MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
HOME プロフィール 市政レポート 市議会会議録 無料生活相談 ブログ かけある記 リンク

市議会会議録
<< 戻る

2006年9月市議会 代表質問  2006年9月11日

 日本共産党水戸市議団の田中真己です。通告にしたがい代表質問を行います。

@住民税の大増税、国保・介護などの連続負担増について 

 はじめに、住民税、国保税、介護保険料など連動した雪だるま式の大増税について質問します。私たちはこの間、市民アンケートにとりくんできました。その回答には「住民税が10倍になった」「年金も減っているのになぜ値上げなのか」「暮らしが成り立たない」など怒りの声が渦巻いています。

 こうした声をうけ、日本共産党水戸市議団は大内久美子県議とともに7月25日、加藤市長に対して、「高齢者に対する大増税の中止と減免制度の拡充を求める申し入れ」を行ったところです。定率減税の半減(5億2000万円の増税)に加え、公的年金控除の縮小、老年者控除の廃止(3億4300万円)により今年度の住民税は5倍から10倍になりました。

 6月中旬に通知が送付され、水戸市役所にも500件を超える問い合わせや苦情の電話が殺到したということです。

 しかもこの増税は国保税や介護保険料に波及します。国保税は今年度の高齢者の値上げ分だけで総額1億1000万円に上ります。介護保険料は4月から基準額で38.6%の値上げになりました。(5億8000万円)

 さらに、保険料の計算基礎となる所得がみかけ上 増えるため、これまで第2段階の方が第5段階となる場合、年間3万3000円の値上げです。10月の年金天引きから値上げ分が一気にのしかかることになります。まさに雪だるま式の大増税です。

 水戸市は今年度、その他に家庭ごみ有料化や下水道料金も値上げしており、昨年度と比市民の負担増は約20億円と見込まれます。一方で内原駅北土地区画整理事業、水戸駅南口開発、大工町1丁目再開発、十万原開発の4事業だけで、今年度21億4500万円も税金を投入しています。

 こうした不要不急の開発は進めながら、市民には耐え難い負担を次々と行うのでは納得は得られません。加藤市長は広報みと7月15日号で住民税の増税について「段階的ではなく急激な変化をもたらしたことを残念に思う」とのべておりますが、本当にそう思うのであれば、国に改悪の中止を求めるべきです。
 
 そして市税、国保税、介護保険料の軽減措置を拡充し、急激な負担増となる高齢者世帯に対して新たな減免措置をとることです。

 特に国保税については所得の減少による減免事例が一件もない水戸市の減免制度の見直しが必要です。神奈川県大和市では、月収が前年に比べ3割減った場合や収入が生活保護基準の1.2倍以下になると減免され、今年度すでに23件を減免しています。水戸市も同様の規定へ改善を求めます。 
 
 また、介護認定を受けた高齢者は、障害者控除を申請し認められれば、所得税・住民税が減免、もしくは非課税となります。しかしこの制度がほとんど知られておりません。

 介護認定された高齢者は7872人おりますが、実際に障害者控除の適用を受けた人はわずか20人で、全体の0.2%にすぎません。該当者がもれなく申請し減免できるよう、申請用紙は全員に配布し、負担軽減を図ることを求めますが、答弁願います。

答弁(市長)

 日本共産党水戸市議会議員団を代表されましての田中議員のご質問にお答えいたします。
 先ず、財務行政のうち、公的年金控除の縮小、老年者控除の廃止による住民税等の大幅増についてお答えいたします。

 今年度の個人住民税、国保税、介護保険料につきましては、地方税法の改正に関連し、高齢者の方にとって大きなご負担をいただいたところです。その主な要因は、老年者控除の廃止や65歳以上の年金受給者の公的年金等の最低控除額の引き下げが影響しているところでございます。これらに伴う個人住民税の影響額は約3億円となります。

 また、国保税、介護保険料へ波及させないことについての国への要望につきましては、三位一体の改革の中で進められている税制改正ですので、地方6団体での検討課題であると考えております。

 次に、年金生活者世帯などに対する負担軽減措置の創設につきましては、高齢者と現役世代との世代間のバランスの確保や所得に格差のある高齢者間の税負担の公平を図る観点での税制改正でありますので、税負担軽減措置の創設についての検討は大変難しいものと捉えております。

