MASAKI TANAKA 田中まさき
くらし・福祉を市政の主役に 日本共産党 水戸市議会議員 田中まさき
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市議会会議録
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2013年6月議会代表質問(2013.6.18)

(質問と答弁の要旨です。正規の議事録は後日水戸市議会ホームページにアップされます。便宜上、質問と答弁を項目ごとにわけ見出しは田中がつけました。)

 日本共産党水戸市議団の田中まさきです。ただいまから通告に従い会派を代表して代表質問を行います。
1.市長の政治姿勢について
(1)アベノミクスについて

はじめに、安倍内閣がデフレ打開策として掲げる金融緩和、財政出動、成長戦略のいわゆるアベノミクスの三本の矢について市長の見解を伺います。高橋市長は所信表明で、日常生活で明るい兆しを実感できないと述べられました。どの世論調査でも7〜8割の国民は「景気回復が実感できない」と回答し、逆に賃金は下がり設備投資もマイナスです。アベノミクスの金融緩和は投機とバブルをあおり、株や為替の乱高下など、ごく一部の大資産家と投資家が大もうけしています。
一方で庶民はどうでしょうか。住宅ローン金利の上昇や、急激な円安で輸入品が高騰し、食料品や水光熱費、ガソリンなどの値上げが相次ぎ、消費者や中小企業の打撃は日増しにひどくなっています。
今月8日には安倍首相が、企業が海外でもうけた分まで合計する国民総所得を国民の年収にすりかえ、10年間で年収150万円を増やすなどと事実と異なる宣伝をし、意図的に国民をだまそうとしています。
結局、アベノミクスに国民の所得を増やす矢は一本もなく、逆にくらしを壊す社会保障の改悪と消費税増税を加え5本の毒矢ではないでしょうか。
日本共産党は、「大企業の8割は、260兆円にのぼる内部留保の1%の活用で『月1万円』の賃上げが可能」だと提案しています。しかもこの1年間で内部留保が10兆円以上増えています。消費税増税を中止し、賃上げと安定した雇用確保、社会保障の再生・拡充なくして不況打開はありえません。市長としてアベノミクスの暴走をやめ、家計を温める政策への転換を国に求める考えはないか伺います。

■高橋市長…アベノミクスについて■
日本共産党水戸市議団を代表されましての田中議員の御質問にお答えいたします。
はじめに,政治姿勢のうち,政府の経済政策,いわゆるアベノミクスについてでありますが,安倍総理は就任以来,経済回復を政策の最大目標に掲げ,強いリーダーシップのもと,大胆な金融政策,機動的な財政政策,民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢からなる政策を打ち出してまいりました。
政策の発表後は,為替相場が円高の修正に向かい,株価も上昇に転じるなど,景況感は改善傾向を示し,長引くデフレの影響から,閉塞的な状況に苦しんできた我が国の経済に明るい兆しが見えるまでになったと報じられておりますが,私たちが日常生活において,実感できるまでには至っておりません。
現在,為替相場,株式市況ともに不安定な局面が続いておりますが,政府は,この秋にも次なる政策を打ち出すとされており,国全体の経済だけでなく,地方においても,個人や企業の所得が増え,雇用環境が改善するなど,豊かさを肌で感じることができる経済成長となることへの期待感をもって,一定の評価をしているところであります。
私は,地方においても,全てを国任せにするのではなく,自らが力をつけ,地域経済の活性化に重点的に取り組み,経済的な安定を図ることによって,安心できる暮らしの実現を目指してまいりたいと考えております。

