MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2006年12月市議会 一般質問  2006年12月13日

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。2006年12月議会にあたり通告に従い、一般質問を行います。

1. 子育て支援策 @ 子育て支援・多世代交流センターについて

 はじめに、子育て支援策のうち、本定例議会に施設条例が提案された「子育て支援・多世代交流センター」の機能や運営方法について質問します。子どもたちや父母にとって居心地のよい居場所とするためにどのような取り組みが求められるでしょうか。

 私は、先進地として大分県別府市の例を調べてみました。別府市は人口12万4000人で水戸市の半分以下ですが、子育て支援センターと児童館が4ヶ所ずつ合計8箇所あり、連日大盛況の人気とのことです。毎月一ヶ所3000人以上、特に夏休みには一か所で1日200人を超える利用者で賑わっています。

 人気の理由の第一に、未就学児には育児情報の提供・本の貸し出し・出前保育、小学生には竹馬・卓球・手作り教室、敬老の日のプレゼント作りなど多彩なとりくみで和気あいあいと楽しめること、第二に正規職員である園長クラスの保育士が館長となり、複数の職員体制でしっかりしていることがあげられています。ある児童館では高校合格時に「児童館のおかげでこの子は非行に走ることもなく大きくなりました。ありがとうございました」とおばあさんと男子生徒があいさつに来たり、二歳の子が朝目覚めると「児童館に行く」と言って起きてくるなど地域になくてはならない施設となっているとのことです。

 水戸市の子育て支援・多世代交流センターにおいても、建物をつくっただけではこうした人気は出てきません。育児サークル活動や育児相談など父母の要望にあった活動とともに、子どもたちを飽きさせない楽しい企画の展開が必要と考えます。そこで、諸団体との連携や開設時間も含めどのような企画・運営とする考えか答弁を求めます。

 また、駐車場は20台確保されていますが、計画されているプレイルーム・遊戯室・多世代交流サロン・工作調理室などがそれぞれ利用された場合、足りなくなるのは目に見えています。駐車できない人は有料駐車場となれば不便で利用者減少につながります。

 そこで、第二駐車場として、五軒町1丁目・水戸芸術館北側に位置する土地開発公社の土地を買い戻し、利用者の無料駐車場として活用することを提案いたします。この土地は主に都市計画道路3・4・119号大町通り線の代替用地として取得したものです。道路建設はほぼ終了ですが処分の見通しは立っていません。取得以来14年が経過し、いわゆる塩漬け状態となっていますが、20台が駐車可能です。

A 児童・婦人相談体制の充実について 

 次に、児童相談、婦人相談体制の充実を求めて質問します。現在子ども課で行っている家庭児童相談・婦人相談は、子どもや家族の問題、職場でのトラブルなど多岐にわたります。婦人相談は昨年度644件、家庭児童相談は1634件にのぼり、児童虐待やDVなど機敏な対応を求められることも多くあります。しかし相談員は現在それぞれ2名の嘱託職員による交替勤務であり、増員が必要と考えますが見解を伺います。

 また、先の行政改革特別委員会で示された資料では、子育て支援・多世代交流センターに婦人相談を移すとしています。しかし、婦人相談は業務の実態や相談の中身から見ても、引き続き本庁の子ども課で行うべきと考えますが見解を伺います。

 その理由ですが、婦人相談に訪れる方は、DVや生活苦など深刻な悩みを抱えています。生活保護や市営住宅の申し込み、学校教育課などとの連携も必要です。逆にこれらの課から紹介されて相談に訪れる例も多くあります。子育て支援センターは親子が楽しく遊ぶことを目的としており、深刻な悩みを持っている方は相談に行きづらいのではないでしょうか。相談に来やすい環境を確保し、機敏に対応することが行政に求められます。

B 児童館の設置について

 次に、児童館の設置について質問します。水戸市が子育て支援の中核となる「子育て支援・多世代交流センター」を整備することは歓迎しますが、子どもたちの生活範囲である小学校区・少なくとも中学校区単位で児童館を増やしていくべきではないでしょうか。つくば市では17ヵ所の児童館が設置され、乳幼児から高校生までが集い市民に愛されています。茨城県のエンゼルプランでも50ヵ所から60ヶ所に増やすとしています。地域ごとに児童館をつくってこそ、子育て支援センターの中核的役割が発揮されます。例えば東部図書館わきには未利用の国有地があり、吉田小・第四中学校とも近く、児童館の建設を望む声が出されております。