 また、国保税、介護保険料に対する軽減措置につきましては、すでに激変緩和措置を講じているところであります。

 なお、国保税の申請減免制度につきましては、災害など特別な事情があった場合に適用しております。また、低所得者に対しましては、均等割、平等割を6割、4割軽減する法定刑現制度の適用により、対応してまいりたいと考えております。

 次に介護認定を受けている高齢者に対する障害者の認定につきましては、申請に基づいて現在20名の方が認定を受けております。これらの周知につきましては、確定申告時期に広報等により図ってまいります。

A介護保険 介護サービスの後退の問題について

 次に介護保険行政について、4月からの制度改定で介護サービスが後退している問題について質問します。これまで要介護1だった方が要支援1や要支援2へ変更になると、一ヶ月の利用上限額が大幅に減り、これまでのサービスが利用できない高齢者が続出しています。

 私は在宅サービスを利用する高齢者の実情をお聞きしました。80代の女性は、要介護1から要支援2になり「病院受診のための乗降介助サービスは利用できなくなってしまった。タクシー代が大きな負担です」と訴えられました。

 70代の男性は「週2回2時間ずつのヘルパー派遣を1時間30分に減らした」と話し、そのほか「毎週1回楽しみにしていたデイサービスを隔週に」「要支援になってレンタルのベットがだめと言われた」などの声がでています。市内で要介護1から要支援1や要支援2に変更になった方はどれくらいいるのでしょうか。

 厚生労働省は8月18日、「軽度であってもサービスが利用できる」とし、介護ベットや電動車いすのなどの画一的な取り上げをやめるよう事務連絡を地方自治体に出しました。水戸市はその趣旨を守ると同時に、独自の事業で不足するサービスをカバーすることが必要と考えますが見解を伺います。

 また、従来の高齢者福祉事業が地域支援事業に移行したことにより、例えば配食サービスは7月から、1食400円が500円に100円値上げされてしまいました。それ以外に料金値上げとなるサービスはあるのか、これらの事業は国補助が50%から25%に削減された分を市が補てんし、利用者負担を増やすべきではないと考えますがいかがでしょうか。

答弁(市長)
 次に、介護保険行政についてお答えします。

 4月から7月の介護認定審査会において、更新前の介護度が要介護1であった方484名のうち、最も軽い要支援1に変更の方が49名、要支援2に 変更した方が113名、要介護1にとどまった方が234名となっており、88名については要介護2以上となりました。

 要支援1・2に変更された方々に対しては、新予防給付の対象者として、担当ケアマネージャーと包括支援センターの職員が訪問を行い、充分な説明のもとに介護予防サービスの利用をいただいておりますが、通院等の乗降介助やベット貸与の利用ができない等のご不満の声もありますので、ご理解をいただけるよう引き続き説明・相談を行ってまいります。

 次に、従来の高齢者福祉事業から介護保険の地域支援事業に移行したサービスのうち、配食サービスにつきましては、事業に対する国県補助金が廃止されたことや、昨年10月から介護保険施設等の食事が利用者の自己負担となったことなどを考慮して、これまでの利用者負担400円に対し100円の上乗せを行うものであり、市の補てんについては、現状では考えておりません。

B障害者自立支援法 1割負担の軽減策と施設の減収に対する補填を

 次に障害者自立支援法に伴う1割の自己負担による影響について質問します。私達は、4月実施から4ヶ月、障害者や施設に対してアンケートと聞きとり調査を行ってきました。

 市の知的障害者通所施設に通うある30代の女性は、これまで毎日施設に通い、清掃や花の苗の栽培などで働き、月8千円程度の工賃を生活費の足しとしていました。働くことで生活に張りが生まれ、生きがいとなっていました。

 しかし無料だった利用料が2万3千円となってしまいました。障害者年金は月6万6千円、利用料の2万3000円がどれほど重い負担となるか、考えていただきたいと思います。

 障害者の多くは、医療費や車いすなどの負担も多額です。そのため施設に通うことをやめたり、通う日数を減らしています。水戸市では今年度、障害者に対し2億7000万円もの負担増を見込んでします。これが障害者の自立支援と言えるでしょうか。
 