(2)歴史認識について
次にこの間、日本の政治家の歴史認識についての発言が大問題となっており、市長の見解を伺いたいと思います。
日本による過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」、日本軍「慰安婦」問題について軍の関与と強制を認めた「河野談話」、この二つの談話を見直すと安倍首相が発言したことをうけ、ニューヨーク・タイムズが「安倍氏の恥ずべき衝動」という非常に厳しい社説を書くなど国際的批判も高まっています。
また、日本維新の会共同代表でもある大阪の橋下市長が「慰安婦は必要だった」との暴言を撤回せず、米軍に風俗業の活用をすすめるなど、女性を冒とくし歴史をねじまげる発言に国内外から厳しい批判の声があがり、市長辞任を求める声が広がっているのは当然です。
第2次世界大戦後の世界秩序は、日本・ドイツ・イタリアの行った戦争は不正不義の侵略戦争だったことを共通の土台とし、これを覆すことは日本が世界で生きていく地位を失う道であります。
日本がアジアと世界から信頼される国になるためには過去の侵略戦争と植民地支配の誤りを認め、負の遺産を精算すること、慰安婦問題では公式の謝罪と個人補償の実施が不可欠と考えます。
日本が過去の清算に積極的に取り組むことは、世界の国々との信頼と友好発展に不可欠と考えますが、市長はこれら歴史問題をどのようにお考えか、見解をお伺いいたします。

■高橋市長…歴史認識について■
次に,歴史認識についてお答えいたします。
全世界から戦争をなくし,恒久平和を望むことは,全人類の共通した願いであります。本市におきましても,この願いの実現に向け,水戸空襲を初めとする戦争の事実と平和の大切さを後世に伝える平和事業に取り組んでいるところでございます。
アジア諸国を初めとする外交問題や戦争責任に関することにつきましては,国の専権事項と認識しておりますので,言及は控えさせていただきたいと存じます。

(3)市職員の給与削減は中止を
次に本定例会に追加提案された市職員給与の削減とその影響について質問します。政府は、地方公務員の給与を7月から7.8%引き下げることを地方自治体に求め、2013年度予算の地方交付税を減額しました。全国市長会などは「地方交付税を国の政策達成の手段として用いるのは、地方の固有財源の否定だ」と強く批判しました。
地方公務員法は、自治体が独自に条例で賃金を決めることを原則としており、国が一方的に下げ幅を決め地方交付税を減額するのは、乱暴なルール違反です。日本共産党市議団は5月22日、高橋市長に対し職員給与削減を行わないよう申し入れました。新聞報道によると、県内で給与削減を実施しない自治体はひたちなか市、土浦市など11自治体、6月議会に提案しない自治体も17あり、合計28自治体にのぼっていますが、なぜ水戸市は提案したのか。
削減額は7.77%下がる35歳の係長で来年3月までに16万円、月約2万円。50歳の課長は25万円で月約3万円、55歳の部長は39万円で月4万4千円ものマイナスで、総額では3億8500万円の削減となります。
教育や介護など最もお金がかかる世代のマイナスであり、公務員の賃下げは士気を低下させ、減り続ける民間労働者の給与削減に拍車をかけ、不況を悪化させることから給与削減条例は撤回すべきではありませんか。

