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2009年12月議会 一般質問(09.12.10)
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日本共産党の田中まさきです。通告に従い一般質問を行います。
1.水道行政
(1)基本水量・基本料金の引き下げについて
はじめに、水道行政について質問します。第一は、昨年度の一般家庭の使用水量の実績は1か月10㎥以下が、全体の4割にものぼっており、一か月10㎥まで一律の基本料金、基本水量を引き下げることです。一人ぐらしの高齢者や単身者は10㎥も使わない方が増えています。ある80代の一人暮らし男性は、1か月で2.5㎥から4㎥ですが、請求額はずっと同じ、下水道料金とあわせ2か月で3763円で「生活をきりつめているのに納得いかない」と話していました。下水道料金の値上げもあり、負担感が増しています。何より全く使用しない0㎥でも10㎥でも料金が同じというのは公平さに欠け、蛇口やトイレ・洗濯機など節水機器も普及し節水意識も広がる中、実態にあっていません。国分寺市は平成17年から基本水量を1カ月10㎥から5㎥とし、千葉県我孫子市は、来年4月から同様に引き下げ基本料金を3割値下げします。水戸市の基本水量以下の利用者の利用水量の1か月平均は5㎥であり、引き下げを求めます。
(2)水道料金の取り立て強化・給水停止の問題について
次に、水道料金の取り立て強化・給水停止の問題です。11月10日の産業水道委員会で発表された「水道料金業務の改善策」では、給水停止の基準をこれまでより厳しくし、未納者は少額でも給水停止するとしています。これまで3回以上かつ1万円以上の滞納から金額に関わらず3回以上の滞納者に停止予告する計画です。一旦給水停止した場合は現地で集金せず、未納者が窓口で支払いをしない限り開栓せず、少額分納は認めないなどとしています。水戸市における昨年度の給水停止予告は8636件、停水執行は1298件で、5年前の2倍です。生活保護世帯や暮らしが困難な人が激増し、公共料金の支払い困難な家庭が増えており、さらに厳しい基準にすれば、給水停止家庭が倍増し、滞納の実情を十分把握しないまま、給水停止すれば、命に関わる事態が生まれることが懸念されます。
兵庫県宝塚市では、生活保護世帯の基本水量以内は免除し無料、さいたま市・立川市・国立市・国分寺市など多くの自治体は水道と下水道の基本料金を免除しています。こういう対策こそ行うべきであり、生活保護世帯をはじめ生活困窮世帯に対する給水停止や少額提訴は行うべきではないと考えますが答弁願います。
答弁者 相田水道部長 水道行政について
田中議員の一般質問のうち,水道行政についてお答えいたします。はじめに,基本水量・基本料金の引き下げについてでございますが,水戸市においては,水道の普及を促進し,生活用水として一定量の清浄な水の使用を促すことによって公衆衛生の向上を図るとともに,その部分に係る料金を低廉に抑えるという政策的配慮から,基本水量制を導入しております。全国的に公衆衛生の向上と生活環境の改善など,基本水量制の目的はほぼ達成している状況にあり,また,核家族化の進展や節水意識の浸透,景気の低迷などから,料金体系の見直しが進められているところであります。水戸市に於いても,今後,近代水道創設期に建設した老朽施設の更新や耐震化など,中長期的な計画を踏まえた財源を確保する必要もあることから,基本水量制も含め,総合的な料金体系の見直を検討してまいりたいと考えております。
次に,水道料金の取り立て強化・給水停止の問題についてでありますが,市民生活にとって不可欠な水道事業の健全経営を維持するうえでは,何よりも財源の確保が最重要課題であることから,本年11 月に水道料金の収納率向上対策として水道料金業務の改善策を作成し,産業水道委員会に報告をしたところであり,滞納整理の改善策につきましては,滞納者に対して,できるだけ早期に少ない滞納額の段階で給水停止を行うことを基本としているところであります。議員ご指摘の生活保護世帯に対する滞納整理については,標準モデルケースの一例であります,母子3人世帯では,光熱水費も含め生活扶助費など,毎月約 20万円を支給していますので,水戸市の生活保護世帯の約 2,600 世帯のほとんどが,水道料金を遅滞なく納めていただいているところであり,納付相談による分割納入世帯は,約 30世帯ほどでございます。従いまして,生活保護受給者など低所得者に対しましては,今後とも引き続き,生活実態を十分把握し,適切な納入相談を行ってまいります。なお,少額提訴などの法的措置につきましては,誓約書を何度も無視するなど,特に悪質な滞納者のうち,給水停止の措置が困難な場合に実施するものでございます。