 また、昨年度の水戸市の「次世代育成支援対策行動計画・実施状況」によれば、「公民館併設型子育て広場事業」を平成17年度に検討することが掲げられています。児童のプレイルームや母と子の交流スペースを公民館に併設するとしています。しかし、具体化の兆しがまったく見えないのであります。本気で進めるならば公民館ごとのスペースの問題もあり、土地を買い増しして設置するなど目に見える形で前進させるべきと考えますが、執行部の検討状況と今後の計画について明快な答弁を求めます。

2. 高齢福祉行政 @ (仮称)南部老人福祉センターについて

 次に(仮称)南部老人福祉センターについて質問します。施設建設にむけ工事契約案件が本定例会に提案されており、開設に向けた今後のスケジュールについてうかがいます。また、多世代交流活動について、どのような内容を検討しているでしょうか。地元吉田学区では、隣接する水戸養護学校との交流事業や、世代ごとのサークル活動も盛んです。高齢者クラブの方々による昔遊び企画は吉田小まつりやふるさと吉田秋まつりでも子ども達が多く参加しておりました。こうした活動を日常的に展開するためには、開設される南部老人福祉センターの運営がカナメとなります。その実践は、他の老人福祉センターの活動にも生かされる取り組みが期待されることから、市が責任をもつ直営で行うべきではないでしょうか。

 利用する場合、現在の老人福祉センターは60歳以上は無料ですが、それ以下の年齢や水戸市以外の方は1回につき300円となっています。多世代が利用する場合、子どもから利用料を取るべきではなく、全員無料とすべきです。また、市が開いた地元説明会でも開設時間について午後4時半までではなく夜間も含め開設してほしいとの要望が出されております。名称については子育て支援センター同様、公募してはいかがでしょうか。さらに南部老人福祉センターが面する市道吉田78号線は幅員6メートルで1キロ以上の直線道路ですが歩道がありません。スピードを出す車も多く、歩道やガードレール設置などの安全対策が必要と考えますが見解を伺います。

答弁(保健福祉部長)
 つぎに、(仮称)南部老人福祉センターについてのご質問にお答えします。はじめに、開館の時期でございますが、平成19年度内に竣工し、平成20年度当初の開館を予定しております。
 つぎに、施設の運営方法につきましては、既存の老人福祉センターの機能に加えて、新たに多世代交流や介護予防に取り組むとともに、運営形態については、これまでの陳情・請願や、地元説明会での意見・要望を反映してまいりたいと考えております。
 また、多世代交流活動ですが、これまでの高齢者を主体とした交流事業の実績を踏まえ、具体的な検討を行ってまいります。なお、施設の名称につきましては、地域に親しめる施設となるよう愛称を付すなど、公募を含めて検討してまいります。
 最後に、周辺道路の安全対策ですが、施設利用者と周辺住民の交通安全の確保に、十分配慮したものとしてまいりたいと考えております。

3. 介護保険について @ 介護ベッドや車イスなどの取り上げやめよ

 次に介護保険について、介護ベッドや車イスなどの取り上げ問題について質問します。

 政府による介護保険の改悪で、要支援や要介護1と判定された高齢者が、これまで利用できていた介護ベッドや車イスが取り上げられる事態となっています。

 水戸市内では今年6月現在、要支援・要介護1と判定された人のうち介護ベッドを利用していた方は355人いましたが、9月時点では260人に減ったとの報告を受けました。これは、9月末までの利用期限を前に、ベッドを泣く泣く返還して、高額のベッドを購入した方が相次いだことを示しております。しかも、残った260人も9月末時点で何らかの対処を迫られたわけです。

 私は4人の事例を聞いてまいりました。変形性せきつい症でひざと肩の痛みもある95歳の女性は要介護1となり、12万円でベッドを購入せざるをえませんでした。正座ができず上がり下がりのできる座椅子もレンタルしていましたが認められず新品を購入しました。「年をとってからこんなことになって情けない。生きている甲斐がない」と訴えられました。また、ある64歳の女性は脳梗塞後遺症で右手右足のマヒがありますが、要介護1と判定され、使っていたベッドを購入するゆとりもなく、通信販売で1万円余りの安いベッドを購入したそうです。しかし高さが低く柵もないため一度転落してしまったこと、やっとの思いで立っているがひざに負担がかかりいつ立てなくなるかわからないと話していました。ベッドを引き取りに業者がきたとき「持っていかないでほしい」と泣いて訴え、その後気分が不安定になり、身体の動きも悪くなったと話していました。

