MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2008年9月議会一般質問 2008.9.11

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。2008年9月議会にあたり一般質問いたします。
1.介護保険について 
はじめに介護保険のうち、要支援のサービスと介護認定について質問します。2006年の制度改悪で、介護度が要介護1以上なら一定のサービスが受けられるものの、比較的軽い要支援1と要支援2ではサービス量が減り、ホームヘルパーに食事と掃除を依頼していた方が、食事だけに変更する例が生まれました。本人や家族が望む介護を十分受けられないこうした仕組みの改善が急務です。
その上で、現場のケアマネージャーから水戸市個別の問題として指摘されているのは、本来申請から1ヶ月で結果が出るべき介護認定が遅れることが理由で、要介護か要支援かどちらになるかわからず、ケアマネージャーがプランを組めない。しかしサービスを提供しないわけにもいかず、要支援になった場合に備えて、月初めのサービスを少なめに制限し、十分提供できないケースが生まれております。早急に改善すべきですが見解を伺います。
次に、同居家族がいる場合は訪問介護サービスが原則使えないとする問題ですが、これ自体が介護の社会化に反する改悪です。実施後全国で問題が噴出したため、厚生労働省は一律にサービス提供を規制するものではないと通知を繰り返し出しており、最近でも8月25日、同居家族が「障害や疾病、その他やむを得ない事情で家事が困難な場合は可能」との事務連絡の徹底を自治体に求めています。同居家族が障害や病気を持っていたり、仕事が不規則勤務などで家事が困難な場合は利用できます。しかし、同居家族がいる場合は最初から無理と考える人や、家族が病気や仕事が不規則になった場合などをケアマネージャーが把握して申請しなければ利用できません。本来は利用できるのに利用できていない人が相当いると指摘されており、市はどのように対応しているか答弁願います。
今年度は第4期介護保険事業計画をつくる年です。特に地域包括支援センターが担っている特定高齢者の把握事業や新予防給付、地域支援事業も見込みどおり進んでおりませんが、次期計画ではどう改善する考えかお答え願います。
計画策定にあたって、第1に利用者・高齢者の生活実態や要求を踏まえた計画とすること、第2に、特養待機者・サービス利用者・認定後未利用者の実態を調査し、具体的に改善を進める計画とすること、第3に必要な療養病床の存続整備をはかることを求めます。昨年度の介護保険会計は2億7300万円の黒字であり、基金は1億7000万円あります。介護保険料は値上げすべきでないと考えますがいかがでしょうか。 