2.学校トイレの改善
(1)老朽トイレ改修、男女兼用の解消、屋外トイレ整備
次に学校トイレの改善について、現在、トイレを明るく快適な空間にすることは、学校生活の上で重要という観点で、改修に関する補助を活用して改善する自治体が増えています。私は先日、市内のいくつかの小中学校を見学し、新荘小学校や第二中学校など新築校舎と、築30年以上の校舎では大きな格差を実感しました。老朽化した学校トイレはいわゆる5K(臭い、汚い、暗い、怖い、壊れている)のトイレで、できるだけ行きたくないところであり、ある学校の児童は「トイレの掃除当番がいやだ」と言っていました。トイレに行きたくても我慢している子もいると思います。例えば吉田小学校は、全学年で高齢者との交流事業がありますが、ほとんど和式で膝を曲げるのがつらく洋式化の要望があり、個室スペースも狭く、ドアの破損、使用禁止の張り紙のところもあり、早急な改善を求めるものです。
現在ほとんどの家庭が洋式トイレのため、和式では上手に用を足せないという児童も増えています。老朽化した学校はすみやかに改修すること、和式の洋式化、床は水洗いのタイルからドライ式に切り替え、節水機器など交換を求めます。
特に、男女兼用の吉田小・三の丸小・梅ヶ丘小の体育館のトイレは早期に男女別トイレの整備を求めます。共産党のアンケートで三の丸小学校の保護者から「いまどき男女兼用とは信じられない」という声が寄せられました。屋外トイレも運動会やお祭りなど、地域住民が利用するたびに長蛇の列となる学校もあり、便器を増やし大人にも配慮した整備を求めます。
(2)設計の改善―子どもの意見の採用、改修可能な設計 災害時の配慮
市内小中学校を見学して感じたことは、設計段階での改善が必要ということです。
第一は、子どもの意見を設計に取り入れることです。葛飾区では、高学年の子ども達にデザインやレイアウトの希望を聞くワークショップを年8回開催し、設計士も参加し、明るい色彩の壁や床を採用し、プライバシーに配慮して高い間仕切りとし、全身鏡やベンチ、荷物置き場を設置した結果、自然に「きれいに使おう」という意識が芽生え、学校で一番行きたくなかった場所が、自慢できる場所に変わっています。また、学校本体の耐用年数が60年に対し、トイレなど設備関係は15年です。大規模改造や改築時しか改修しなければ、新しい学校もいずれ老朽化したトイレで我慢させることになります。そこで、配管スペースの確保などトイレ改修を見越した設計にすれば、コスト面でも有効と考えます。さらに、川崎市はるひ野小・中学校では、断水時にプールに蓄えられた水がトイレに利用でき、マンホールのふたを外せば仮設トイレを接続できます。災害時を想定して整備してはどうか見解を伺います。
答弁者 内田教育次長 学校トイレの改善について
田中議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。まず,老朽化した学校トイレの改修につきましては,大規模改造の際に学校の意見を取り入れながらよりよい施設環境となるよう整備を行なっております。また,緊急性の高いものについては,順次,補修,修繕に努めております。
体育館の男女兼用トイレの早期解消,大人にも配慮した屋外トイレの整備につきましては,スポーツレクリエーションの普及,奨励のための夜間開放や地域で開催される行事の活動場所として,広く市民の方々に利用されておりますので,地域の方々が利用しやすいトイレの整備を進めてまいります。
次に,トイレ改修の設計に子どもたちの意見を取り入れてはとの御提案でございますが,これまでも,校舎改築計画の中で子どもたちのアイディアを一部取り入れる試みを実施していることから,今後は,トイレにつきましても,児童・生徒参加による学校づくりとして,明るく快適な空間になるようつとめてまいります。さらに,将来の改修のしやすさを考慮した配管や災害等により断水した場合でもトイレが利用できる装置などにつきましても,他市の状況を参考にしながら検討してまいります。
3.子育て支援 新たな子育て支援・多世代交流施設について
基本設計とスケジュール/本町商店街との連携/裡1丁目児童公園の改修
次に新たな子育て支援・多世代交流施設の計画について質問します。11月10日の文教福祉委員会で、本町1丁目の県営アパート跡地に、新たな子育て支援施設を建設する方針が発表され、今議会に687万円の補正予算が組まれていますが、基本設計と施設計画、完成までのスケジュールをお答え願います。
