MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2010年3月議会 一般質問(2010.3.9)

日本共産党の田中真己です。2010年3月定例会にあたり通告に従い一般質問を行います。
1.子育て支援について 
(1)待機児童解消の対策について
 
はじめに子育て支援のうち保育所の待機児童解消を求め質問します。日本共産党が行った市民アンケートに赤塚に住む30代女性から「保育園を9か月も待っています。やむなく那珂市の両親に面倒を見てもらっていますが、両親の体調も悪くこれ以上は頼めません。私が会社を辞めるしかないのでしょうか。保育園をもっとつくってください」という切実な声が寄せられました。アンケートの子育て支援で望む第1位が「保育所増設」60.3%でした。水戸市の実態は、昨年4月現在で140名が保育所に入れず、月を追うごとに増え続け、今年2月には399名で県内でダントツです。
にもかかわらず、この4月時点では定員が全く増えないため、190名(2/17現在187名)の子どもが待機する見込みです。今後3年間で250名の定員を増やすとしていますが、この程度では今後も待機児童は到底解消しないと考えますが市の実情と計画をお答えください。
3カ年実施計画では公立保育所のうち、河和田保育所は2年後の24年度から、白梅保育所は3年後の25年度から20名ずつ定員を増やすと示されましたが、この計画を前倒しすることとあわせ、定員を20名ではなく50名ずつ増やす必要があるのではないでしょうか。
特に白梅保育所は狭あいのため、私は、近隣の土地開発公社の未利用地に移転して定員増、保育環境の向上をはかるよう提案してきましたがどういう計画か、お伺いいたします。
(2)保育所の最低基準について 
次に保育所の最低基準についてです。市内保育所は定員よりすでに405名多く入所して、詰め込み状態で限界を超えています。(2月現在)ある公立保育所では、最低基準ギリギリの床面積の部屋にロッカーやオルガンが置かれており、実際は最低基準を下回った部屋で子ども達が過ごしています。
少なくとも子どもが自由に動ける面積を基準どおり確保すること、改築の際は最低基準を大きく上回るゆとりのある建築とすることが必要ですが答弁願います。
現在政府において、保育施設の最低基準を廃止して地方にゆだねる動きが出ています。待機児童解消の名のもとに、「詰め込み」をひどくするのは逆さまです。国に対し最低基準の廃止ではなく、拡充を求めるべきと考えますが、市の見解はいかがでしょうか。
(3)家庭的保育事業・保育ママ制度について
来年度当初から、多くの子どもが保育所に入れない事態となりますが、親は就労できず生活が脅かされます。待ったなしであり、市が可能なことはすべてやるべきです。
そこで来年度10月から導入しようとしている家庭的保育事業・保育ママ制度ですが、3月4日の朝日新聞には「88時間の講義と保育所での20日間の実習が大変で保育ママのなり手がいるのか」また「預ける親がどれだけいるか」との疑問の声が報道されました。
保育ママの養成方法、保育料、申し込みの仕方などについて、また0歳から2歳児までが対象ですが、3歳以後は保育園への入所が保障されるのかお答えください。
(4)保育所に入れない子どもへの支援について
さらに、保育所に入れない子どもへの支援として、第一に認可外保育施設やそこに預けている親への補助、第二に一時預かり保育を行う場所を増やすこと、第三にシルバー人材センターにあるファミリーサポートセンターの利用料1時間700円の減免などの対策が必要と考えますが、計画をお答えください。
2.開放学級の拡充について〜平日の時間延長・指導員の処遇改善
 次に、開放学級の時間延長と指導員の処遇改善について伺います。小学1・2・3年生を対象に放課後行っている開放学級について、私達のアンケートには「平日は6時までですが、仕事が終わってからのお迎えが間に合わない」「小学4年生以上も対象にしてほしい」などの声が寄せられました。時間延長の要望は年々高まっており、公立保育所と同じく午後7時まで開設すべきではないでしょうか。
時間延長のためにも指導員確保が一番の課題であり、そのためには処遇改善が必要です。そこで第一に来年度、指導員の時給が今の800円から840円に5%アップする計画ですが、厚生労働省は10%アップを新年度の補助金増額の根拠としており、880円にすべきです。
第二に、各開放学級に専任指導員をおき、専任手当を支給すること、第三に、子ども達との遊びを充実し、魅力ある開放学級とするための現在年1回だけの研修を充実するよう求めますが答弁願います。
2.中小業者支援
(1)金融機関による貸しはがし貸し渋りについて