2.霞ヶ浦導水事業について
次に霞ヶ浦導水事業についてですが、9月10日、那珂川取水口建設差し止めを求める4万人余りの署名が水戸地裁に提出され、合計7万708人となり反対運動は大きく広がっています。9月6日、漁協が設置した専門家による影響評価委員会のシンポジウムが開かれ、私も参加しました。科学的な見地からいかに霞ヶ浦導水事業がひどい事業か、あらゆる角度から証明され、改めて那珂川取水口をつくらせてはならないとの思いを強くしたのであります。
霞ヶ浦から那珂川への「送水回避」について
そこでこの問題の第一に、霞ヶ浦から那珂川への「送水回避」について質問します。国交省は7月24日から開いた潮来市など霞ヶ浦周辺自治体の住民説明会で、霞ヶ浦から那珂川に送水する場合のリスクとして、微生物レベルのもの、ウイルス、細かい浮遊物などはろ過できない、として「流域における渇水調整等により、霞ヶ浦からの送水を回避することも選択肢」と説明しました。霞ヶ浦の水質がいかにひどいかの証明です。同時にこれは事業の根幹にかかわる重大な変更です。那珂川の渇水時に霞ヶ浦から送水することで流況調整して、安定水利権を確保するという霞ヶ浦導水事業の第一の目的が大本から崩れたものですが、市の見解はいかがか、答弁を願います。
桜川・千波湖への導水について 
次に、霞ヶ浦導水事業では桜川・千波湖に毎秒最大3トンの導水をすると市長は繰り返し説明していますが、国や県・市との間にとりきめがあるのか。また、年平均でどれくらいの量が導水され、市の負担金は毎年どれくらいになるか明らかにしてください。
この問題でも国と市の言い分はずれています。今年4月10日、国交省が開いた第2回迷入防止検討委員会で霞ヶ浦導水工事事務所長は「那珂川からの取水は最大で毎秒15トンであり、桜川への3トンは、霞ヶ浦に15トン送らなくてもいいようなときに、場合によっては3トン送るという位置づけである」と説明しているのです。市は、毎日365日、毎秒3トンが桜川・千波湖に導水されるかのように宣伝してきましたが、事実はまったく違います。
国交省は、「霞ヶ浦導水で那珂川から年3.3億トンを霞ヶ浦に導水、利根川からの導水と合わせ年6億トンを導水して、霞ヶ浦の水は現在の年2回から3回入れ替わりができ、水質浄化が図れます。」としています。この国交省の計画を満たすためには、那珂川からの取水最大量=毎秒15トンを一秒も休むことなく254日間取水が必要であり、那珂川の流量から見てこれ自身が不可能です。
つまり霞ヶ浦への導水が主目的であり、桜川への導水はあくまで従、二の次、「霞ヶ浦に15トン送らなくてもいいような時に、場合によっては3トン送るというような位置づけ」であるなら桜川への導水は何の保障もないことになりますが、市の見解はいかがでしょうか。霞ヶ浦導水が完成すれば、桜川も千波湖も霞ヶ浦もすべて導水できて浄化されると宣伝すること自体、那珂川の取水可能な量からいってもまったくのまやかしです。
桜川・千波湖の浄化について
次に加藤市長は「桜川・千波湖を那珂川の水の導水によってきれいにする」と主張しながら、なぜ渡里用水を利用した導水予算を一貫して減らし続け、導水量を毎年減らしてきたのか、その理由を答弁願います。さらに、過去の導水量のピーク時と昨年度における予算額と年間導水量、今年度は過去最低の予算(2366万8000円)ですが、一体何日分の予算なのかお答え下さい。
私が重大だと考えていることは、国も県も市も、今ある施設を最大限活用することもなく、霞ヶ浦導水しかないとの宣伝をくりかえしていることです。
渡里用水のポンプの最大能力は桜川に毎秒1.4トン、日量7万5600トン、年間2760万トンが導水できますが、過去20年の年間平均は850万トンで、能力の3割にすぎません。農業用水の制約があると市はすぐに言いますが実態は違います。アオコの発生する夏場7月から8月の導水量は年度ごとにまちまちで、ただ予算の範囲内で導水しているのが実態で、計画的に実施しているとは言い難い状況です。
国・県・市が一体となってつくった、『桜川清流ルネサンスU』では、平成27年度までに千波湖の水質目標をCOD8.0r/ℓ以下にするとしています。そのために必要な条件は89年度=平成元年度の実績導水量1355万トンだとしています。つまり、「平成元年当時に渡里用水を使って導水した量1355万トンを入れれば、千波湖の水質目標は達成できる」のですから、当面、那珂川からの導水を続けるとしても、渡里用水での導水を増やせば済むことで、霞ヶ浦導水の那珂川取水口の建設は必要ありません。見解を伺います。
桜川・千波湖の水生植物の活用など自然を生かした浄化策の実施について
次に、桜川・千波湖の水生植物の活用など自然を生かした浄化策の実施を求めます。千波湖にはかつてハスや葦などの植物がありましたが、過去に撤去され、湖岸の多くが木の杭で仕切られ、水辺の植物はほとんど見られません。水生植物があれば、動物や昆虫が住み、野鳥が食べて浄化に役立つわけで、渡り鳥が多く飛来するような湖にすべきです。桜川をみても、見川クリーンセンターの下流はコンクリート製の大きなU字溝を流れ千波湖への流入口につながっています。好文橋の上下流の地点では立派な護岸工事がされた中をストレートに川が流れており、自然の浄化作用を生かした対策は皆無で、むしろ自然が浄化できる環境を奪っています。国交省みずから自然に近い河川工事を提唱し、「多自然型川づくり」の実施を求めています。好文橋上流は東側に広い余裕スペースがあり、川だまりや水生植物を経由させ浄化することは十分可能です。
自然が浄化する力を奪っておいて、汚いから導水というのは本末転倒です。今こそ土木工事優先の発想を転換し、桜川や千波湖の環境に合わせ、自然の浄化能力を高める対策を実施すべきです。積極的な答弁を求めます。
地下水・湧き水などの流入増加策について
また、これまでの実績では、那珂川からの導水量が減り、桜川の自流水のみの導水量が増えてきたわけですが、それにも関わらず、水質は横ばいということは、桜川自体の水質が改善してきた証であります。
私はこれを今後も推進すべきであり、桜川の浄化は、公共下水道の普及を基本にすえながら、千波湖への導水も桜川の自流水で解決できる対策をとるべきと考えます。桜川沿いの湧き水や地下水の井戸を掘るなどして桜川や千波湖への流入を増やす対策を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

