日本共産党
水戸市議会議員
なかにわ次男
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生活保護、福祉など12年6月市議会の中庭議員の一般質問

⑴ 障害者福祉について(中庭議員質問)

 まず最初に障害者福祉行政について質問いたします。
質問の第1は水戸市が障害者総合支援法に反対し、障害者の願いにそった新しい法案の制定を政府にもとめる考えはあるかお伺いいたします。
 障害者総合支援法は障害者にとって重い1割負担、福祉サービスの利用を制限する障害程度区分、福祉施設の運営を困難にした報酬の日払いを残しました。
これは障害者自立支援法の名前をかえて存続させたもので、障害者の願いを踏みにじったものであります。さらに内閣に設置された「障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会」の「骨格提言」を無視したものでありました。

 第2に精神障害者の治療と社会復帰に必要な居場所である地域活動支援センターとグループホームの増設計画についてお伺いいたします。
水戸市が今年3月に策定した水戸市第3期障害者福祉計画では精神科病院の退院者数を2年後にはこれまでの1.2倍の50人とし、さらに「精神科病院に入院したら1年以内に76%を退院させる」との数値目標を設定しました。水戸地区精神保健福祉会は精神障害者が退院しても居場所がない、グループホームも定員一杯と訴えております。
水戸市は第3期障害者福祉計画で精神障害者は8年間で2倍の1429人にふえると推計しています。
 地域で生活できる居場所とグループホームの増設計画をお伺いいたします。
また障害者施設入所者数の削減目標を水戸市は第3期障害者福祉計画で29名とし、これまでの実績の約6倍としています。施設から強制的な追い出しを行うのではなく、福祉施設の増設こそ必要でありますが、いかがでしょうか。

<答弁者 保健福祉部長>

 中庭議員の一般質問のうち、障害福祉についてお答えいたします。
初めに、障害者総合支援法に対する水戸市の見解と、障害者の願いにそった新しい法律の制定を国に要望することにつきましては、現在、国会において法案の審議中でございますので、今後の国の動向を注視して見守ってまいりたいと考えております。

 続きまして、水戸市第3期障害福祉計画についてのご質問にお答えいたします。
はじめに、入院中の精神障碍者の地域生活移行につきましては、本計画においては、障害者施設に入所している障害者のうち自立訓練事業等を利用することで、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう具体的な数値目標を設定しいるものでございます。
 また、地域生活移行の受け皿となる地域活動支援センターや、主に重度障害者を対象とした生活介護を行う事業所、一般就労が困難な方に対する就労や生産活動等の機会を提供する就労継続支援等を行う事業所は、増加傾向にあり、特に非雇用型の就労継続支援事業所につきましては、事業所数が飛躍的に増加しております。
 今後とも、日中活動系サービスの提供体制の確保は重要となりますので、新規参入を検討している民間法人等にも広く情報提供に努めるとともに、協力をいただきながら障害者の地域生活を支える体制作りを進めてまいります。
 
 次に、施設入所者の削減目標値の29名につきましては、国の指針に沿って、平成17年10月1日時点を基準日として、平成26年度末までに入所者数を10パーセント削減するものとして設定した数値目標でございます。これは、施設からの強制的な追い出しを求めるものではなく、現在は施設に入所しているものの、地域での生活を望む障害者に対して、地域生活への移行を促すという趣旨でありますので、障害の状況によって、地域生活への移行が困難な場合には、引き続き施設入所支援により対応してまいります。
 なお、本市では現在のところ入所施設増設の予定はございませんが、民間法人等の設置希望の把握に努めてまいります。


⑵ 生活保護行政について(中庭議員質問)