 共同作業所全国連絡会の調査によると、東京都や京都府・横浜市・広島市などで、あまりに重い負担、障害者の自立を阻害する事態をうけ、独自に利用料や医療費負担を軽減する自治体が相次いでいます。

 京都府は、福祉サービス利用料と医療費、補装具費用の3つを合計した月額上限額を最高でも7,500円とし、負担を2万5000円軽減します。大分市は1割負担を3段階に分け、低所得者は少ない負担でサービスが利用できます。

 岡山市・上田市では作業所の利用料を無料にしています。こうした独自の軽減策をとる自治体は8都府県と244市町村にまで広がっています。水戸市でも同様の助成をすることを求めますが見解を伺います。

 また、私達の調査では、水戸市内の知的障害者施設では年間1,700万円の減収、ある身体障害者施設では年間1,500万円も補助金が減額されました。収入減への対策として、職員のパート化や賃金カット、給食の業者委託、通所者が毎年楽しみにしている年1回の旅行を取りやめるなどのしわ寄せも余儀なくされています。

 大幅減収の原因は、事業の報酬単価が4月から下げられた上、支払い方式が月払いから日払いにされたためです。10月以降、自立支援法にもとづく施設体系に移行しなければならず、さらに大幅減収となって「施設経営が破綻する」という深刻な声が、数多く寄せられています。

 東京都葛飾区や足立区では、施設の減収分の一部を助成しています。水戸市も市内施設の減収分を調査し、運営費を補てんするよう求めますが、いかがでしょうか。

答弁(市長)
 次に、障害者福祉行政についてお答えいたします。

 障害者自立支援法においては、増大する福祉サービスの費用を皆で負担し支えあうため、利用したサービスの量や所得に応じた公平な負担を求めるという趣旨から原則1割の利用者負担導入いたしましたが、負担が増えすぎないように所得階層毎に上限が設けられており、低所得者層に対する配慮がなされております。

 従いまして、障害者自立支援法の趣旨を踏まえますと、本市独自の軽減策については困難であると考えておりますので、ご理解願います。

 次に、障害者福祉施設に対する運営費保障についてお答えいたします。

 障害者自立支援法に基づく福祉サービス体系は、これまでの体系を見直し、障害の程度や状態に応じた適切な介護サービスや訓練が行えるよう細分化されるとともに、障害者福祉施設の運営に対する報酬単価も、障害程度やし施設の機能に対応して設定されております。

 従いまして、障害福祉施設の運営に当たっては、利用者の障害程度やニーズを勘案しながら適切な施設機能やサービス体制を整備していくことにより、施設の運営基盤が整うものと考えております。

C合併問題〜茨城町との合併問題について

 次に茨城町との合併問題について質問します。去る8月18日、茨城町側より「来年1月の合併の計画について、来年12月以降としたい」との意向が示され、加藤市長は合併時期の変更について「12月でよい」と茨城町側に返答したと報道されています。この間の経過について議会にも報告がなく、議員も新聞報道で知るありさまです。

 私達は合併についてメリットデメリットを徹底して市民に明らかにし、住民投票や住民説明会の開催を求めてきましたが、それらを一切行わず、合併協議が強行されてきました。法定協議会も十分な議論は保障されず、質問時間は1人10分と制限されたのです。

 そうした中でも、合併の宣伝文句「サービスは高く、負担は低く」とは正反対の結果となることが明らかになりました。茨城町においては役場の廃止や幼稚園保育料や都市計画税の値上げをはじめ、各種料金が軒並み値上げとなり、水戸市においては計画された事業の先送りを招くものです。

 市は先の行政改革調査特別委員会に、今後5年間で150億から200億円の財源不足となるとの財政見通しを示しました。しかしここからは、茨城町との合併建設計画は除外されています。今の水戸市に10年間で727億円もの計画を実行する能力があるのでしょうか。

 地方交付税の推移にしても、法定協議会と行革特別委員会での市の説明には大きな食い違いがあります。合併建設計画の財政的根拠は崩れているのではないでしょうか。

 合併は借金を増やし、財政危機を深めることにしかなりません。

 市長は茨城町との合併について、これを機会に白紙に戻して中止の決断をすべきと考えますが見解をうかがいます。

答弁(市長)