3.地域コミュニティと市民センター・公民館の役割について
次に、地域コミュニティと市民センター・公民館の役割について質問します。
水戸市は98年に「水戸市コミュニティ推進計画」を作成し、公民館を拠点にさまざまな地域コミュニティの活動支援に取り組んできましたが、現在、計画の改定作業に着手していると聞いております。
第一に、公民館を市民センターに一元化する計画とのことですが、生涯学習活動の位置づけと市の責任はどうなるのか。後退しないのか。どのように生涯学習活動を確保し充実する考えかお答え願います。
各学区の公民館では各種講座やサークルが大変活発に取り組まれ、利用者数は10年間で72万人から89万人に増え施設が飽和状態のところが少なくありません。市の公民館設置基準は、地区人口5000人以上は延床面積約800平米以上との規定しかなく、5000人でも3万人でも同じ基準で、結局施設の許容範囲内での活動にとどまらざるをえないわけで、より広い基準をつくって条件整備しなければ、益々活発化する生涯学習活動を発展させる保障はないと思います。また、市が地域ごとの実情を現場で把握して、講座や教室・クラブを調整する役割を果たすことも重要です。地区会の部屋確保の計画もあるようですが、これも施設の拡充なくして進まないと考えますがいかがでしょうか。
次に、管理運営を地区会に移行する計画とのことですが、地域活動の担い手不足や高齢化、町内会加入や行事参加率の低下など課題は山積しており、市の現状認識はどうかお答えください。市民センターの管理運営には系統性・一貫性が求められます。利用許可の公平性の確保や現金管理、住民票の発行をはじめとする手続きには守秘義務も伴います。責任範囲が広範であり無理があると考えます。重い責任が加わることで、「ますます地域の役員のなり手がいなくなるのが心配」との声もありますがいかがでしょうか。
また、手をあげた地域に支援するという「手上げ方式」を検討されているとのことですが、手をあげられぬ地域と格差を生じるのではないかとの声も出ています。今必要なことは、どう地域コミュニティを発展させるか、市民センター長などが中心になって悩みを共有し、知恵を出し合うきめ細かな支援ではないでしょうか。このままでは、市の人件費削減が目的なのではないかと言われても仕方がありません。性急にことを進めず、今後の地域コミュニティのあり方について幅広い市民の間で意見交換を行うことが必要であり、新しい計画作成にあたって、一部の議論のみでパブリックコメントをへて決定ではなく、地域ごとの議論の積み上げを行うよう求めますが、見解を伺います。

