校,小学校,幼稚園の早期建てかえにつきましては,中学校校舎などの老朽化や,小学校の教室不足をプレハブ校舎で対応していること,また,グラウンドが狭隘であること,さらに,中学校のグラウンドの水はけが悪いことなど,早急な整備が必要であると認識しております。
現在,中学校,小学校,幼稚園は,不整形な敷地に幼稚園を中心としてそれぞれ配置されており,施設整備に際しては,この敷地形状に対応した配置計画にする必要がございます。
このようなことから,老朽化,狭隘化や水はけの悪さの解消に向けた整備方策や,改築のみでの整備だけでなく,補強及び老朽改造による既存校舎の部分的な有効活用など,効率的な整備の可能性など,全体的な整備年次計画を検討するため,昨年度,基本構想を策定いたしました。
今年度は,改築要件を判断するため,中学校屋内運動場,小学校校舎,幼稚園園舎の耐力度調査を行ってまいります。その調査結果により,基本構想の中で最も有効な整備計画を見きわめ,学校及び地域関係者と協議を進めながら,よりよい教育環境の実現のため,計画的かつ効率的な整備に向け作業を進めてまいります。
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