■高橋市長…市職員給与の削減について■
続きまして,市職員の給与削減についての御質問にお答えいたします。
<地方交付税の削減について>
本市におきましては,これまで,国を大幅に上回る定数削減や国に先駆けての給与カットなど,徹底した行財政改革に取り組み,総人件費の抑制を図ってまいりました。さらには,東日本大震災の被災地として,全職員が災害復旧にあたるとともに,大震災からの復興・振興に向けて,全力で取り組んでいるところであります。
このような地方の懸命の努力にも関わらず,給与の減額を前提として地方交付税を削減することは,地方固有の財源である地方交付税を国の政策実現のための手段として用いたことにほかならず,容認できるものではありません。また,民間賃金の引き上げが求められている中で,地方公務員の給与減額を実施することは,回復基調にある地域経済への影響が懸念されるところであります。
しかしながら,地方交付税が大幅に削減され,4億3,300万円の歳入不足が見込まれるとともに,復興増税など,市民の皆様にもご負担をお願いしている状況の中で,防災・減災事業や地域経済活性化に向けた取組を停滞させることのないよう,財源を確保していく必要があり,そのため,苦渋の選択を強いられ,やむを得ず職員給与の減額について決断したものであります。
<職員給与の減額の内容と影響額について>
その概要につきましては,職務の級に応じて,給料月額を4.77%から9.77%までの間で減額するほか,管理職手当は減額率を10%に,地域手当は,支給割合を国基準どおりに引き上げたうえで,減額後の給料等により算定した額とするものでございます。これらの減額措置による本市全体の影響額は約3億8,500万円となり,職員一人当たりの支給額への影響は,平均で年間約15万円,課長級の職員で約25万円と試算しているところであります。
 また,常勤特別職等の給料については,私(市長)は減額率をさらに5%引き上げて25%の減額とし,副市長以下についても同様に減額率を引き上げて一律10%の減額を実施するものであります。
市民の安心・安全の確保に向けて職務に当たっている職員に大きな負担をかけることは,申し訳ない思いでいっぱいであり,減額となる中でも,職員の負担軽減につながるよう,期末・勤勉手当の減額は行わないなど,国の減額措置に比べ,内容の緩和を図ったものでございます。
<国への要望について>
本来,地方公務員の給与は,条例により地方自治体が自ら決定するものであり,国が地方公務員の給与決定に関与することは,地方分権の趣旨に反するばかりか,自主・自立を目指す地方自治体の取組を阻害するものであります。
 私は,先般,茨城県選出の国会議員に対し,中長期的な公務員の給与のあり方については,地方の自主的な取組を最大限尊重するとともに,国と地方の協議の場において十分論議するよう緊急要望を行ってまいりました。今後も,地方公務員の給与決定に国の方針を押し付けるような手法を二度と取ることのないよう,あらゆる機会を捉えて,引き続き国に要請してまいりたいと考えておりますので,御理解をお願いいたします。

2.水道料金の値上げについて
(1)料金改定の諮問について

次に5月30日、水道事業審議会に高橋市長が行った、19年ぶりとなる水道料金改定の諮問について、来年4月からの水道料金値上げ中止を求める立場から質問します。
情報公開された審議会資料によれば、改定率11%と14%の2つの案があり、市民負担は今年度と比べ来年度は約5億円から6億3000万円増え、5年間で24億円から31億円もの大幅負担増となります。しかも5年後にさらなる値上げを検討することまで示されています。
しかし、水道事業は23年度5億4600万円の純利益で、未処分利益剰余金は6億1400万円あります。審議会資料でも水道部みずから「資金の不足額が生じていない」と財政の健全性を評価しており、黒字経営なのになぜ値上げするのでしょうか。
11%から14%の値上げ案は、日本水道協会発表の一昨年度の平均改定率3.8%と比べても3~4倍であり異常に突出しています。逆に全国には値下げした事業体が54もあります。
水戸市は今年、国保税、下水道料金、農業集落排水使用料を値上げしたばかりです。毎日の生活に欠かせない水道料金の値上げは家計に直接ひびき、一昨年度に約2600件も行われた給水停止を更に増やし、命にかかわる問題も起きかねません。来年四月から消費税増税も計画される中、市民生活を追い込む値上げはやめるべきです。
(2)基本水量の引下げを
今必要なことは値上げではなく、基本水量を引き下げ、水利用の少ない市民の負担を軽減することです。私は今年3月議会でも提起しましたが、1か月10立米、2か月で20立米の基本水量以下の利用者が一般家庭の4割にのぼっており、節水しても料金が同じでは不公平です。基本水量は5立米などに引き下げて、高齢者や1人暮らし世帯の負担を減らすべきではありませんか。
(3)茨城県中央広域水道からの受水中止について
水戸市は約6万人分も自前の施設に余裕があるのに、茨城県中央広域水道用水供給事業から全国一高い水を買い続けてきました。3月議会で水道部長は、水戸市には「32万人分の施設能力がある」としながら、受水をやめるとは決して答弁しません。
1年間で約1億6300万円、受水してからの累計額は28億7千万円にものぼります。ムダ使いを今後も続けながら値上げなど到底認められません。受水は即刻やめるべきではありませんか。
(4)借り換えの推進について
もうひとつムダな出費は借金返済における高い金利の支払いです。
料金改定の財政計画では、新たな借り入れを年度ごとの返済の7〜8割におさえ、その分を値上げで補填する計画です。
しかし、過去5%から7%台の高金利の企業債を低金利に借換え、13億6千万円の利息負担が軽減できました。今議会にも金利4%以上の企業債のうち5億3400万円を0.1から0.4%台に借り換える提案がされ、1億300万円が節約できます。残りの4%、3%台(16件)の企業債も借り換えれば4億円の節約が可能であり、借り換えのさらなる推進を求めます。
今後9月末に審議会答申、12月議会に値上げ条例を提案、来年4月実施の計画ですが、値上げのうえに消費税増税分も転嫁されれば市民負担は大幅に増えます。暮らし直撃の値上げ計画撤回を求めます。