次に、中小業者支援のうち、金融機関による貸しはがし・貸し渋り対策について質問します。
昨年10月の全国商工会連合会の小規模企業調査では、廃業や転業を「検討中」、今後「検討せざるをえない」と答えた企業は3割を超え、その主な原因の一つが銀行の「貸し渋り」「貸しはがし」です。日本政策金融公庫の10月調査でも、中小企業の資金繰りは26カ月連続悪化し、金融機関の貸し出し態度は一昨年から一気に悪化し、今なお厳しい状況が続いているとしています。
先日、市内業者から「市中銀行に毎月返済してきたが急に返済額を高くするよう言われた。無理だというと元金の全額返済をせよ、それができなければ競売手続きに入ると言われた」との訴えがよせられました。不況が続きギリギリの経営で歯を食いしばってがんばっている中小業者が多い中、金融機関が社会的使命を果たすどころか、追い打ちをかけていいのかと思うと同時に、深刻な実態を痛感しました。
昨年11月30日、中小企業金融円滑化法案が国会で成立し、資金繰りに苦しむ中小業者の融資の返済期間延長や金利軽減・借り換えなど、貸付条件の変更が可能となりました。この法律は金融機関に対し、中小企業や個人の要請に応じる義務を課し、他の金融機関や信用保証協会との連携も含め、借り手の申し込みに対しできる限り条件変更を行うことを求めています。
しかし、実態は先に述べたとおり、法の趣旨に反する事態がこの水戸市内でも起きており、市役所が苦境に立つ中小業者の立場で支援して頂きたいと思うのであります。
そこで市内中小業者をめぐる倒産や廃業、さらには貸しはがし・貸し渋りの実態がどうなっているのかお答えください。あわせて必要な実態調査を市がただちに行うことです。そして、市が金融機関に貸しはがし・貸し渋りをやめ資金繰り支援を積極的に行うよう申し入れることを求めます。金融庁は金融機関による貸し渋り・貸しはがしなどを受けた場合の通報、相談の窓口としてインターネットで目安箱を設置していますが、同様の目安箱や相談窓口を水戸市でも設置するよう求めますがいかがでしょうか。
(2)緊急保証制度について
2点目は、中小企業の資金繰りを円滑化する景気対応緊急保証制度が平成20年10月より開始され、その対象業種は、これまで中小企業の約86%と限定されていました。日本共産党は全業種への拡大を繰り返し求め、この2月15日から、原則全業種対応となったものであります。この制度を積極的に活用することを強く求めますが、今までの実績と今後のとりくみについて伺います。
(3)雇用調整助成金について
3点目に、雇用調整助成金は、雇用を継続した企業に対し継続人数に応じ、ハローワークが窓口となって支給しているもので、雇用維持を図る上で有効と考えます。
そこで、この助成金の活用状況について、雇用を継続した企業数と雇用継続人数はどのくらいか伺います。手続きが面倒という声もあり、支給要件の緩和などで適用事業所を増やすなど国に求めてはどうでしょうか、見解をお答えください。
3.農業行政 
(1)戸別所得補償モデル対策について
 