 次に生活保護行政について質問いたします。
タレントの母親が生活保護をうけていた問題を利用して、自民党などが国会で生活保護に対するバッシングを行っています。
 政府も生活保護受給者の親、兄弟などの親族に扶養義務を徹底し、扶養ができない場合は、その証明をもとめ、市町村が扶養できると判断した場合は、家庭裁判所に訴えて、扶養費の支払いをもとめるとの方針を表明しています。
 生活保護申請の時、現在でも扶養義務がある親族に扶養意志があるかどうかの確認を行っています。そのため申請しない人も少なくありません。
今後、親、兄弟などの親族に扶養義務を強要したら、迷惑はかけられないとして生活保護の申請をためらう人がますますでてくることになります。北九州市では2006年に56歳の男性が餓死した例がありましたが、これは市役所から息子に扶養してもらうことを強要され、生活保護申請書がわたされず保護が受けられなかったことが餓死の原因でした。
 質問の第1は、民法897条で親、兄弟の間の扶養義務は当事者間の話し合いよってきめるもので、強要できるものではありません。
水戸市は生活保護申請にあたって、水戸市は親、兄弟に扶養義務を強要しているのか。
また親族でも長期にわたり音信が途絶えている場合、DVなどで離婚している元夫の場合は、扶養義務調査を免除してもよいとなっていますが、水戸市はとのような対応をしているのか。

 第2の質問は水戸市に生活保護の申請にいっても半数しか申請を受け付けてもらえないことであります。
 昨年度、水戸市の生活保護の相談件数は1,448件ありましたか、生活保護申請できたのは、784件で半数にとどまっています。664件は生活保護の申請ができませんでした。水戸市が申請を受け付けなかった理由はなんなのかお伺いいたします。この6月に50歳代の男性が2年以上、仕事が見つからず、貯金も底をつき、水戸市に生活保護の申請を行いました。
 ところがまだ働ける、社会福祉協議会にいって生活費を借りるようにいわれ、申請書をわたされませんでした。収入の見込みがないのに借りられないと主張し、生活保護申請ができるようになりました。
 いま生活保護受給者が全国で210万人以上に増えたのは、リーマンション以後、景気が大きく落ち込み、派遣切りなどで失業者がふえ、貧困と格差が広がったことにあります。また働いてもパート・アルバイト、派遣などで安い賃金しか得られず、生活保護基準以下のワーキングプア、働く貧困層が増えたことにあります。
 政府の統計でも800万人以上が生活保護基準以下なのに生活保護をうけていない状況であります。   
 水戸市が今後、改善すべきは生活保護を申請した場合、申請書をわたし、すみやかに審査し、可否を決定すべきであります。申請書を渡さないのは申請権の侵害であり、憲法25条で規定された国民の生存権を侵害することでなりますが、いかがでしょうか。

 第3に生活保護費の引き下げに水戸市として反対することであります。
自民党は低い国民年金を口実に生活保護費の10%引き下げを主張しております。
これまでも生活保護の老齢加算を廃止され、引き下げられてきました。さらに生活保護費を引き下げると、受給者の生活がますます大変になると同時に市民全体にも大きな影響がでてきます。
 税金の非課税限度額も引き下げられ、保育料などの各種減免制度に波及し、さらに就学援助の対象児童が少なくなります。

<答弁者 保健福祉部長>

 次に、生活保護行政についてのご質問にお答えいたします。
初めに、扶養義務調査についてでありますが、生活保護法の扶養義務取扱いに基づいて扶養義務者の扶養の可否について調査することとなっております。
 調査に当たっては、戸籍調査等により民法に定める扶養親族を明らかにするとともに、対象世帯からの聞き取り内容や親族との交流状況等に配慮しながら、扶養ができるかどうかにかかわらず扶養届けによる回答を求めているところでございます。
 
 次に、生活保護の申請についてでありますが、昨年度の相談件数は1,448件で、そのうち申請件数は784件でありました。
申請に至らなかった主な理由は、預貯金、生命保険、その他の資産の活用や扶養義務者からの援助及び各種施策の活用によって、収入資力が国の定める最低生活費の基準を上回ることが明らかとなり、保護の要件に該当しないためでございます。
 