■倉田水道事業管理者…水道料金の値上げについて■
<料金改定の諮問について>
田中議員の代表質問のうち,水道行政についてお答えいたします。
はじめに,水道料金値上げのうち,料金改定の諮問についてでございますが,
本市の水道事業は,昭和7年の近代水道創設以来,市勢の発展等に即応して増大する水需要に対処するため,浄水場や基幹管路などの施設拡張事業等を展開してまいりました。平成24年度末現在では,給水人口が約26万8千人,普及率がほぼ100パーセントに達しているところです。
一方で,給水人口の伸びの鈍化や節水型機器の普及,更には市民の節水意識の向上などにより,有収水量が減少傾向を示し,給水収益の大幅な増加が見込まれない状況となっております。さらに,施設整備事業費の財源として,これまで,企業債に依存してきたため,企業債残高が,平成23年度末現在で約230億円にのぼり,企業債元利償還金が多額なものとなっており,事業経営は厳しさを増していることから,これまで実施してきた経営の合理化・効率化など行政改革を今後も推進していく必要があります。
こうした中,中心市街地において創設期の老朽化した配水管の更新が急務となっており,さらに,昭和30年代から40年代にかけて建設された浄水場などの老朽施設の更新については,東日本大震災の教訓を踏まえ,耐震化を図り,「強靭」な施設の構築を早急に実施しなければなりません。
将来にわたり市民の皆様に「安全」で良質な水を安定的に給水し続ける水道事業の「持続」性を確保するため,アセットマネジメントの手法を取り入れ施設整備事業計画を策定したところであり,今後40年間で約1,120億円の多額な費用が必要となります。
このようなことから,現行の料金について総合的に検証するため,本年5月30日に,学識経験者や各種団体の代表さらに一般公募者から構成される水道事業審議会に対し,水道料金の改定について諮問したところであります。
<基本水量の引き下げについて>
次に,基本水量制につきましては,公衆衛生の向上と生活環境の改善を図るため導入され,当初の目的はほぼ達成している状況にあることから,全国的に見直しが進められているところでございます。
本市におきましては,市民の生活スタイルが節水型へと変化していることから,1か月の基本水量10立方メートル以下の使用者の割合が,一般家庭において約4割に達しており,不公平であるとの意見も寄せられているところでございます。
このような状況等を踏まえ,審議会において,基本水量制をはじめ,料金体系のあり方についても審議される予定となっております。
<茨城県中央広域水道用水供給事業からの受水中止について>
次に,茨城県中央広域水道用水供給事業からの受水を即時中止すべきとのご質問でございますが,県からの受水の必要性については,大規模災害や突発的な事故時においても,常時安定的な給水をする必要があることから,市民の安心・安全の確保のために複数の水源のひとつととらえております。
また,受水料金につきましては,県が経営する用水供給事業の中で突出して高い水準となっており,受水団体の経営を圧迫していることなどから,これまでも,茨城県知事及び企業局長に対し,11市町村で構成する県中央広域水道建設促進協議会を通じて,料金の値下げについて要望してきたところであり,再度,今年度も実施してまいりたいと考えております。
<借換の推進について>
最後に借換の推進についてでございますが,これまで本市水道事業においても公的資金補償金免除繰上償還制度を活用し,公債費負担の軽減に努めてまいりました。これにより,平成19年度から平成24年度までに,年利5パーセント以上の企業債約68億円を低利で借換え,約14億円の利息軽減効果を得たところでございます。
また,平成25年度限りの措置として,新たに,東日本大震災の特定被災地方公共団体における復旧・復興を支援するため,地方公共団体金融機構から借り入れている,年利4パーセント以上の企業債について公的資金補償金免除繰上償還を実施できる制度が設けられたことから,約5億円の借換えを本議会に上程しているところでございます。