 次に、茨城町との合併に関するご質問にお答えいたします。

 茨城町との合併協議につきましては、両市町の議員、住民代表等で構成される法定協議会においてご協議をいただいているものであり、また、その協議の様子については、傍聴やホームページで公開をしているところであります。さらに、法定協議会での決定後は、両市町の議会で配置分合の議決を受けるなど、その過程において、民意を充分に反映させながら進めているものであると認識しております。

 次に、住民サービスにつきましては、合併により、茨城町においては、制度調整の結果、多くの制度が新たに始まることとなるなど、総合的にみて、住民サービスは格段に向上することになるものと認識しております。

 また、水戸市の事業につきましては、策定した第5次総合計画並びに合併基本計画に基づいて計画的に推進してまいりたいと考えております。

 次に、合併基本計画の実行能力についてお答えします。

 ご質問の交付税の減額率については、市町村によって異なることから違いが生じたものであります。本年度の普通交付税の額は、前年度と比べ水戸市で約13%の減、茨城町で約4%の減となっております。

 合併基本計画の財政計画は、水戸市と茨城町の財政推進を基に行ったものでありますが、基本計画に盛り込まれた事業の経費は、茨城町が本来的に有している財源を基本としており、基本計画を実行する上での交付税その他財源の推計は、妥当な算定であると考えております。
 
 また、茨城町との合併協議については、現在、茨城町において町議会員や農業委員会委員の取り扱い等について継続的協議を行っているところであり、その結果を待って、市議会とも相談しながら、法定協議会において協議してまいりたいと考えているところであります。

Dまちづくり三法の改正と今後の市の対応について

 次に、大型商業施設をはじめとする大規模集客施設の郊外への立地規制、まちづくりの考え方について伺います。今年5月24日、都市計画法が改正され、大型ショッピングセンターの郊外立地が規制される事になりました。

 これは、まちづくり三法がまったく機能せず、郊外に超大型の商業施設の立地が相次ぎ、中心市街地の空洞化が深刻化したことが背景となっています。

 大型店の身勝手な出店、撤退を許さないという全国の商店会関係者や中小小売業者を中心とする世論の反映です。

 改正都市計画法により、のべ床面積が1万平米以上の大型店は、市街化調整区域では原則不可となりました。また、水戸市においては、市街化区域内においても立地可能な用途地域がこれまでの6地域から、第二種住居・準住居・工業が除かれ、準工業もできないため、近隣商業地域と商業地域の2地域に限定されることになったわけです。

 来年11月までに法施行となりますが、改正趣旨を踏まえ、今後の市のまちづくりの方針、郊外立地規制についての考え方を伺います。

 店舗面積1万平米以上の基準は5000平米以上とするなど実態に合った規制も必要と考えますがいかがでしょうか。
 
 茨城県は、法改正を受け前倒しで大型集客施設の郊外立地を規制する方針です。具体的には今年5月23日に「大規模集客施設の立地について」とする県通知が出され「用途地域内の立地を優先させ、市街化調整区域への立地を極力抑制すること」としています。

 7月には開発業者と自治体との事前協議の手続きを定めた「県土利用の調整に関する基本要綱」を改正し、来年1月から施行するとしています。市町村に対し「十分な調整・審査等、適切な対応」を求めています。

 この問題に関連して、笠原町に計画された水戸メガモールは、のべ床面積8万平米で、計画地は市街化調整区域でありました。まさしく今回の都市計画法改正と、県の要項改正によれば立地が不可能となる計画であります。
 
 水戸市商店会連合会の反対運動や事業者の信用性などにより、計画撤回となり、1年9ヶ月が経過しました。地元の大口地権者は以前強い反対の意向であります。その後、事業者側から何らかの働きかけがあるのかどうか伺います。

答弁(市長)

 次に、まちづくり三法の改正と今後の市の対応についてお答えいたします。

 いわゆるまちづくり三法の改正につきましては、中心市街地活性化法および都市計画法の改正法案が成立したところであります。

 法改正の趣旨としては、今後、日本が人口減少社会を向かえるなかで、これまでの拡散型の市街地から集約型の都市構造を目指すこととし、土地利用規制の大幅な見直しを行うとともに、中心市街地活性化に向けての支援体制を充実するものとされております。大規模集客施設につきましては、特に都市構造に対する影響が大きいことから、立地は、原則として商業地域、近隣商業地域および淳工業地域のみに制限されることとなります。