 このようにベッドの取り上げで日常生活に支障をきたしたうえに、状態も悪化する事例も生まれています。車イスについても80人程度該当しているとのことですが、半分近くは取り上げられた見込みとのことです。ベッドや車イスの取り上げの実態を水戸市が調査し、対応することを求めます。答弁願います。

 厚生労働省が出した告示ならびに通達により、介護ベッドは「起き上がりや寝返りができない人」しか使えなくされました。ベッドの柵があってはじめて起き上がりや寝返りができる人も利用できません。床に敷いた布団からは起き上がれない人からもベッドを取り上げるなど非人道的です。高齢者の生きる支えである福祉用具を奪い取る貸しはがしともいえる基準に怒りの声があがっています。実態を無視した基準の見直しを国に求めるべきですが市の見解をうかがいます。また、当面の対応として、水戸市独自の助成制度をつくり、ベッドや車イスを購入した方に助成すべきと考えますが見解を伺います。

A 介護保険料・利用料の負担軽減について
 次に介護保険料・利用料の負担軽減を求めて質問します。この10月、年金生活の高齢者に対し、介護保険料の大幅値上げが行われました。年金天引きが1回につきこれまで5600円から13800円に2.5倍にもなった人もいたほどです。値上げの通知をうけとった高齢者から、市役所にも多くの苦情・問い合わせが寄せられたと聞いておりますが件数について答弁願います。

 今回の値上げは第一に水戸市が38.6%の値上げを行ったこと、第二に6月の住民税の増税と連動し所得段階が上がった方が多いこと、第三に値上げの1年分が残り半年の年金で一気に請求されたことによるものです。年金が減る中で高齢者の負担は限界です。日本共産党水戸市議団は大内久美子県議会議員とともに10月11日、加藤市長に対し、「介護保険料の値上げ中止と改善をもとめる申し入れ書」を提出しました。そこで、改めて介護保険料の値上げの中止と市独自の保険料減免制度をつくることを求めます。

 昨年10月から特別養護老人ホームなどの入居者の食費と居住費が全額自己負担となりました。入居者1人あたり月4万2500円、非課税世帯でも月2万円の負担増です。決算委員会の資料によると、1370名の入居者全体の負担総額は月額3330万円にのぼります。県の調査でも負担増で特別養護老人ホームを退去した高齢者が7名おりました。食費と居住費の全額自己負担をやめるよう市として国にもとめること、また、水戸市独自の軽減策を実施し、特に年収150万円以下の高齢者にはこれまでどおり在宅サービスの利用料減免をおこなうことを求めますが見解を伺います。

4. 下水道行政 @ 駅南地区の排水問題について
 最後に、駅南地区の排水管の能力不足と公共用地への雨水貯留池計画について質問します。私は、2004年9月議会の代表質問で、大雨によって相次いで発生した道路冠水や白梅4丁目での床下浸水などについて質問しました。その際、駅南地区については「1時間に50ミリの雨が降った場合、桜川には毎秒30トンが流れ込みますが、現在の6箇所の吐き口を合わせても毎秒7トンの排水能力しかない」ことを指摘しました。つまり駅南地区は降る雨に対し4分の1以下の排水能力しかありません。いざと言うとき、市役所周辺が水浸しでは防災拠点としての機能が果たせません。
 
 私の質問に対し、下水道部長は「雨水全量は排除できない。当面の対策として公共施設用地などに雨水の貯留地を設置する」と答弁しました。先日も白梅の住民から「雨が降るとマンホールがすぐあふれる。市に何度も言っているが一向に解決しない」との訴えがよせられたところです。駅南平和公園を利用した雨水貯留池が検討されているとのことですが、進捗状況はどうなっているのか答弁を願います。

 以上で第1回の質問を終わります。

答弁(下水道部長)
 駅南地区の雨水排除につきましては、現在の公共下水道雨水基本計画に位置づけをしております雨水ポンプ場の建設費が多大でありますこと、放流先の桜川が下流那珂川の未整備に起因して計画流量の確保ができていないことなどから、ポンプ場建設費との費用比較等により整備費の削減や桜川の水位上昇による雨水排除困難等への対応を図るため、公園等の公共施設用地に雨水の貯留池を設置し、降雨時に河川への雨水流出量の削減を図る計画の策定をすすめているところであります。
 今後、できるだけ早期に事業認可を取得し、事業に着手してまいりたいと考えております。


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