3.保育所待機児童について
(1)待機児童ゼロへの計画について

次に、保育所待機児童の解消について質問します。
厚労省基準による水戸市の待機児童は、今年3月時点で435名から4月1日時点で91名となりましたが、実際の申込者総数は243名であり、依然として待機児童解消のめどがたっておりません。
先に示された第6次総合計画・基本計画の案では、今後5年間で待機児童をゼロにするため、500人分の定員を増やすとしていますが、切実な実態から見ればもっと早くゼロをめざすべきです。また、この目標で5年以内にゼロにできるか疑問ですが、市の計画を伺います。
先日、安倍首相は待機児童ゼロにむけ、いわゆる横浜方式を全国に広げるとしましたが、これは多くの問題があります。第一に、営利目的で参入した企業の経営が成り立たず閉鎖する例や、国基準の3分の2の保育士数で入れ替わりが激しいこと。第二に定員拡大や面積基準の引き下げで子どもをつめこみ、園庭やプールもない、ビル内や電車のガード下の園が多いこと。第三に一時保育利用者や育休延長者は待機者に含まず、待機者ゼロは統計上のみせかけと指摘されています。
水戸市は今年度2か所の民間保育所建設に約3億円補助しますが、そのうち9分の8は国の安心こども基金を活用し、市の支出は9分の1で、1か所当たり約1500万です。保育所の大幅増設は財源的にも大きな負担ではありません。水戸市が待機児童ゼロをめざす場合、保育環境軽視のつめこみや企業参入をすすめるのではなく、充実した保育環境のもとで認可保育所を大幅に増やすべきですが今後の整備方針を答弁願います。
(2)公立保育所での定員増について
第6次総合計画・基本計画案では、今後の定員増は民間だけで、公立保育所は定員を増やさない方針が示されています。しかし、水戸市は子どもの数に対する保育所定員がまだまだ少ないのです。
待機児童ゼロの前橋市は未就学児の35%(6185人)の定員ですが、水戸市は26%で、前橋市並みにはあと1300人増やす(現行3719人を5000人まで)必要があります。つくば市は過去5年で水戸市の2倍にあたる950人の定員を増やし、保育園数で5園、定員で約800人も水戸市を上回っています。
財務省は6月6日、「未利用の国有地を保育所用地に提供する」と発表し、私が水戸財務事務所に確認したところ、元吉田町の約9000平米の土地を含め3箇所の大きな未利用地があり、初期負担軽減のため土地購入の必要のない定期借地権方式も利用可能とのことです。これらの活用も含め民間まかせでなく公立でも定員を増やすべきと考えますがいかがでしょうか。  