 また、市街化調整区域における20ヘクタール以上の計画的な大規模開発につきましては、改正法の施行後は認可基準が廃止され認められなくなるものであります。

 このように、郊外における立地規制の大幅な強化が図られる一方で、改正法においては、地域の実情に合った適切な土地利用を促進するため、民間開発事業者による都市計画の提案制度や新たな地区計画制度の創設も盛り込まれていることろであります。

 このような制度の見直しは、無秩序な施設立地の防止や、適切な土地利用の促進に寄与するものであり、本市にもいても改正法の趣旨に従い、地域の実情を踏まえながら、都市計画法の的確な運用に努めてまいる所存であります。

 次に、県土地利用の調整に関する基本要綱の改正に関するご質問にお答えいたします。

 先般、都市計画法の一部が改正されたところでございますが、県においては、この改正の趣旨を踏まえて、茨城県県土地利用の調整に関する基本要綱の一部について改正が行われたところであり、平成19年1月に施行されることとなっております。

 この中では、市街化調整区域における1万平方メートルを超える大規模集客施設については、地区計画を定めることを知事の承認の要件とされたものであります。

 本市といたしましては、今後、大規模集客施設の立地に関する協議申出があった際には、水戸市第5次総合計画等の諸計画との整合について総合的に判断するとともに、当該要綱の基準に沿って適切に対応してまいりたいと考えております。

 次に、水戸目がモール計画のその後の状況につきましては、現在のところ、茨城県県土地利用の調整に関する基本要綱に基づく新たな開発計画についての具体的な手続きはなされておりません。



E水戸駅南口拠点施設用地の分譲について
 

 次に水戸駅南口開発における拠点施設用地の分譲について質問します。

 場所は水戸駅南口の第2工区でタクシープールと線路の間に位置する約3490平方メートル、1000坪の土地で、文字通り水戸市の玄関口に位置しています。

 この土地は独立行政法人・都市再生機構が買い手を募集していたものです。

 3月13日に募集をしめきり、3社が参加意向を示し、1社が辞退したため2社で入札したとのことであります。譲り受け人は「310特目有限会社」であります。
 
 しかし、都市建設委員会(5月26日)でたずねても、5月22日に結ばれたという契約の譲り受け金額や何が建設されるのかについて、水戸市は把握していませんでした。

 私は水戸市の玄関口をいくらで売るのか、何が作られるのか水戸市が知らないですむのか、と質問し、契約状況や計画書などの詳細について明らかにするよう求めたところです。

 水戸駅南口開発はペデストリアンデッキや都市計画道路など、すでに約140億円もの莫大な税金を投入した公共事業であり、透明性の確保は当然です。

 これまで、ダイワロイヤルホテルの進出の際も、わざわざ記者発表までして事業計画を公表したのと比べても、今回の土地分譲は異常な秘密主義といわざるを得ません。

 水戸市は都市再生機構とともに「水戸駅南口のまちづくり協定書」の運営を行う協議会の事務局を努めています。したがって、この地区で行われる事業について共同の責任をおっております。市の一般競争入札では、参加した会社名と応札金額・落札金額はすべて公表され、入札参加資格も基準が明らかにされています。

 そこで第一に、用地売買の入札の経過について、入札参加業者名と辞退した会社の辞退理由、それぞれの応札金額、を明らかにしていただきます。
 
 土地の最低譲渡価額は8億273万2200円と公表していながら、落札価格は個人情報などといって公表しないことは許されません。

 第二に、どんな資格審査を行い、「310特目有限会社」が譲り受け人となることができたのか、申し込みの資格要件に照らし適正なのか、伺います。

 310特目有限会社の登記簿によれば、資本金はわずか300万円の有限会社です。設立したのは、平成18年3月13日、これはなんと申し込みの締切日でした。

 これでは、2年間の実績高も出せず、決算も出せない、営業年数すら出せません。申し込みギリギリの最終日に設立された会社の審査が、一体どのように行われたのでしょうか。

 都市再生機構が配布した「募集要領」では、申し込みには「最近4年間の貸借対照表、損益計算書」「法人税・固定資産税の納税証明」などの添付を義務づけています。

 また、「競争参加者の資格に関する公示」によれば、公共工事を請け負おうとする業者は、経営事項審査を受けなければなりません。茨城県に確認したところ、同様の審査は少なくとも3ヶ月はかかるとしています。
 
