MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市政レポート
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東海第2原発再稼働中止とJ−PARC事故に関する代表質問と答弁

日本共産党水戸市議団が行った福島被災地視察より (2013年6月4日)

楢葉町住民が避難するいわき市の仮設住宅で
楢葉町住民が避難するいわき市の仮設住宅で
 
楢葉町の除染作業中の住宅で
楢葉町の除染作業中の住宅で
 
除染で発生した黒い袋の仮置き場
除染で発生した黒い袋の仮置き場
 
建築10年目で地震被害はないが住めない住宅
建築10年目で地震被害はないが住めない住宅









2013年6月水戸市議会で、6月18日に田中議員が行った代表質問のうち、東海第2原発の廃炉とJ−PARCの放射性物質漏えい事故に関する質問と、高橋市長の答弁を抜粋しました。

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。通告に従い、代表質問を行います。
<中略>
4.東海第2原発の再稼働中止について
(1)福島第一原発の半径20キロ圏の実情について
 
 次は東海第二原発の再稼働中止を求めることについてです。
 日本共産党水戸市議団は6月4日、福島第一原発から南15キロにある楢葉町と7キロにある富岡町を視察してきました。どちらも放射線量が高いため全町民がいわき市のプレハブ仮設住宅などで避難を続けています。楢葉町は4月から「避難指示解除準備区域」に再編され、立入制限は解除されたものの、町全域で除染作業が続けられており、自宅に宿泊できません。
楢葉町からつくば市に避難している方の案内で、除染作業を見学しました。この方のご自宅は10年前に建てた立派な日本家屋で、地震の被害はほとんどなかったにもかかわらず、住むことができません。
95歳の母親は「楢葉に早く帰りたい」と繰り返しながら避難先で亡くなったそうです。「除染されるのは住宅地中心で周辺は高線量のまま。一体どれだけの町民が戻ってくるか。事故収束なんてとんでもない。この現実を多くの人にわかってほしい。」と訴えていました。
除染で削った土や草木をつめた黒い袋が仮置き場のあちこちの田んぼに大量に積まれていました。一軒の除染で1立米の袋が約30袋発生するためどこまで増えるかわからず先の見通しはたっていません。
また、富岡町の常磐線富岡駅周辺は、津波の被害そのままに建物が残され、がれき撤去さえ行われていません。住民が誰ひとりすんでいない町を行き交うのは除染作業員と第一原発へ向かう車だけという異様な光景に、事故の深刻さを感じました。ひとたび事故が起きれば他人事ではないこの福島の被災地の現状を市長はどのように考えておられるか伺います。
(2)東海第二原発の風下にあたる水戸市の被害想定について 
3・11で東海第二原発が過酷事故を起こしていたら、今頃私たちはどこに住んでいたのでしょうか。福島原発事故では原発から20キロ圏内がすべて、人が住めない広大な地域となりました。20キロといえば、東海第二原発から茨城県庁までの範囲で、水戸市の半分の区域が入ります。かつ茨城県では年間を通し、北北東の風が多く出現します。東海第二原発で大事故が起き、水戸市が風下になれば、この市役所まで15.8キロ、風速3.5m程度でも75分で放射性物質が到達します。避難は困難を極め、多くの市民の被爆は避けられません。
一度避難すれば二度と戻ることはできないかもしれない、まさに取り返しがつかない事態となります。私達はこのような危険と隣り合わせで暮らすことはできないと考えますが、市長の見解を伺います。
(3)首長懇談会の協定見直し要求と廃炉表明について
水戸市長、東海村長、ひたちなか市長など6人で組織する原子力所在地域首長懇談会は、かねてから東海第二原発を運営する日本原電に対して、再稼働への意見表明を求める要求書を出していますが、原電の回答はどうなっているのでしょうか。
肝心なのはどういう意見を表明するかです。高橋市長は「厳しい判断をしていく」と繰り返してきましたが、他の首長とともに、はっきり再稼働反対を表明し、日本原電や国に迫っていくことを求めますがいかがでしょうか。

■高橋市長…東海第二原発の再稼働中止について■
次に,東海第二原発の再稼働中止の御質問についてお答えいたします。
<福島の被災者の現状について>
福島原発事故から2年が経過しているのにもかかわらず,未だに,福島県民の多くの方々が県内外で避難生活を余儀なくされており,帰宅できる見通しも立たない中,日々をお過ごしなっている心情を察するとき,一日も早く穏やかな日常が戻ってくることを願ってやみません。
避難された方々を思うと,私は,原子力施設においては,何よりも安全が最優先されるべきであり,このような原子力事故は,二度と起こしてはならないと改めて強く思うところであります。
<東海第二原発の過酷事故と水戸市への放射能拡散について>
今年の3月11日に実施された県の原子力防災訓練につきましては,本市のほぼ全域に放射性物質が拡散したとの想定で実施されました。
本市では,東海第二発電所から30km圏内の緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)に位置することから,地域防災計画原子力災害対策計画編の中で,原子力発電所において過酷事故が発生し,本市に重大な影響を与えることも想定しております。
<原子力所在地域首長懇談会の要求と日本原電の回答について>
原子力所在地域首長懇談会の要求につきましては,6月5日,日本原子力発電株式会社に対し,安全協定の改定や,使用済み核燃料の乾式貯蔵への切り替えを求める要求書を提出いたしました。
原電からは,安全協定の趣旨を踏まえ,引き続き周辺市町村と協議をしていきたいとの意向が示されたことから,周辺市町村と連携して要求の実現に向け取り組んでまいります。
<東海第二発電所の再稼働について>
東海第二発電所の再稼働につきましては,これまでも申し上げてまいりましたとおり,東日本大震災を上回る地震,津波に対しても二重,三重の安全対策が講じられ,万全であると確認されることが大前提であり,私は,市民の安全で安心な暮らしを守っていくという立場からは,厳しい判断をしていかなければならないものと考えております。