■高橋市長…保育所待機児童ゼロについて■
<待機児童ゼロへの計画について>
次に,保育行政についてお答えいたします。
はじめに,保育所待機児童についてのうち,待機児童ゼロへの計画についてでございますが,本年4月1日現在の保育所入所待機児童数は91人,昨年4月1日現在は88人となっており,3人増加し,本市における待機児童解消は重要な課題であると認識しております。
そのため,本年3月,河和田町地内に定員90人の民間保育所を開設し,さらに4月には民間保育所1箇所の定員を20人増員いたしました。また,今年度中に定員90人の民間保育所2箇所を開所する予定となっており,合わせて290人の定員増となる見込みでございます。 
今年度も,安心こども基金を活用した民間保育所2箇所の整備により,さらに,定員増を図ることとしております。
今後は,子ども・子育て支援新制度の制度設計の過程で,就学前の子どもに関する教育・保育のためのニーズを的確に把握しながら,今年度,国から「待機児童解消加速化プラン」として示された,安心こども基金を活用した事業への取り組みについて検討するとともに,「水戸スタイル」ともいうべき水戸独自の事業も検討することにより,早期の待機児童解消を目指してまいります。
<企業参入による保育所の運営について>
次に,企業参入による保育所の運営についてでございますが,国が,「当該地域で保育需要が充足されていない場合には,設置主体を問わず,審査基準に適合している者から保育所の設置に係る申請があった場合には認可する」としていることから,今後,必要に応じ検討してまいります。
<公立保育所の定員増について>
次に,公立保育所の定員増についてでございますが,現在,公立保育所の定員は980人であり,本市全体の認可定員3,629人の約27%を占めております。さらに本議会において提案しております白梅保育所の移転増改築により20人の定員が増え,公立保育所の定員は1,000人となります。
公立保育所の建設費は安心こども基金の対象外であり,財源確保の面から,新規の整備は難しい状況でございます。
今後におきましても,安心こども基金を活用した民間保育所の整備等を促進し,保育所入所待機児童の解消を図ってまいりたいと考えております。

4.東海第2原発の再稼働中止について
(1)福島第一原発の半径20キロ圏の実情について
 
 次は東海第二原発の再稼働中止を求めることについてです。
 日本共産党水戸市議団は6月4日、福島第一原発から南15キロにある楢葉町と7キロにある富岡町を視察してきました。どちらも放射線量が高いため全町民がいわき市のプレハブ仮設住宅などで避難を続けています。楢葉町は4月から「避難指示解除準備区域」に再編され、立入制限は解除されたものの、町全域で除染作業が続けられており、自宅に宿泊できません。
楢葉町からつくば市に避難している方の案内で、除染作業を見学しました。この方のご自宅は10年前に建てた立派な日本家屋で、地震の被害はほとんどなかったにもかかわらず、住むことができません。
95歳の母親は「楢葉に早く帰りたい」と繰り返しながら避難先で亡くなったそうです。「除染されるのは住宅地中心で周辺は高線量のまま。一体どれだけの町民が戻ってくるか。事故収束なんてとんでもない。この現実を多くの人にわかってほしい。」と訴えていました。
除染で削った土や草木をつめた黒い袋が仮置き場のあちこちの田んぼに大量に積まれていました。一軒の除染で1立米の袋が約30袋発生するためどこまで増えるかわからず先の見通しはたっていません。
また、富岡町の常磐線富岡駅周辺は、津波の被害そのままに建物が残され、がれき撤去さえ行われていません。住民が誰ひとりすんでいない町を行き交うのは除染作業員と第一原発へ向かう車だけという異様な光景に、事故の深刻さを感じました。ひとたび事故が起きれば他人事ではないこの福島の被災地の現状を市長はどのように考えておられるか伺います。
(2)東海第二原発の風下にあたる水戸市の被害想定について 
3・11で東海第二原発が過酷事故を起こしていたら、今頃私たちはどこに住んでいたのでしょうか。福島原発事故では原発から20キロ圏内がすべて、人が住めない広大な地域となりました。20キロといえば、東海第二原発から茨城県庁までの範囲で、水戸市の半分の区域が入ります。かつ茨城県では年間を通し、北北東の風が多く出現します。東海第二原発で大事故が起き、水戸市が風下になれば、この市役所まで15.8キロ、風速3.5m程度でも75分で放射性物質が到達します。避難は困難を極め、多くの市民の被爆は避けられません。
一度避難すれば二度と戻ることはできないかもしれない、まさに取り返しがつかない事態となります。私達はこのような危険と隣り合わせで暮らすことはできないと考えますが、市長の見解を伺います。
(3)首長懇談会の協定見直し要求と廃炉表明について
水戸市長、東海村長、ひたちなか市長など6人で組織する原子力所在地域首長懇談会は、かねてから東海第二原発を運営する日本原電に対して、再稼働への意見表明を求める要求書を出していますが、原電の回答はどうなっているのでしょうか。
肝心なのはどういう意見を表明するかです。高橋市長は「厳しい判断をしていく」と繰り返してきましたが、他の首長とともに、はっきり再稼働反対を表明し、日本原電や国に迫っていくことを求めますがいかがでしょうか。