 いったい実績もない310特目有限会社がどうして審査をパスしたのでしょうか。疑問は深まるばかりです。市はこれらの疑問に答える責任があります。答弁願います。

 310特目有限会社の設立時の事務所は水戸市桜川2丁目ですが、ごらんのようなプレハブでした。(写真)
なぜか4月に急きょ、桜川1丁目の都市ビル5階に引っ越しましたが、驚いたことに同社の狭い部屋に3つの会社が同居しております。

 ちなみに、310特目有限会社の社長が監査役を努め、同居している子会社「アセットパートナーズ水戸有限会社」は、加倉井町の常磐道水戸インターわきのホテル建設で、業者側の代理人をしています。これをめぐっては住民がラブホテル建設は反対だとして2000人以上の署名を集め、建設反対の大きな看板も出ています。これがその写真です。(写真)

 会社側は、住民に説明会の開催を約束しながら、一方的に反故にして建設工事を強行し、極めて不誠実な対応で住民の強い怒りを買っていることを指摘しておきます。

答弁(市長)
 次に、水戸駅南口の拠点施設用地につきましては、土地区画整理事業による整備が進んできたことから、都市再生機構において駅前広場北側に位置する約3,500平方メートルの拠点施設用地の分譲が行われたところであります。

 本年2月から公募による事業者募集を行ったけった、310特目有限会社が選定され、5月22日に土地譲渡の契約に至ったことろであります。事業者の募集については、応募者に施設計画、資金計画等の資料提出を求め審査が行われております。

 310特目有限会社は、計画地における事業の実施を目的として本年3月に設立された特別目的会社であり、都市再生機構における資格審査の条件を満たし、譲受人として選定されたものであります。なお、契約額および入札の経過については公表されておりません。

 事業者の募集に当たっては、水戸市といたしましても、交流・情報・商業・業務機能等を備えた施設が形成されるよう強く要望してきたところであり、都市再生機構の応募要件に反映され事業者の選定が行われたものと考えております。

 310特目有限会社による事業計画では、商業施設のほか、マンション、駐車場等の整備が計画されているところであり、現在、事業の実施に向けて施設計画の検討が進められているところであります。

 計画地における施設建設については、駅前広場に面し、市民にとっても特に影響の大きい場所に立地することから、建築計画の内容について、都市再生機構および事業者と充分調整し、駅前にふさわしい魅力ある都市空間の形成が図られるよう、今後とも適切に対応してまいります。

 

F 教育行政 教育基本法改定に反対し、現行基本法の理念にもとづく教育の実現を


 次に教育行政について、教育基本法の改定に反対し、現行基本法の理念にもとづく教育の実現を求めて質問いたします。

 憲法と一体に制定された教育基本法は、「教育の憲法」といわれ、日本の引き起こした侵略戦争による痛ましい犠牲をつくったことへの痛苦の反省に立ってつくられました。
 
 政府与党は、教育基本法の改定案を通常国会に提出しましたが、改悪反対の声、慎重に審議すべきとの世論が大きくなり、継続審議となっています。

 改定派は、非行や少年犯罪、耐震偽装やライブドア事件まで、社会のありとあらゆる問題を教育のせいにして、だから教育基本法改定だと主張してきましたが、これほど無責任なことはありません。問題は教育基本法にあるのではなく、基本法の理念を棚上げにした政治にこそ原因があります。

 先の国会審議の中でも、教育基本法改定案の重大な問題点がうきぼりになりました。

 第一に、教育の目標に「国を愛する態度」など20項目をあげ、強制することによって、憲法で保障された、内心の自由を侵すことです。

 第二に、教育内容への国家権力の介入に歯止めをかけた第10条を変えて、国による無制限な「介入」に道を開くことです。

 現在の教育基本法は、戦後の民主教育・平和教育をすすめ、どの子にも教育の機会を均等に与えるという国の義務を果たすうえで、世界にも先駆的な大きな役割を果たしてきました。