5.J−PARCセンターの放射性物質の漏洩事故について
(1)安全管理と再発防止の徹底、通報連絡体制について

次に、J-PARCセンターで発生した放射性物質の漏洩事故について質問します。5月23日、東海村にある日本原子力研究開発機構と、高エネルギー加速器研究機構が共同運営する大強度陽子加速器施設、J-PARCセンターのハドロン実験施設で、中性子やニュートリノなどの素粒子を発生させる装置で、通常の約400倍の陽子ビームが標的の金に衝突し、発生した放射性物質が実験施設内に漏れました。
施設内の空間線量は4から6ミリシーベルトと通常の10倍以上に上昇し、研究者など34人が1・7から0・1ミリシーベルトの内部被爆をしました。さらに2回にわたり放射性物質を除去するフィルターのない換気扇を回したため、外部にも放射能が漏れ、西側1キロの住宅地まで拡散したとされています。
この事故に対し、施設責任者が「想定外」と述べたことに多くの市民は「またか」の思いを強くしています。世界最高性能とうたわれる施設における安全管理のずさんさは放置できません。
日本共産党は5月30日、江尻議員や大内県議らが現地調査し、▽被ばく範囲と健康調査の実施▽事故原因の徹底究明と公表▽安全神話の一掃▽抜本対策をとるまで運転再開しないこと▽自治体への通報、住民への連絡体制の改善などを申入れました。
私が伺った原子力機構の関連施設の専門家は「放射線作業従事者は室内が汚染したらすぐに全員退避が常識だ。警報がなったのに実験を再開し、外部に放出するなど考えられない。」と話していました。
そもそも安全軽視の設計で、許認可上の問題があったのではないかとも指摘されています。
そこで質問の第一は、事故発生時の市の対応と、今後の安全管理の徹底および再発防止にむけた対策を伺います。
第二は、通報連絡体制の問題です。水戸市に連絡がきたのは事故発生から34時間以上たった5月24日午後10時40分、職員のいない市地域安全課にファックスが送られてきただけでした。なぜこのような事態となったのか。本来の通報ルールを逸脱した理由を答弁願います。
通報を受ける水戸市の休日夜間の対応や、市民への広報など、原子力災害対策が確立しているのか疑問の声が出されています。今回の補正予算で、瞬時に多方面に災害情報を通報できるJアラート設備の強化予算が提案されました。同様のホットラインを原子力関連施設と確立する必要はないのか、迅速確実な情報伝達への改善策を伺います。
(2)原子力事業所の総点検について
今回の事故で茨城県や関係自治体も、J−PARCの実態を十分把握していなかったことが明らかとなりました。そういう実態では他に16ある原子力関連施設にも「想定外」の危険がないか疑問が残るのであります。
水戸市は、県や関係自治体とともにすべての原子力関連事業所の総点検を行うとともに、現在認められていない立ち入り調査権を確保し、継続的に実態を把握するよう求めますがいかがでしょうか。
以上、明快な答弁を求め1回目の質問といたします。

■高橋市長…J−PARCハドロン実験施設の事故について■ 
次に,東海村のJ−PARCハドロン実験施設の事故につきましては,平成25年5月23日午前11時55分ごろ,装置の誤作動による放射性物質の漏えい事故が発生いたしました。本市には,事故発生から1日半経過した翌24日午後10時40分に,通報連絡協定に基づき,日本原子力研究開発機構からのFAXによる事故発生の第1報がありました。また,25日に行われた県の緊急現地立入調査に,本市職員を同行させました。
<安全管理と再発防止・通報連絡体制の改善について>
 このような事故や不手際は,二度とあってはならないことから,私は,5月27日に,日本原子力研究開発機構に対し,通報連絡体制の改善を求めるとともに,事故防止等の安全管理を徹底するため,再発防止と事故の原因究明を速やかに行い,公表するよう強く申し入れたところであります。日本原子力研究開発機構及び高エネルギー加速器研究機構に対しては,今回の事故を重く受け止め,事故原因の究明と安全管理,再発防止の徹底を強く求めるものであります。
 原子力事業所との災害時の情報連絡体制につきましては,通報連絡協定において,事態が発生した際には,原子力事業者が県・周辺市町村などに,直ちに電話及びFAXで連絡することが定められております。
 市では,休日・夜間などにおいても連絡体制を整備しており,通報を受けた場合,直ちに職員が参集することとなっております。今後,原子力事業所に対しては,円滑な初動対応を確保するため,協定の厳格な運用を求めてまいります。
<原子力事業所の総点検について>
 次に,原子力事業所の総点検につきましては,J−PARCの事故の教訓を踏まえ,放射性物質を取り扱う施設におきましては,改めて,安全管理の徹底を求めていきたいと考えております。
市の立入り調査権につきましては,現在,県央首長懇話会及び原子力所在地域首長懇談会において,日本原電に対し安全協定の見直しを求めているところでありますので,今後も,周辺市町村と情報交換を図りながら,連携して取り組んでまいります。

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