１ 労働組合を活かそう
みなさんの職場には労働組合はありますか？労働組合は会社ごとにあったり，同じ職種ごとにあったり，さまざまな労働組合があります。ユニオンと呼ばれたりもします。
労働組合は，働く人たちの労働条件を改善するために会社と交渉や要求をするグループです。
一昔前は会社などで働いていれば労働組合に入るのが当たり前でしたが，今は加入していない人の方が多いようです。
しかし，何か職場でトラブルがあった時，頼りになるのは労働組合です。ぜひ労働組合を積極的に活用してみましょう。
２ 労働組合はここが強い！
では労働組合のどこが頼りになるのでしょうか？
まず，労働組合からの交渉の申し込みは，会社は基本的に断れないという点があります。例えば，給料を上げて欲しいという要求があったとします。この場合，弁護士を通して交渉をしても会社は交渉自体を拒否をすることもあります。しかし，労働組合がこの交渉を申し込んだ場合，基本的には交渉を拒否することができないのです。仮に正当な理由なく拒否してしまえば違法になってしまいます。
つまり，労働組合との話し合いに対しては会社はきちんと対応しなければいけないのです。
また，働く人たち同士で一緒になって活動することによって，会社への圧力にもなります。一人だけで会社に要求しても，会社にとってはたった一人の要求として無視されることもあります。しかし，その会社の従業員全員が何か要求をした場合，従業員全員を敵に回すことを恐れて会社としても粗末に扱うことができません。
このような強みがある労働組合は頼りになる存在です。
３ 労働組合に加入・相談しよう
何かトラブルがあった場合，労働弁護団の弁護士に相談することも大事ですが，事案によっては労働組合に相談した方がうまく行くこともあります。千葉労働弁護団の弁護士も，労働事件の解決のために弁護士による労働審判や訴訟だけでなく，労働組合と連携して会社側と交渉することもあります。
問題が起きる前に労働組合に加入して普段から職場で労働トラブルに備えましょう。
また，労働組合に入りたい，労働組合に相談をしたいといった相談も労働弁護団にお寄せください。
（弁護士 田村陽平 千葉中央法律事務所）