これまで本町商店街振興組合からは、公営住宅の再建を基本としながら、提案が繰り返し出された経過があります。商店街などが利用できる多目的室や、市民団体の作品展示や情報発信スペースなどの要望が出されています。私達のアンケートにも同様の声がよせられました。毎月1日に行われている「いちの日」や、参加者が路上まであふれる「童謡の会」、柳堤荘の高齢者との交流など、本町の独自性を生かしたセンター運営の方向性、商店街との連携策について見解を伺います。
また、駐車場確保が不可欠であり、南側に隣接する裡1丁目児童公園は、木がうっそうとしていて暗く、遊具も老朽化しており、乳幼児が遊べる遊具や砂場の整備、樹木の剪定などの改修を求めます。
答弁者 清水保健福祉部長 新たな子育て支援・多世代交流施設の建設について
田中議員の一般質問のうち,- 新たな子育て支援・多世代交流施設についてお答えいたします。はじめに,新たな子育て支援・多世代交流施設につきましては,「わんば一く・みと」に集中しているサ-ビス等の分散を図り,利用者の増大による量的市民ニーズに対応するとともに,「わんぱーく・みと」との連携により,ネットワーク化を図る交流拠点施設として整備を行うものでございます。子どもが安全に過ごすことができ,保護者同士の情報交換や育児相談,子どもの一時預かりの機能に加え,高齢者の方が気軽に立ち寄り,豊かな経験や知識を若い世代や子ども達に伝えるなど,高齢者の生きがいづくりの場となる機能も備えた施設としてまいりたいと考えております。整備までのスケジュールといたしましては,今年度に基本設計を実施し, 2 2年度に実施設計と用地取得,本体工事等に着手し, 2 3年度早期の完成を目指すものであります。
次に,地元商店街などとの連携策についてでございますが,まちの活性化やにぎわいの創出といった視点からも,地域や商店街との連携を図ってまいりたいと考えております。
駐車場につきましては,市営本町駐車場の活用を含め,駐車スペースの確保を検討してまいりたいと考えております。
次に,隣接する裡1丁目児童公園についてでございますが,この公園は,下市土地区画整備事業により整備された街区公園であり,今回新たに整備される子育て支援・多世代交流施設と公園との一体的な整備につきましては,本来の街区公園の目的との整合性を図るとともに,公園利用が図れるよう検討してまいります。
4.通学路の安全対策について
ア 県道長岡水戸線の安全対策
次に通学路の安全対策ですが、第一に県道長岡水戸線は、吉田小学校の通学路ですが歩道幅が狭いうえ、上下の段差が激しく、歩きづらく危険です。12月2日には学校前で児童と車の接触事故も起き、救急車で運ばれ幸い軽傷ですみましたが、安全対策が強く求められています。そこで、歩行者の安全対策として、車道より一段高い歩道の形状は解消して、車道と歩道の境に縁石を置き、安全柵を設置することす。歩道は側溝を兼ねていますが、雨水の排水も十分できず県道が川のようになることもあり、側溝は車道の端に整備しなおす必要があると考えます。昨年の私達の予算要望に対して市は「段差解消には民地とのすりあわせが課題だ」との回答でしたが、それならば塀や出入り口の改修が必要な箇所は補償もして安全な道路にすべきと考えますがいかがでしょうか。
イ 都市計画道路3・3・2号線(酒門工区)の早期整備
2番目は、都市計画道路3・3・2号線(酒門工区)の早期整備です。百樹園前から酒門6差路までの道路は酒門小や吉田小の通学路ですが、道路幅がせまく大変危険です。67歳の男性から歩く時「命がけの通行になっています」と声が寄せられました。しかも、3・3・2号線の千波工区、さくら通り千波小わきから荒谷一本松北交差点の間が年度内に完成すれば、一層交通量が増えることが見込まれますが、酒門工区は用地買収さえ始まっていません。県は無駄な茨城空港などに税金を使わず、こういう路線を急ぐべきです。一体いつ着手し、完成予定なのか、明らかにしていただきたいと思います。
ウ 渡里小南側・幹線市道31号線の安全対策
三番目は、渡里小の南側・幹線市道31号線ですが、歩道幅が80センチと狭く、登下校時に子どもが車道にはみ出しながら歩いています。元の渡里保育所があった場所が現在は駐車場になっており、そのセットバックなど、児童の待機場所の設置、歩道拡幅が要望されていますが見解を伺います。
答弁者 鈴木建設部長 通学路の安全対策について