 その理念がこれまでの教育、水戸市における教育にどのように生かされてきたか、また、現在も生かされているのかお聞きします。

 競争・管理教育ではなく、現行基本法の理念に基づく教育が必要とされており、政府がすすめる教育基本法改悪に反対するよう求めますが、見解を伺います。

(2)教育環境の整備・拡充について

 最後に、教育環境の整備・拡充を求めておたずねします。私達はこれまで、少人数学級の実現や軽度発達障害児に対する教員の加配、学校図書館司書や給食調理員・栄養士の十分な配置等を求めてきましたが、現状と今後の課題について答弁を求めます。

 また、施設面では校舎の耐震化がどこまで進んでいるのか、現時点での耐震化率を明らかにするとともに、耐震調査および耐震化工事の早期実施に向けた市の見解を伺います。

 以上で1回目の質問を終わりますが、答弁によっては再質問いたします。

答弁(教育長)

 田中議員の代表質問のうち、教育行政についてお答えします。

 「人格の完成」「国家および社会の有為な形成者の育成」を教育理念の骨格とする現行の教育基本法でありますが、水戸市においては、生命・人権尊重の精神を基盤とし、「知性にとみ、心身ともに健全で、風格をそなえた人間(水戸人)の形成」を目標に、子どもたちの創造力の育成や基礎・基本の徹底を重点に教育を推進しながら、教育基本法の教育方針の具体化を図っております。

 しかし、近年、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下などの問題が指摘され、将来に向かって新しい時代の教育の基本理念を再考することも必要であると言われております。その意味で、教育基本法改正案に盛り込まれている「公共の精神や伝統と文化を尊重すること」や。「豊かな情操と道徳心を養うこと」などの理念は大切なことであると認識しております。

 教育基本法の改正については、我が国の教育の根幹に関わる問題でもありますので、新しい時代に即した法律となるよう十分に論議が尽くされることを期待し、今後の推移を注視してまいりたいと考えます。

 次に、教育環境の整備・拡充ですが、人的配置については、県の定数加配措置に則り、少人数・通級指導・教育相談・生徒指導・不登校解消・小1、2弾力化措置等、多くの場面で加配措置が行われています。また、市独自に38名の英語指導助手を採用し、英語・英会話教育の充実に先進的に努めております。さらに、人的拡充を図る方策として、学校図書館ボランティアや外部人材活用等、保護者や地域の人々の協力を得たり、学生ボランティア等、茨城大学や常磐大学との連携を深めたり、今後とも工夫を重ねていきたいと考えております。

 また、施設の耐震化についてですが、水戸市の校舎および体育館の耐震化率は、平成17年度末で55.6%となっております。これに対し、県平均および全国平均はそれぞれ44.0%、54.7%ですので、県や国の耐震化率を上回っている状況となっております。

 今後は、水戸市第5次総合計画に基づいた施設整備により、耐震化率の向上を目指してまいります。

 
田中議員の再質問


それぞれ答弁いただきましたが、水戸駅南口開発用地分譲問題について再質問します。落札金額については「公表されていない」というだけの答弁でしたが、到底納得できません。

私は水戸駅南口の用地分譲に関わる都市再生機構の「募集案内書」と「添付資料」を入手しました。

その資料を検討した結果、やはり、譲渡価格は公表する義務があります。
第一に、都市再生機構が業者に配布した「募集案内書」は「入札結果につきましては次のとおり公表することとします。」と規定され、事前に公表を義務付けています。これが募集案内書です。

第二に、都市再生機構は、公表するために、入札参加業者から同意書を取っております。これがその「公表同意書」です。

再生機構は公表すると明記して入札を行い、業者は公表に同意している、それなのになぜ水戸市は公表を阻むのでしょうか。
市長はこの実態をご存知でしたか。
知らなかったとすればあまりにもお粗末、すぐ態度を改めて公表すべきです。
もし、知っていたとすれば、何か隠さなければならない事情があったのでしょうか。
いずれにしても、約140億円という莫大な税金を投入している公共事業である以上、水戸市は公表を待つのではなく、むしろ都市再生機構を追及する立場にたつべきではありませんか。

再度、答弁を求めまして私の質問を終わります。


<< 戻る

〒310-0836 水戸市元吉田町2291-28
TEL&FAX:029-247-3714
Copyright(c)2007,MASAKI TANAKA
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。