■高橋市長…東海第二原発の再稼働中止について■
次に,東海第二原発の再稼働中止の御質問についてお答えいたします。
<福島の被災者の現状について>
福島原発事故から2年が経過しているのにもかかわらず,未だに,福島県民の多くの方々が県内外で避難生活を余儀なくされており,帰宅できる見通しも立たない中,日々をお過ごしなっている心情を察するとき,一日も早く穏やかな日常が戻ってくることを願ってやみません。
避難された方々を思うと,私は,原子力施設においては,何よりも安全が最優先されるべきであり,このような原子力事故は,二度と起こしてはならないと改めて強く思うところであります。
<東海第二原発の過酷事故と水戸市への放射能拡散について>
今年の3月11日に実施された県の原子力防災訓練につきましては,本市のほぼ全域に放射性物質が拡散したとの想定で実施されました。
本市では,東海第二発電所から30km圏内の緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)に位置することから,地域防災計画原子力災害対策計画編の中で,原子力発電所において過酷事故が発生し,本市に重大な影響を与えることも想定しております。
<原子力所在地域首長懇談会の要求と日本原電の回答について>
原子力所在地域首長懇談会の要求につきましては,6月5日,日本原子力発電株式会社に対し,安全協定の改定や,使用済み核燃料の乾式貯蔵への切り替えを求める要求書を提出いたしました。
原電からは,安全協定の趣旨を踏まえ,引き続き周辺市町村と協議をしていきたいとの意向が示されたことから,周辺市町村と連携して要求の実現に向け取り組んでまいります。
<東海第二発電所の再稼働について>
東海第二発電所の再稼働につきましては,これまでも申し上げてまいりましたとおり,東日本大震災を上回る地震,津波に対しても二重,三重の安全対策が講じられ,万全であると確認されることが大前提であり,私は,市民の安全で安心な暮らしを守っていくという立場からは,厳しい判断をしていかなければならないものと考えております。