田中議員の一般質問のうち,道路行政についてお答えいたします。まず,県道長岡水戸線の安全対策についてお答えいたします。本路線は吉田小学校の通学児童が多く利用しており,安全性の向上を図る必要があると認識しております。しかしながら,現道において歩道を設けるには,沿道の建物が歩道の高さに合わせて建ち並んでおり,拡幅に必要な用地の取得が困難であることや,段差解消で生じる民地とのすりつけなど多くの課題もあります。このようなことから,今後の対応策について道路管理者である茨城県と協議,検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,都市計画道路3・3・2号線の早期整備についてお答えいたします。 都市計画道路3・3・2号線は,水戸・勝田都市圏における交通の円滑化と広域的な都市機能を連携する「水戸・勝田環状道路」の一部として,茨城県と水戸市において相互に協力しながら整備を進めております。ご質問の県道下入野水戸線から国道6号までの酒門工区については,茨城県が整備を行う事となっており,現在事業中の千波工区が完了次第,事業に着手する予定と伺っております。
次に、渡里小学校南側・幹線市道31号線の安全対策こついてお答えいたします。当該路線の歩道は幅員が狭いため,信号待ちをする通学児童の安全が確保できず,改善の必要があると認識しております。議員ご提言の,渡里小学校敷地への歩道設置につきましては,今後,敷地の管理者である教育委員会をはじめとした関係機関と協議・検討してまいりたいと考えております。
5.河川排水行政 50号バイパス周辺のおか水対策について
ア 石川川,逆川への排水対策の進捗と完成見込について
最後に、50号バイパス周辺のおか水対策について質問します。
元吉田地区では都市化の進展に対策が追いつかず、いったん雨が降ると冠水する地域がまだまだ残されています。11月11日、元吉田セイブ近くの一里塚三叉路の北側では、下校時に降った雨で道路が冠水し、小学生が腰まで水につかりながら下校しました。「梅雨や台風の時期でもないのに1時間半にわたり冠水が続いた。親も子どもも水浸し。なんとかしてほしい」という声が上がっています。同じ日に50号バイパスに隣接する南側の場所では、道路よりも低く「バイパスから滝のように流れ落ち、車は通行できなかった」という声が出されています。一日も早くこうした浸水被害をなくすため、排水路をよく調査し至急対策を求めます。市が計画する石川川や逆川の堤防や貯留地の建設や排水区域の切り替えなどの排水対策の進捗状況と、完成見込みをお答え願います。
以上、明快な答弁を求めるものです。
答弁者 鈴木建設部長 50号バイパス周辺のおか水対策について
次に, 5 0号バイパス周辺のおか水対策についてお答えします。近年都市化の進展に伴い地下浸透量の減少や想像を超えた豪雨により,冠水被害が各所で発生しております。
ご質問の元吉田町5 0号バイパス周辺のおか水対策でございますが,当該地域は石川川を流末としております。既設排水路は十分な排水能力がないうえ,上流域からの排水も流入していることから,冠水被害が起こる原因と思われます。
このような事から吉田小学校南側地域のおか水対策と致しましては,上流域1 7ヘクタールからの流入量を減少させるべく,平成1 2年度より県道長岡水戸線を横断し市道吉田 6 8 号線を経由して,逆川へ排水させる幹線工事を進めております。
現在,逆川から県道長岡水戸線まで約1,0 2 0メートルについて整備が完了しており,上流側の排水路の切替えが平成2 2年に完了しますので,流出量が大幅に減少することから,既存排水路の能力不足が改善され,併せておか水による冠水被害が解消されると見込んでいるところでございます。
また,元吉田十文字南側地域のおか水対策と致しましては,上流域約1 0ヘクタールからの流入量を減少させるべく,平成1 8年度より都市計画道路3・3・2号線を幹線として県道長岡水戸線から都市計画道路3・3・1号線を横断して逆川へ排水させる管渠計画として工事を進めております。
現在,逆川から都市計画道路3・3・1号線下流まで約1,0 0 0メートルについて整備が完了しております。
上流側についても計画的に整備を進めており,平成2 4年度を目途に排水路の切替えを行うことから,同様におか水による冠水被害が解消されると見込んでいるところでございます。今後も雨水管の整備については、貯留地の設置を含めて、事業効果を見極めながら年次的に進めてまいります。
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