4.市役所駐車場の有料化は撤回を
最後に、市役所駐車場の有料化の撤回を求めて質問します。9月1日から機械化され実施された有料化で大変な混乱が起きており、市民の不満・苦情が多く寄せられていると思いますが、実情を答弁願います。今年3月議会に条例が提案されたとき、共産党は反対しました。もともと足りない駐車スペースを増やしもせずに、融通のきかない機械を導入し、有料化したことに無理があります。379台を超えるとバーが上がらず、誰かが出るまで路上で待ち続けるしかありません。私が話を聞いた方は、市民会館でイベントがあったために入れず「100メートルしか離れていないローソンから1時間かかった」と怒り心頭でした。駐車スペースが余っていてもバーが上がらないということも何度も起きており、怒りの火に油をそそぐ状況になっています。駐車場への入車・出車にも、守衛の方の手渡しより時間がかかり、周辺道路の渋滞を引き起こしています。こんなことは公共機関として許されるのでしょうか。
しかも今回の施設整備によって、前より17台分(396台から379台)、混雑時に枠外に止めていた分も含めると駐車スペースを約40台分減らしたのであります。市民会館の大ホールは1004席あり、駐車場379台ではもともと無理で、すぐに飽和状態になることはわかりきったことでした。
やっと入れても、駐車券は用務先と総合案内の2箇所で押印が必要で、普通は1回で済むので理解されず、市役所に来たのに結局駐車料金を払って帰る市民が続出しています。忙しい時間の合間をぬって市役所に来ている市民に対する大変なサービス低下であり、機械での管理と有料化はやめて、ただちにもとに戻すことを求めるものです。
以上で第1回の質問を終わります。答弁によりましては再質問いたします。

再質問 
それぞれ答弁いただきましたが再質問いたします。
霞ヶ浦導水事業について、答弁では「霞ヶ浦から導水する場合は利水関係者の合意をえて実施する」ということですが、今回、私が聞いたのはその逆です。
国は「霞ヶ浦から送水を回避する」と言い出しているけれども、安定水利権の根拠が崩れたと思うがどうか、ということです。
送水回避するということは、漁業者が懸念してきた魚類や生態系に重大な影響を及ぼす危険を国交省みずから明らかにした点が重要です。
同時に、那珂川が渇水期に霞ヶ浦から水をもってくるから安定水利権が確保されると繰り返し市は説明してきたわけで、送水回避ということはそうはならない、ということです。送水回避すると国は言っているが、この点について市はどう考えているか明快にお答え願います。
もうひとつ、どれくらい桜川・千波湖に導水するかは「協議調整する」というだけで具体的には何も決まっていないという答弁でした。しかし国は公式の委員会で、今年4月10日に三の丸ホテルで開かれた第2回迷入防止委員会で工事事務所長が「毎秒3トンは15トンを霞ヶ浦に送らなくてもよいときに場合によっては3トン送る」と言っているわけです。市はこの国の見解と同じ立場だと考えていいのか、ということです。国が言うように霞ヶ浦への送水が主で、桜川への導水は従、二の次という位置づけは市も同じ考えだと理解してよろしいのか、再度答弁願います。

次に、渡里用水を使った導水についてですが、まず、ルネサンスUでは「平成元年の実績導水量で千波湖の水質目標を達成」させる、できるといっていることを市は認識しているのか、その事実について確認したいので答弁願います。
その上で先ほどの答弁でも過去最大量を導水した年が平成元年とありました。たしかに平成元年が過去最大量ですが、渡里の最大能力をフル回転して入れたというわけではありません。渡里の年間最大能力は2760万トンですが、平成元年は1355万tで最大能力の5割です。過去20年の平均は最大能力の3割ですから、3割から5割に増やせばよいということです。市は渡里用水はあくまで暫定だというかもしれません。それは霞ヶ浦導水をやるから暫定だという位置づけになっているにすぎず、暫定だから能力がないということではありません。那珂川からの導水という行為は同じで、違うのはルートだけですから、那珂川の水を導水したいなら今の渡里用水を使っていればいいと思います。
そして将来は桜川の自流水で解決をめざすべきだし、そのための地下水わき水の流入増、水生植物の再生にとりくむべきです。市の見解を再度お伺いし私の再質問を終わります。

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