 次に、生活保護費の引き下げについてでございますが、今後、国の社会保障審議会生活保護基準部会により審議されることとなりますので、本市といたしましてはその動向を見守ってまいりたいと考えております。


⑶ 孤独死の対策(中庭議員質問)

 次に孤独死対策について質問いたします。
2010年7月に水戸市内の一人暮らし高齢者が6,669人を対象に実施した「水戸市ひとり暮らし高齢者実態把握調査」でも、一人ぐらし高齢者の22.8%が孤立感を感じ、さらに64.9%が健康、病気に不安を抱えており、孤独死を防ぐ対策の確立がもとめられております。
 今月、6月8日、水戸市内で生活保護を受けていた66歳の女性が孤独死で発見されました。死後3カ月たっており、近所の人の通報により発見されました。
 今回、孤独死が起きた原因は
@この女性が生活保護を受けていたため、生活福祉課のケースワーカーが担当しておりましたが、65歳以上の場合は水戸市ではケースワーカーの訪問回数が6カ月に一回程度のため、孤独死が発見できませんでした。
A一人暮らし高齢者に対しては民生委員や水戸市の地域包括支援センターが訪問をおこなうべきでしたが、生活保護のケースワーカーが担当しているとして適切な支援が行われなかったことにあります。
 質問の第一は生活保護受給者にもかかわらず、なぜ3カ月間も発見できなかったのか。65歳以上の場合、ケースワーカーの訪問は今後、月一回以上とすること、そのためにもケースワーカーの増員が必要ですが、いかがでしょうか。
 第2の質問はひとり暮らし高齢者を見守る体制についてお伺いいたします。
高齢者のよろず相談所である地域包括センターは水戸市には1カ所だけであり、さらに地域窓口センターも8カ所しかなく、専任相談員は一人です。地域包括センターの増設と相談員の増員をもとめます。
 第3の質問は緊急通報システムの増設であります。
緊急時に高齢者がボタン一つで消防本部と連絡がとれる緊急通報システムの利用世帯はこの2年間で83世帯へり、15%も減少しました。
 現在の設置件数と増設むけてどのような努力をしているのか。緊急通報システムの新規設置費66,000円の値下げについても答弁をもとめます。

<答弁者 保健福祉部長>

 次に、孤独死対策についてお答えいたします。
まず、生活保護受給者への見守り体制についてでございますが、対象世帯への訪問は、訪問頻度を規定した世帯類型別ケース格付け基準表に基づいて定期的に行っております。訪問に当たり、対象世帯員の健康状態、親族や近隣者との交流状況及び生活状況の把握に努め、必要に応じて医療機関への受診や地域との交流の促進を図るとともに、民生委員、地域住民の方々の協力を得るなど、見守り体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
 本市では、これまで民生委員や地域窓口センター、地域ケア推進員などと連携を図りながら、ひとり暮らし高齢者に対する見守り支援を進めてまいりました。
 さらに、高齢福祉サービスとして民生委員等の協力員が乳製品を配布しながら定期訪問を行う「愛の定期便事業」や夕食の配達にあわせて安否確認を行う「配食サービス」を実施しているほか、急病や不慮の事態などの緊急時にボタン操作で消防に通報できる「緊急通報システム事業」を実施しております。
 このうち、緊急通報システムの利用状況については、平成23年度末の利用件数は446件、年度内設置件数は43件となっております。
昨年、近隣協力者についての利用要件を緩和し、利用の促進を図ったところ、今年度については、すでに設置件数は17件となっております。 
 今後も高齢者の利用が円滑に進められるよう、広報みとやお年寄り便利帳等を活用し、広報活動に努めるとともに、高齢者支援にかかわる関係機関に周知を図るなど、利用拡大に向けた取組みを行ってまいります。