5.J−PARCセンターの放射性物質の漏洩事故について
(1)安全管理と再発防止の徹底、通報連絡体制について

次に、J-PARCセンターで発生した放射性物質の漏洩事故について質問します。5月23日、東海村にある日本原子力研究開発機構と、高エネルギー加速器研究機構が共同運営する大強度陽子加速器施設、J-PARCセンターのハドロン実験施設で、中性子やニュートリノなどの素粒子を発生させる装置で、通常の約400倍の陽子ビームが標的の金に衝突し、発生した放射性物質が実験施設内に漏れました。
施設内の空間線量は4から6ミリシーベルトと通常の10倍以上に上昇し、研究者など34人が1・7から0・1ミリシーベルトの内部被爆をしました。さらに2回にわたり放射性物質を除去するフィルターのない換気扇を回したため、外部にも放射能が漏れ、西側1キロの住宅地まで拡散したとされています。
この事故に対し、施設責任者が「想定外」と述べたことに多くの市民は「またか」の思いを強くしています。世界最高性能とうたわれる施設における安全管理のずさんさは放置できません。
日本共産党は5月30日、江尻議員や大内県議らが現地調査し、▽被ばく範囲と健康調査の実施▽事故原因の徹底究明と公表▽安全神話の一掃▽抜本対策をとるまで運転再開しないこと▽自治体への通報、住民への連絡体制の改善などを申入れました。
私が伺った原子力機構の関連施設の専門家は「放射線作業従事者は室内が汚染したらすぐに全員退避が常識だ。警報がなったのに実験を再開し、外部に放出するなど考えられない。」と話していました。
そもそも安全軽視の設計で、許認可上の問題があったのではないかとも指摘されています。
そこで質問の第一は、事故発生時の市の対応と、今後の安全管理の徹底および再発防止にむけた対策を伺います。
第二は、通報連絡体制の問題です。水戸市に連絡がきたのは事故発生から34時間以上たった5月24日午後10時40分、職員のいない市地域安全課にファックスが送られてきただけでした。なぜこのような事態となったのか。本来の通報ルールを逸脱した理由を答弁願います。
通報を受ける水戸市の休日夜間の対応や、市民への広報など、原子力災害対策が確立しているのか疑問の声が出されています。今回の補正予算で、瞬時に多方面に災害情報を通報できるJアラート設備の強化予算が提案されました。同様のホットラインを原子力関連施設と確立する必要はないのか、迅速確実な情報伝達への改善策を伺います。
(2)原子力事業所の総点検について
今回の事故で茨城県や関係自治体も、J−PARCの実態を十分把握していなかったことが明らかとなりました。そういう実態では他に16ある原子力関連施設にも「想定外」の危険がないか疑問が残るのであります。
水戸市は、県や関係自治体とともにすべての原子力関連事業所の総点検を行うとともに、現在認められていない立ち入り調査権を確保し、継続的に実態を把握するよう求めますがいかがでしょうか。
以上、明快な答弁を求め1回目の質問といたします。

■高橋市長…J−PARCハドロン実験施設の事故について■ 
次に,東海村のJ−PARCハドロン実験施設の事故につきましては,平成25年5月23日午前11時55分ごろ,装置の誤作動による放射性物質の漏えい事故が発生いたしました。本市には,事故発生から1日半経過した翌24日午後10時40分に,通報連絡協定に基づき,日本原子力研究開発機構からのFAXによる事故発生の第1報がありました。また,25日に行われた県の緊急現地立入調査に,本市職員を同行させました。
<安全管理と再発防止・通報連絡体制の改善について>
 このような事故や不手際は,二度とあってはならないことから,私は,5月27日に,日本原子力研究開発機構に対し,通報連絡体制の改善を求めるとともに,事故防止等の安全管理を徹底するため,再発防止と事故の原因究明を速やかに行い,公表するよう強く申し入れたところであります。日本原子力研究開発機構及び高エネルギー加速器研究機構に対しては,今回の事故を重く受け止め,事故原因の究明と安全管理,再発防止の徹底を強く求めるものであります。
 原子力事業所との災害時の情報連絡体制につきましては,通報連絡協定において,事態が発生した際には,原子力事業者が県・周辺市町村などに,直ちに電話及びFAXで連絡することが定められております。
 市では,休日・夜間などにおいても連絡体制を整備しており,通報を受けた場合,直ちに職員が参集することとなっております。今後,原子力事業所に対しては,円滑な初動対応を確保するため,協定の厳格な運用を求めてまいります。
<原子力事業所の総点検について>
 次に,原子力事業所の総点検につきましては,J−PARCの事故の教訓を踏まえ,放射性物質を取り扱う施設におきましては,改めて,安全管理の徹底を求めていきたいと考えております。
市の立入り調査権につきましては,現在,県央首長懇話会及び原子力所在地域首長懇談会において,日本原電に対し安全協定の見直しを求めているところでありますので,今後も,周辺市町村と情報交換を図りながら,連携して取り組んでまいります。

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