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扶養義務の強制をやめよ、生活保護は憲法25条の権利
中庭次男議員は6月定例市議会の一般質問で、生活保護行政について質問しました。
質問項目は3点です。
1、扶養義務を強要しないこと。
2、生活保護申請があった場合は、速やかに申請書を交付すること。
3、生活保護費の引き下げに水戸市としても反対すること。
以下は中庭議員の質問と答弁です。
<中庭議員の質問>
生活保護行政について質問いたします。
タレントの母親が生活保護をうけていた問題を利用して、自民党などが国会で生活保護に対するバッシングを行っています。
政府も生活保護受給者の親、兄弟などの親族に扶養義務を徹底し、扶養ができない場合は、その証明をもとめ、市町村が扶養できると判断した場合は、家庭裁判所に訴えて、扶養費の支払いをもとめるとの方針を表明しています。
生活保護申請の時、現在でも扶養義務がある親族に扶養意志があるかどうかの確認を行っています。そのため申請しない人も少なくありません。
今後、親、兄弟などの親族に扶養義務を強要したら、迷惑はかけられないとして生活保護の申請をためらう人がますますでてくることになります。
北九州市では2006年に56歳の男性が餓死した例がありましたが、これは市役所から息子に扶養してもらうことを強要され、生活保護申請書がわたされず保護が受けられなかったことが餓死の原因でした。
質問の第1は、民法897条で親、兄弟の間の扶養義務は当事者間の話し合いよってきめるもので、強要できるものではありません。
水戸市は生活保護申請にあたって、水戸市は親、兄弟に扶養義務を強要しているのか。
また親族でも長期にわたり音信が途絶えている場合、DVなどで離婚している元夫の場合は、扶養義務調査を免除してもよいとなっていますが、水戸市はどのような対応をしているのか。
第2の質問は水戸市に生活保護の申請にいっても半数しか申請を受け付けてもらえないことであります。
昨年度、水戸市の生活保護の相談件数は1,448件ありましたか、生活保護申請できたのは、784件で半数にとどまっています。664件は生活保護の申請ができませんでした。
水戸市が申請を受け付けなかった理由はなんなのかお伺いいたします。
この6月に50歳代の男性が2年以上、仕事が見つからず、貯金も底をつき、水戸市に生活保護の申請を行いました。
ところがまだ働ける、社会福祉協議会にいって生活費を借りるようにいわれ、申請書をわたされませんでした。収入の見込みがないのに借りられないと主張し、生活保護申請ができるようになりました。
いま生活保護受給者が全国で210万人以上に増えたのは、リーマンション以後、景気が大きく落ち込み、派遣切りなどで失業者がふえ、貧困と格差が広がったことにあります。
また働いてもパート・アルバイト、派遣などで安い賃金しか得られず、生活保護基準以下のワーキングプア、働く貧困層が増えたことにあります。
政府の統計でも800万人以上が生活保護基準以下なのに生活保護をうけていない状況であります。
水戸市が今後、改善すべきは生活保護を申請した場合、申請書をわたし、すみやかに審査し、可否を決定すべきであります。申請書を渡さないのは申請権の侵害であり、憲法25条で規定された国民の生存権を侵害することでなりますが、いかがでしょうか。
第3に生活保護費の引き下げに水戸市として反対することであります。
自民党は低い国民年金を口実に生活保護費の10%引き下げを主張しております。
これまでも生活保護の老齢加算を廃止され、引き下げられてきました。
さらに生活保護費を引き下げると、受給者の生活がますます大変になると同時に市民全体にも大きな影響がでてきます。
税金の非課税限度額も引き下げられ、保育料などの各種減免制度に波及し、さらに就学援助の対象児童が少なくなります。
<答弁者 保健福祉部長>
次に、生活保護行政についてのご質問にお答えいたします。
初めに、扶養義務調査についてでありますが、生活保護法の扶養義務取扱いに基づいて扶養義務者の扶養の可否について調査することとなっております。
調査に当たっては、戸籍調査等により民法に定める扶養親族を明らかにするとともに、対象世帯からの聞き取り内容や親族との交流状況等に配慮しながら、扶養ができるかどうかにかかわらず扶養届けによる回答を求めているところでございます。
次に、生活保護の申請についてでありますが、昨年度の相談件数は1,448件で、そのうち申請件数は784件でありました。
申請に至らなかった主な理由は、預貯金、生命保険、その他の資産の活用や扶養義務者からの援助及び各種施策の活用によって、収入資力が国の定める最低生活費の基準を上回ることが明らかとなり、保護の要件に該当しないためでございます。
次に、生活保護費の引き下げについてでございますが、今後、国の社会保障審議会生活保護基準部会により審議されることとなりますので、本市といたしましてはその動向を見守ってまいりたいと考えております。
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