 また、「水戸市ひとり暮らし高齢者実態把握調査」の結果において、見守り事業を希望する高齢者が非常に多くみられたことなどから、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりがますます重要になってくるものと考えております。
 この度策定いたしました水戸市第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画においても、「高齢者見守り・地域支えあいの推進」を主要施策として位置付けておりますので、今後、民生委員、社協支部、町内会・自治会等の地域活動団体や、警察・消防等の公共機関及び民間事業者等との連携を強化し、高齢者見守り体制のあり方について検討を進めながら、高齢者見守りネットワークの構築を推進してまいりたいと考えております。


⑷ 道路行政について(中庭議員質問)

 次に市道見川1号線の拡幅整備と、歩道の設置、交通安全対策について質問いたします。
 見川地区市民懇談会ではこれまで5回にわたってこの要望がだされました。
市道見川1号線は見川クリーンセンター近くの大内田交差点から多宝院までの670メートに歩道がなく、県庁と水戸医療センターの抜け道となり、交通量が非常に多く危険となっています。
 私も6年前の2006年9月市議会の一般質問で、歩道の設置をとりあげましたが、この6年間、何一つ改善されておりません。見川小学校の通学路にもなっており、一刻も早い整備がもとめられますが、いつ整備するのかお伺いいたします。

<答弁者 建設部長>

 中庭議員の一般質問のうち、市道見川1号線の拡幅整備と歩道設置、交通安全対策についてお答えいたします。
市道見川1号線は、岩間街道から好文橋通りの徳川博物館入口交差点を通り、大内田交差点に至る延長約1,430mの路線であり、多くの児童・生徒が利用する通学路でございます。
 このうち、好文橋通りから大内田交差点方面へ約190メートルの歩道整備をしてきたところであります。
 残りの、大内田交差点までの未整備区間約610メートルの歩道整備につきましては、道路幅員が狭あいな箇所もあり、交通安全対策の必要性を十分確認しておりますので、今後、都市計画道路3・5・25号見川線のあり方を含め、整備手法を検討してまいります。


⑸ 市営住宅行政について(中庭議員質問)
 
 最後に市営住宅行政について質問いたします。
 第一は市営河和田団地の汚水処理場跡地の整備についてお伺いいたします。
河和田団地に公共下水道が接続されたことにより、団地の汚水処理場は不要となりました。処理場はいつ解体するのか、跡地は住民の要望を取り入れ、公園などに整備する計画はないのかお伺いいたします。

 第二は市営住宅にBSアンテナの設置であります。
市営河和田団地は共同アンテナでBSアンテナが設置されていなのが16棟346戸あります。設置されているのが41棟988戸あります。
同じ家賃を払いながら、設置されていない棟があるのは不平等です。
私は2010年12月議会の一般質問でBSアンテナの設置をもとめました。都市計画部長は「検討する」と答弁しました。
 検討した結果はどうだったのか、設置の時期はいつなのかお伺いします。

<答弁者 住宅課長>

 中庭議員の一般質問のうち、住宅行政についてお答えいたします。
初めに、河和田住宅の汚水処理場の跡地整備につきましては、2つの処理場のうち、第1汚水処理場は、議員ご承知のように、既に河和田保育所として活用されております。ご質問の第2汚水処理場ですが、今年度、解体工事を行う予定でございます。
 ただし、その後の用途については、現在、検討中であり、今後、入居者を含めた地域住民のニーズを踏まえ、その有効活用について検討してまいります。
 
 次に、市営住宅のBSアンテナ設置につきましては、これまで、本市では、市営住宅の建替等の機会を捉えて、BSアンテナの設置を行ってまいりました。
河和田住宅につきましては、平成12年度以降に建替工事を行った6棟196戸、また、平成17年度以降に地上デジタル放送開始に伴いアンテナの共同化工事を行った35棟792戸に設置してきたところであります。
 直近でも、本年3月に建替工事が完了したものにもBSアンテナを設置し、順次、進めてきたところであります。
ご質問の既存の住宅へのBSアンテナの設置は、新築時での設置と異なり、ケーブル線の敷設替え工事が発生することにより高額となります。
 よって、厳しい財政状況下の中、建替等の機会を捉えて順次設置してまいりたいと考えております。以上

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