次に、農業行政のうち、コメの戸別所得補償モデル事業について、制度の概要と市のとりくみ状況をお伺いいたします。
3月5日、日本共産党の志位和夫委員長と県内の共産党議員団は、JA茨城県中央会・全農いばらきの成田治彦・参事役ほか6名の役員の皆さんと水戸市梅香のJA本部で約1時間にわたり懇談会を行いました。私達水戸市議団3名も参加し、茨城の農業の実情など大変勉強になりました。その中で、鳩山内閣が打ち出した戸別所得補償について3つの不安が出されました。第一に、全国一律10アール当たり1万5000円を補てんするとしていますが、その根拠であるコメの60キロ当たりの生産費と販売価格の差額1725円の補償額が低すぎることです。志位委員長が日本共産党は価格保障と所得補償を組み合わせ、一俵1万8千円の補償を提案していることを紹介し、JAの方からも共感の声が出されました。
第二に「この制度を悪用して大手業者が生産者への買いたたきを行えば、さらに生産者価格が暴落することが明らかで、規制が必要だ」「最大の不安材料は価格が暴落した場合、基準価格がどんどん下がって戻らなくなることだ」と訴えられました。穴の空いたバケツに水を入れるようなやり方ではいくら税金があっても足りず、制度が破たんする、と指摘されました。
第三に、輸入自由化を進めるFTAと一体では全く意味がなく、JAの秋山総務企画部長は「民主党が農民の味方と言いながらFTAをやるなら裏切り行為ではないか。もしそうなら組織を挙げて反対運動をする」と述べられました。
市としてもこうした農業関係者の当然の声を国に主張すべきであり、補償価格の引き上げ、大手業者の買いたたきの規制と監視強化、FTA中止について求めるべきと考えますが答弁願います。
(2)水田利活用自給力向上事業〜団地化助成金減額の影響について次に、転作作物に対する補助の増額について質問します。国は水田利活用自給力向上事業として、コメ以外の麦、大豆、飼料作物などを作った場合、直接支払いするとしていますが、取り組み状況と、制度変更に伴う農家への影響について伺います。
水田を麦・大豆に転作した場合の団地化助成金は、これまで国と市が合わせて10アール当たり水戸地区で6万2000円、内原地区で7万2000円出ておりました。来年度から国の助成金は一律3万5000円になり、これまでどおりの助成額とするためには水戸地区で2万7000円、内原地区では3万7000円の市独自の上乗せが必要です。
昨日の本会議で加藤市長は、一律7万円を補助すると答弁しましたが、これでは内原地区は10アール当たり2000円のマイナスとなってしまいます。少なくともこれまでと同水準の助成が当然であり、その実行を求めますがお答えください。
さらに、飼料や米粉(こめこ)用の新規需要米10アール当たり8万円、そば・なたね・加工用米は2万円、その他作物の1万円についても低すぎるとの指摘がありますが市の見解を伺います。
4.那珂川沿岸農業水利事業について
計画変更の内容・総事業費と水戸市負担金の増大について

次に、御前山ダムを水源とする那珂川沿岸農業水利事業について質問します。この事業は御前山ダムをつくり、那珂川から水をくみあげる機場や水路を整備し、農地に水を送るという名目ではじまりました。
しかし、平成4年スタートで一回目は15年度、二回目は26年度、さらに今回平成30年までと工期延長を繰り返し、事業費が増大する一方、肝心の水需要の低迷で目的がとうに失われたムダ使いの典型であります。今度の計画変更では土地改良区を組み込むとしていますが、破たんした事業のつじつま合わせでしかありません。
事業費は495億からスタートし、結局287億円も積み増して782億円まで膨れあがります。水戸市負担金も、当初約8億円が倍の約16億円となり、来年度予算でも約6200万円が計上されています。
市は国と一体となって計画変更に必要な農家の同意書を集める作業をしていますが、12月15日、内原中央公民館で行われた説明会では「今から水をひくなんて農家は誰も望んでいない」「同意をとる推進委員などに任命されて迷惑している。誰も納得する訳がない」「今まで減反を繰り返し求め、農業では生計が成り立たず後継者がいない。農民を馬鹿にしているのか」と厳しい声が出されたのであります。
至極当然の声だと私は思います。
関東農政局の計画変更概要資料では、工事費の30分の1、13億7300万円が農家負担であり、完成後も管理費として毎年の水利費がかかります。そんな将来にわたる重い負担を農家に課すことはやめるべきです。市は事業中止を国に求め、これ以上負担金を出すことはストップすべきです。
6200万円と言えば来年度の転作助成金1億4000万円の45%にもなります。今必要なのは、コメや野菜など農産物価格の暴落などに対する価格の下支え、後継者の育成、耕作放棄地への対策であり、農家の直接支援に使ってこそ生きた税金の使い方と考えますがいかがでしょうか。
明快な答弁求め1回目の質問を終わります。

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